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更新日:2021.07.07 / 掲載日:2021.07.04
世界各地でこの夏発売! 新型ランドクルーザー特報

世界各地で2021年夏から発売予定/6月10日に中東地域を中心にオンラインで世界初公開された新型ランドクルーザー。日本導入モデルの詳細については未発表だが、大いに期待できるのは間違いない。
初代の誕生から70年になるランドクルーザーのフラッグシップが、この夏14年ぶりにフルモデルチェンジを遂げる。トヨタ社内でもこの道一筋の専門部隊が開発する機能性能は、道なき道を安全安心に走破するために進化する。
生きて帰ってくるための切実な性能を磨き上げる
オフロード車やピックアップトラックを原型とするSUVが、個人のマイカーとして定着したのは近年のこと。乗用車ベースのRAV4やハリアーが誕生する前のSUV、中でもオフロード4WD車は軍隊や営林署、電力会社や雪国の警察といった、特殊なプロフェッショナルのための乗り物だった。 その筆頭がランドクルーザーだ。1951年にトヨタジープBJ型として誕生以来、頑丈で扱いやすく、高い走破性を誇る歴代のモデルは日本はもとより世界のタフな土地で愛され、「このクルマでしか生きて帰って来られない」と言われる過酷な道を走り抜いてきた。 そんな絶対の信頼を背景に、170か国・地域で累計約1040万台も販売されたというランドクルーザーシリーズの、最新かつ最高峰が新型の300系だ。 今や「砂漠の高級車」とも称されるまでになったランドクルーザーだが、生きて帰ってくるための切実な性能こそ命なのは不変。新型も信頼性、耐久性、悪路走破性は進化・継承しながら、世界中のどんな道でも運転しやすく、疲れにくい走りを実現させたという。 とんでもない悪路を走破するために、プラットフォームはもちろん独立フレーム式。アンジュレーション(不正)のきつい路面でも接地性を保つE-KDSSサスペンションや、路面状況をクルマが読み取って駆動モードを自動的に選択するマルチテレインセレクトなどの最先端メカも投入される。 エンジンは従来のV8に代わり、新開発のV6を搭載。3.5Lのガソリンと3.3Lのディーゼルはともにツインターボで、10速のATと組み合わされる。 最新の予防安全装備、トヨタ・セーフティセンスを搭載し、オンロードのクルージングも快適にこなすはずだ。しかし、このクルマが本領を発揮するのは、やはり道なき道の命がけのドライブが日常の、地球の裏側に違いない。


全長、全幅、ホイールベースなどは現行型を踏襲。全長5m級のボディに3列シートを備え、ミニバン的な使い方も可能だ。

インパネは、不整地で車体の傾きを把握しやすい水平基調のデザイン。ボディを透過したように前方路面を表示するマルチテレインモニターも用意。

伝統の走破性はさらに磨かれる。フロントマスクはこれと冒頭の写真の2タイプが用意される。現状では使い分け方は不明だが、こちらが実用グレードか。

トヨタセーフティセンスには、昼夜間の歩行者のほか昼間は自転車運転者も検知する自動ブレーキシステムや、ドライバーの緊急回避操舵支援機能も搭載。
ハードウェアは全面刷新
ガソリン/ディーゼル共に新開発パワートレーンを投入
現行型ではV8の4.6Lが積まれていたが、新型はガソリン、ディーゼル共に新開発のV6となる。ガソリンが3.5L、ディーゼルが3.3Lのいずれもツインターボで、トランスミッションも新開発の10速ATが標準で、一部地域にV6NA+6ATも設定されるという。日本向けにはハイブリッド追加もありそう。

V8からV6へのダウンサイズと10速AT、車体軽量化などで、車両使用中の全世界でのCO2排出量を現行型より約10%低減できるという。
TNGA技術の流れを汲んだ新GA-Fプラットフォームを初採用
トヨタの最新プラットフォーム、TNGAを名乗るが、GA-Fと呼ぶそれはランドクルーザー専用の独立フレーム式。本当に過酷なオフロードでは、これでないともたないのだ。それでも新設計のフレームとボディは、車両全体で200kgの軽量化と低重心化を実現している。

どんなに不正な路面でもタイヤがしっかりと接地するよう、スタビライザーを電子制御で断続するE-KDSSなどの先進技術を投入している。
●文:横田 晃