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更新日:2021.02.22 / 掲載日:2021.02.22
【新型&定番大攻略】TOYOTA MIRAI

【新型】2020・12デビュー
新世代水素カーはクラウンを超えた トヨタの傑作だ
トヨタ最上級セダン! これはクラウン以上だ
すべては水素インフラ次第といっては語弊があるが、FCVのボトルネックは水素ステーションの普及である。ミライのWLTC総合モード航続距離(計算値)はG系が約850km、スポーティ仕様のZ系が約750km。ハイブリッド車を含む内燃機系と比較しても同等以上といっていい。つまり最寄りに水素ステーションがあれば性能的に何の問題もないわけだ。
動力性能は素晴らしいの一言に尽きる。回生駆動補助用バッテリーとのコンビで微小域から深い踏み込みまで発電のタイムラグをほとんど感じさせない即応性。ハイブリッド車開発等で得たノウハウが活かされた品のいいドライバビリティにも感心させられる。しかも加速の繋がりは滑らか。急加速でのブロワー騒音もほとんどなく、静粛性はEVと同等レベルだ。
車体はクラウンの骨格をベースに開発。後席の居住性や視界はクラウンと変わらない。車重はクラウンのV6ハイブリッド車よりわずかに重く、後輪駆動と相まって重質な乗り味と据わりのいいハンドリングを示す。プロト車ショートサーキット試乗で得た感触では走りの質感や快適性はクラウンの最上級モデル以上。オーナードライバー向けセダンとしてはトヨタ最上位。近未来のアプローチは走りの質感向上にも活かされている。
TOYOTA MIRAI

●価格:710万~805万円
あらゆる方向に進化した新型は魅力たっぷり!
FCVとは電源に燃料電池を用いた電気自動車。つまり、駆動系はEVであり、水素を大気中の酸素と化学的に反応させて電気を取り出しているので排出されるのは水のみ、故にゼロエミッション。しかも新型になったミライは量産性、実用性、ファントゥドライブの三拍子揃えて技術のアドバルーンから先進的な実用車への脱皮を図っている。水素社会の到来を見据えた最先端セダンなのだ。
■主要諸元(MIRAI Z・RWD)●全長×全幅×全高(mm):4975×1885×1470 ●ホイールベース(mm):2920 ●最低地上高(mm):155 ●車両重量(kg):1930 ●パワーユニット:FCスタック(最高出力128kW【174PS】)+モーター(134kW【182PS】/300N・m【30.6kg・m】) ●トランスミッション:一段固定式 ●WLTCモード燃料消費率:135/kg ●タイヤ:235/55R19
ボンネット内にはFCスタックとFC昇圧コンバーターなどを配置。スポーティでありながら質感の高い走りはトヨタ車最高峰だ。

温かみのあるカッパー色の加飾など、品の良さを感じさせるインテリアの設え。12.3インチの大型モニターを備える。
プレミアムクラスに相応しいシート。エグゼクティブパッケージは後席快適性を高める機能を搭載。荷室の使い勝手も優秀だ。
ベースとなるのはFR車用のGA-Lプラットフォーム。センタートンネルも利用して3本の水素タンクをレイアウトする。
専用機器を組み合わせることで最大DC9kWの外部給電が可能。車内にはAC100V(1500W)のコンセントも備える。
【攻略のツボ】水素の可能性をグンと広げた新型はトヨタ最上級車だ
特別なプレミアムカー! 素晴らしい出来のクルマだ
燃料電池の高性能化や電動技術の進化もあり、水素とクルマの相性はいい。水素インフラの話になると途端に先行き不明になってしまうが、ミライに乗っているとFCVの将来は明るく思える。クルマ単体の完成度ならプラットフォームを共用するクラウンに勝っている。プレミアムセダンのパワートレーンとして燃料電池は優等生だ。もっとも、EVに比べると技術的ハードルが高いため、先進エコカーの主流になるとは思えない。特別なパワートレーンを搭載した特別なプレミアムカー、そんな希少性も他車にはない魅力のひとつである。
実質的なライバルは…
TOYOTA クラウン ●価格:489万9000~739万3000円
初代MIRAI