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更新日:2021.02.18 / 掲載日:2021.02.16

【新型&定番大攻略】TOYOTA ヤリスクロス

【新型】2020・8デビュー

スモール2BOXと入門SUVの両面で上々の出来映えだ

icon TOYOTA ヤリスクロス

●価格:179万8000~281万5000円

ファミリー&レジャーもOKのコンパクトSUV

 ヤリスを名乗るがSUV風の化粧直し版ではない。パッケージングから見直し、パーソナルカー寄りのヤリスでは得られない、SUVとしての居住性と使い勝手を確保。TNGAアーキテクチャーを採用し、プラットフォームはGA-B、パワートレーンは1.5L直3ダイナミックフォースエンジン+ダイレクトシフトCVT。ハイブリッドシステムも最新版で、ハイブリッド車の4WDは後輪をモーターで駆動するE-Fourだ。

■主要諸元(G・4WD) ※オプションを含まず
 ●全長×全幅×全高(mm):4180×1765×1590 ●ホイールベース(mm):2560 ●最低地上高(mm):170 ●車両重量(kg):1210 ●パワーユニット:1490cc直3DOHC直噴(120PS/14.8kg・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:18.2km/L ●タイヤ:205/65R16

ヤリスよりグッとボリューミーに

同一なのはあくまでも“ベース”であり、寸法においても用途においても棲み分けされた別車種に仕上がっている。

  • icon ヤリスクロス

    全長:4180mm 全幅:1765mm 全高:1560mm ホイールベース:2560mm 最低地上高:170mm

  • icon ヤリス

    全長:3940mm 全幅:1695mm 全高:1500【1515】mm ホイールベース:2550mm 最低地上高:140~145【130~160】mm ※【 】は4WD車。

燃費と実用性だけでも 魅力十分の万能選手

 車名を見ると悪路対応したヤリスのように思えるが、パッケージングや適応用途では別車種と考えるべきである。後席居住性と荷室容量の拡大によりファミリー&レジャー用途適性を向上。コンパクトサイズで汎用性の高いキャビン設計が特徴のひとつである。

 1L車は設定されないが、パワートレーンやプラットフォームをヤリスと共用するが、最低地上高は170mmを確保。ハイブリッド車の4WDシステムは発進補助型のE-Four。本格オフロードには厳しいが、悪路制御モードを備えたガソリン4WD車なら荒れたダート路くらい問題なく走破できる。

 停車保持機能を備えたACCや前走車追従ライン制御機能も備えたLTAを採用。タウン&ツーリングに、オン&ラフロードをバランスさせた走行性能で走りの汎用性も良好である。ちなみにヤリスのACCには追従停車機能はない。

 キャビンの使い勝手のいいスモール2BOXとして選んでもいいし、アウトドア趣味に向けた入門SUVとしても悪くない。

 しかも、コンパクトSUVではトップクラスの燃費である。燃費と実用性だけでも選ぶ価値を見出せるモデル。スモールクラスとすれば高価格だが、ダウンサイジングしながら適応用途を狭めたくないユーザーにも魅力的である。

【攻略のツボ】見た目以上に広く、荷室の使い勝手も○

フォルムの違いで数値以上の差が感じられる

 カタログ値のホイールベースと室内長はほぼ同じだが、全長は240mm長く、その大半がリヤオーバーハングの延長に向けられている。つまり“ヤリスワゴン”とも言えるようなプロポーションなのだ。当然荷室奥行きに余裕が生まれ、ホイールハウスの張り出しから後部のスペースが拡大するので荷室幅を必要とするものの積載性も向上する。また、後席居住性もヤリスは後席周りのボリュームを抑えたスタイルのため、ピラー等の圧迫感が強い。レッグスペースはヤリスと大差ないのだが、ヘッドルームの余裕と見晴らしにより、ヤリスクロスの後席のほうがくつろいでいられる。

icon ヤリスクロス

車体後部の拡大が積載力の向上に直結。空間の拡大だけでなく、開口部の形状や4:2:4分割可倒リヤシートによるアレンジの多彩さなど、実際の使い勝手への配慮も怠りない。

icon ヤリス

icon ヤリスクロス

icon ヤリス

ヤリスクロスの座面地上高はSUVとしては低めだが、アップライトな着座姿勢も取りやすく、下方死角も少なめだ。フロントシートの居住性はヤリスと大きな違いはないが、リヤシートは天井やリヤピラーの圧迫感が小さく、ウインドウ越しの視界も良好。大人4名の乗車を前提とした設計である。

  • 【ヤリスクロス】

  • 【ヤリス】

少し高めの座面地上高設定により、乗降時の足着きや脚さばきが良好。前席はターンチルトやイージーリターンのシート機能を選べばさらに楽に乗降が可能だ。

【攻略のツボ】レジャーもツーリングも欲張りたい/ガソリン&ハイブリッドの走りを検証

●ハイブリッド車

力感とタフさのガソリン、高速長距離にハイブリッド

●ガソリン車

 全仕様に3気筒ダイナミックフォースエンジンを搭載するが、低回転域の使用頻度が高いガソリン車のほうが3気筒感は多少強め。一方、低回転での粘りなど、力感では勝っている。ただし、高負荷域加速性能や燃費はハイブリッド車に大きなアドバンテージがある。また、4WDシステムが異なり、ハイブリッド車は滑りやすい路面での発進補助を基本とする生活四駆型だが、ガソリン車は悪路対応型の電子制御式を採用。どちらかと言えばハイブリッド車は高速長距離用途の頻度の高いツーリング派向け、アウトドア趣味用途にはガソリン4WD車が適している。

