車種別・最新情報
更新日:2021.03.16 / 掲載日:2021.03.15
HONDA 新型ヴェゼル 新旧比較

新型ヴェゼル 開発責任者 岡部 宏二郎氏
『フルモデルチェンジというより、今、世界中で選ばれるにはどうするか。世代、性別を超え“新しい価値観”を持った方に選んでいただけるよう開発しました!』
『フルモデルチェンジというより、今、世界中で選ばれるにはどうするか。世代、性別を超え“新しい価値観”を持った方に選んでいただけるよう開発しました!』
エクステリア比較
どちらもクーペライクだが、新型はエッジを利かせ、どっしりしたスタイルで大きく見える
新旧ともにクーペルックなのだが、従来型のテールゲートの傾斜は比較的緩く、リヤピラーとリヤサイドウインドウ形状により深い前傾を演出。新型はリヤウインドウ傾斜そのものを深めにし、エッジを利かせたデザインとなっている。車体寸法は大きく変わっていないのだが、水平基調のボンネットや上下にボリュームを持たせたフロントマスクもあって従来型と比較すると一回り大きく感じられ、同時にSUVらしいタフネスを醸し出していた。
新型


従来型
丸みを帯びたボディが特徴的な従来型に比べ、新型は前後の重心を上げた上でグラスエリアを狭く見せ、まるでデザインスケッチそのままのようなエクステリアデザインに。
インテリア比較
尖ったエクステリアに比べ、インテリアは新旧ともオーソドックス。質感がさらにUP
個性的な外観の印象に比べると内装はオーソドックスである。シート織り柄等で新味を出しているが、メタル調や光沢仕上げの加飾をあしらい機能感と車格感を演出。SUVを殊更に印象付ける部分もない。言い方を換えるなら品よく馴染みやすいデザインである。従来型でも同クラスではゆとりあるスペースを備えていたが、広さを寛ぎや楽しさに結びつけたインテリアでもあり、レジャー&ツーリング向けのSUVらしい設えだ。
新型

従来型
ブラック内装同士で見比べ。操作系を運転席へ傾けた、ややスポーティな従来型と比べると、新型はプレミアム路線に振った質感の高い設えとなっていることがわかる。
居住性&乗降性比較
見た目から感じるより、広さの印象は変わらず
リヤシートに座った印象では従来型よりもバックレストが若干大きくなったように感じられたが、広さは大同小異。リヤドア開口形状が変わって乗降時の頭抜けが多少改善されたが乗降性も同等である。
新型
■後席周り寸法データステップ地上高…42cmシート座面地上高…67cm(以下計測モデル身長170cm)膝前スペース…28cm頭上空間…5cm※e:HEV Zの編集部実測値。
従来型
■後席周り寸法データステップ地上高…45cmシート座面地上高…65.5cm(以下計測モデル身長170cm)膝前スペース…25.5cm頭上空間…9cm※ハイブリッドRS ホンダセンシングの編集部実測値。
ユーティリティ比較
ラゲッジの使い勝手は新型もクラストップレベル。身の周り品の細々収納はやや手薄
荷室奥行きの余裕とたっぷりの荷室深さで荷室容量はクラス最大級。これにスペース効率と多様な積載性をもたらす後席格納機能が加わり、荷室の使い勝手は同サイズのクルマの中でもトップクラス。また、Z以上には予約クローズ機能付きのハンズフリー対応のパワーテールゲートが装備される。一方、室内の小物収納に目立った工夫はなく、グローブボックスやドアポケットが主となる。身周り品の多いタウンユースには不向きだ。
新型

■荷室周り寸法データ荷室最大奥行き…155cm荷室通常奥行き…75cm荷室最大幅…131cm荷室床~天井(最大)…85cm開口部最大高…96cm開口部最大幅…100cmリヤハッチ取っ手地上高…190cmバンパー上 地上高…70cm※e:HEV Zの編集部実測値。
従来型

