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更新日:2021.09.08 / 掲載日:2021.09.08
ポルシェ コンセプトモデル「ミッションR」発表 最大出力1088PS発揮のEVスポーツカー

ポルシェ ミッションR
ポルシェAGは9月7日~9月12日にドイツ・ミュンヘンで開催中のモーターショー「IAA MOBILITY 2021」において、フル電動カスタマーレーシングカーのコンセプトモデル「ミッションR」を発表した。
2つの電気モーターを搭載 最高出力1088PS 最高速度は300km/h超
ミッションRは、ルーフからボディ後方へなだらかな曲線を描くポルシェスポーツカー特有の「フライライン」を備えつつも、随所に先進性を感じさせるデザインが目を引くコンセプトモデル。
新開発の2つの電気モーターを搭載し、予選モードで最大出力1088PSを発揮、約80kWhのバッテリーと革新的な回生システムによって出力を失うことなく加速することが可能という特色を持つ。
この車両について、ポルシェAGの取締役会会長のオリバー・ブルーメ氏は「ポルシェは夢を実現する人々のためのブランドです。これはモータースポーツにも当てはまります。私達はサーキットで革新的な強さを体験し、新しい道を追求する勇気を示し、車のオーナーにスポーツカー然とした性能で喜びを与えます。フォーミュラE世界選手権への参戦に加えて、私達はここでE-モビリティの次の大きな一歩を踏み出します。このコンセプトモデルは、フル電動カスタマーモータースポーツに対する当社の展望を示します。ミッションRには、ポルシェを強くする全てのもの、つまり性能、デザイン、持続可能性が具現化されています」と、フル電動カーによるワンメイクシリーズの未来を示す存在としての重要性を語る。
ミッションRに搭載した2つの電気モーターは、フロントが最大出力435PS、リアが最大出力653PSを発生、システム全体で予選モードで最大出力1088PSを発揮し、レースモードでは680PSの定出力を発生する。
0-100km/h加速は2.5秒未満、最高速度は300km/hを超え、サーキットでは現行のポルシェ911 GT3カップと同等のラップタイムを可能にするという。
ノーズセクションとリアウイングにはドラッグリダクションシステム(DRS)を備えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)を装備。
これは、ノーズセクションの2つのサイドエアインテーク(各々3つのルーバー付)と、調整可能な2セクションリアウイングで構成される。
また、高度な900Vテクノロジーと最大340kWで急速充電できるポルシェターボチャージャーにより、15分で5-80%のSoC(充電状態)にバッテリーを充電することが可能とした。
先進的で持続可能性にも重点を置いたデザイン
ミッションRのボディサイズは全長4,326mmと現行の718ケイマン シリーズよりもわずかに短いが、全幅1,990mm、全高1,190mmとワイドかつ大胆な低さの設定に。
カーボンファイバー複合材料で造られた安全構造は、優れたドライバーの保護性能、軽量性、および独特の外観を兼ね備え、ポルシェのエンジニアとデザイナーが“exoskeleton”(エクソスケルトン)と名付けた新開発のカーボンルーフ構造は、セーフティーケージとルーフパネルを組み合わせる。
またフロントスポイラーリップ、ディフューザー、サイドスカートは、主に亜麻繊維を基本素材とした天然繊維強化プラスチック(NFRP)でできており、持続可能性に重点を置いた素材が選ばれている。
インテリアデザインは、あらゆるエリアでドライバーに焦点が当てられ、ステアリングホイールスイッチ間に人間工学的に配置されたディスプレイにはレース中の関連データを表示、ステアリングコラム上のモニターには、サイドミラーカメラとセンタールームミラーカメラからの画像を表示する。
また、シートの右側にあるタッチディスプレイを使用すると、ドライバーの生体認証データを呼び出すことが可能。
車内にある他の多数のカメラを使用して、ライブストリームにエキサイティングなシーンを提供することも可能とした。
インテリアドアパネル、リアバルクヘッド、シートなどにも前述の天然繊維強化プラスチックを使用している点も注目だ。