■荷室周り寸法データ荷室最大奥行き…153cm荷室通常奥行き…79.5cm荷室最大幅…128.5cm荷室床~天井(最大)…82.5cm開口部最大高…91cm開口部最大幅…118cmリヤハッチ取っ手地上高…186cmバンパー上 地上高…66cm※ハイブリッドRS ホンダセンシングの編集部実測値。
パワーユニット比較
各スペックは未公表、正式発表&試乗が楽しみだ
フィットから名称をe:HEVに変更したが、構成はi-MMDと共通。エンジンを発電機として電独駆動するシリーズ式ハイブリッドをベースにエンジン直動機構を加えて高速巡航時はパラレル式として稼働するのが特徴。1.5Lのe:HEVには出力の異なる2タイプあるが、専用設定も含めてパワースペックは未公表である。
新型



従来型
i-DCDだった従来型のハイブリッドだが、新型はe:HEV(i-MMD)に。走行モードは3つ。Bレンジがあるほか、減速セレクターでは4段階で減速の強さを調節可能。
先進安全&コネクト機能比較
「飛び道具」のようなものはないがアップデートされている
先進安全&運転支援機能をパッケージしたホンダセンシングはフィットと共通と考えていい。衝突事故回避支援だけでなく運転ストレス軽減の支援機能の向上で長距離適性も高まる。自動地図更新サービス以外の車載ITの基本機能はホンダeと共通。ヴェゼル特有というよりもホンダ コネクトのアップデートに準拠した設定である。
【従来型→新型】ホンダセンシングの追加機能
・後方誤発進抑制機能
・近距離衝突軽減ブレーキ
・オートハイビーム
新型ヴェゼル:各グレードの違いとおすすめ(!?)グレード
G(FF/4WD)【ラインナップ唯一のガソリン車】
・主要装備: ●LEDフォグライト ●ヒルディセント・コントロール ●Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージ ●運転席&助手席シートヒーター〈4WD車〉●静電タッチ式LEDルームランプ ●チップアップ&ダイブダウン機構付6:4分割可倒式リヤシート ●16インチアルミホイール(ブラック+切削)ほか
e:HEV X(FF/4WD)【装備十分のベーシックe:HEV】
・主要装備: ●Honda SENSING ●フルLEDヘッドライト〈デイタイムランニングランプ付き〉(マニュアルレベリング/オートライトコントロール機構付) ●LEDフォグライト ●ヒルディセント・コントロール●Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージ ●運転席&助手席シートヒーター〈4WD車〉 ●静電タッチ式LEDルームランプ ●チップアップ&ダイブダウン機構付6:4分割可倒式リヤシート ●16インチアルミホイール(ブラック+切削) ●減速セレクターほか
e:HEV Z(FF/4WD)【先進安全装備が充実】

・主要装備:e:HEV Xの装備に加えて ●LEDシーケンシャルターンシグナルランプ(フロント)●ブラインドスポットインフォメーション●LEDアクティブコーナリングライト ●フルLED ヘッドライト〈デイタイムランニングランプ付き〉(オートレベリング/ オートライトコントロール機構付き) ●運転席&助手席シートヒーター〈FF車〉 ●ステアリングヒーター ●ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(予約クローズ機能付き) ●充電用USBジャック(後席用/急速充電対応タイプ2個付き) ●本革巻ステアリングホイール(スムースレザー) ●18インチアルミホイール(ブラック+切削)
e:HEV プレイ(FF)【専用内外装の個性派】

・主要装備:e:HEV Zの装備に加えて ●Honda CONNECTディスプレー+ETC2.0車載器〈ナビゲーション連動〉 ●パノラマルーフ(IRカット〈遮熱〉/UVカット機能付プライバシーガラス) ●ワイヤレス充電器 ●PLaY専用コンビシート(プライムスムース×ファブリック)&専用インテリア ●本革巻ステアリングホイール(スムースレザー〈オレンジステッチ〉) ●PLaY専用エクステリア(クロームメッキ・フロントグリルモール〈カラーバーオーナメント付〉、ピューターグレー塗装フォグライトガーニッシュ、オレンジ加飾ドアロアーガーニッシュ)ほか ※「LEDアクティブコーナリングライト」は装備されない。「フルLEDヘッドライト」はマニュアルレベリング機構となる。
<注目グレードはコレ>e:HEV X(4WD)
プレミアムと遊び心ならパノラマルーフ装備のプレイを狙いたいがFF限定。従来型よりタフなイメージもあり、4WDを選択してSUVらしく遊ぶのが目的なら、値段は不明だがe:HEVではベーシックとなるXでも十分だろう。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/佐藤正巳/澤田和久