  • ボタン/ダイヤルで4WDの制御を切り替え、運転技量にかかわらずより安定した走行ができる。

  • ●1.5L直3ガソリン

  • ●1.5L直3ハイブリッド

ヤリスのようなキャリーオーバーの安価な1Lは設定せず、パフォーマンスに定評のあるダイナミックフォースエンジンのみ。全グレードに4WDを用意する。

  • ●トレイルモード(E-Four)

    制動トルクと駆動トルクを適切に配分して雪やぬかるみから脱出。

  • ●ダウンヒルアシストコントロール

    4WD車に搭載。低車速を維持して急な下り坂での安定走行に寄与。

侮れない走破性の 「マルチテレインセレクト」

  • ●MUD & SAND

  •  ●ROCK & DIRT

滑りやすい路面ではMUD&SAND、凹凸の大きい路面ではROCK & DIRTを選択。システムが路面状況に適した4WD性能を引き出し、マルチインフォメーションディスプレイに作動状況を表示する。

【攻略のツボ】激戦!! コンパクトSUVクラス/ヤリスクロスのライバルをチェック

タウン&レジャーのコスパ志向が基本線で、プレミアム性は二の次

 ヤリスクロスにはコンパクトSUVと実用性向上型スモール2BOXの2面がある。どちらも基本適応用途はタウン&レジャー(ファミリー)になるが、アウトドア趣味に興味がないユーザーにとって、利便性の高い2BOX車としても魅力的である。ただし、こういった特徴はコンパクト2BOXに基本的なコンセプトと考えていい。上級コンパクト相当ではスペシャリティ志向のモデルもあるが、スモール相当ではこれが標準となりつつある。実用志向が強いため、内装などの質感やプレミアム感を求めると厳しい部分もあり、とくにハイブリッド車は価格相応のプレミアム感を求めると厳しい。

icon TOYOTA ヤリスクロス

●価格:179万8000~281万5000円

icon HONDA ヴェゼル

●価格:211万3426~298万186円

良好な実用性を確保しつつ、プレミアム性も感じさせる
 クーペを思わせるキャビン周りのデザインはプレミアム&スペシャリティ志向のSUVを思わせるが、フィット譲りの多彩な積載性やスペース効率のよさで実用性も良好。4.3m強の全長もあって、外観のプレミアム感もある。ターボ車以外は動力性能や走りの質感が気になるが、プレミアム&スペシャリティな雰囲気と実用性の両立では魅力的。

icon MAZDA CX-3

●価格:189万2000~341万5800円

同クラスではプレミアム志向で走りの上質さも備えている
 コンパクトSUVの中ではプレミアム感をセールスポイントとしている。他のマツダ車と同じ流れを汲む内外装デザインがプレミアムの要点だが、高速長距離を向けたシャシー性能やディーゼルの設定など走りからもクラスを超えた質の高さが感じられる。ただ、後席居住性に余裕がないのがウイークポイント。実用性より雰囲気を優先するユーザー向けだ。

icon DAIHATSU/TOYOTA ロッキー/ライズ

●価格:170万5000~236万7200円/167万9000~228万2200円

 登録車のSUVでは最小クラスとなり、車体全長は4mを切っている。タウンユースを中心とした用途向けのモデルだが、ボクシーなキャビンデザインで4名乗車のドライブに十分な居住性を備える。乗り心地の洗練感など走りの車格感はスモールクラス相応だが、ターボを利した活発なパワーフィールもあって軽量車らしい走りも楽しめる。

価格帯が上のコンパクトSUV

  • ●価格:239万2500~406万9980円

    MAZDA CX-30

  • ●価格:275万9900~286万9900円

    NISSAN キックス

  • ●価格:238万2000~314万5000円

    TOYOTA C-HR

スペシャリティ派のC-HRとCX-30はヤリスクロスより車格が上。キックスは車格同等だがe-POWER専用で安価なグレードがない。

【攻略のツボ】後発の強み!? 最新機能満載

トヨタ最新の装備・機能を搭載し、ヤリスよりも上位の装備内容となる

 ヤリスベースで開発されているが、パーキングブレーキにはEPBを採用。合わせてACCは停車保持機能を備えた全車速型となった。また、S-VSCはトヨタ初の横風による外乱を抑制する制御を採用。安全&運転支援機能でもヤリスの上級かつトヨタ最新仕様だ。オーディオはヤリス同様に8または7インチのディスプレイオーディオを標準装着。7インチ仕様から8インチ仕様へのグレードアップはできないが、ヘルプネットを含む車載ITのTコネクトに対応し、純正アクセサリーのナビキットが用意される。インフォテイメント系も最新モデルらしく充実している。

●緊急時操舵支援機能

“Bパッケージ”以外にトヨタセーフティセンスを標準搭載。歩行者回避を自車線内でおさめる機能も提供する。

●レーダークルーズコントロール

●アドバンストパーク (パノラミックビューモニター付)

メモリー機能を搭載し、区画線がない場所でも使用可能な高度な駐車支援機能を備えている。

●パノラミック ビュー モニター

●アダプティブハイビーム

ハイビームを部分的に遮光することにより、周囲の迷惑を避けながらクリアな夜間視界を確保する。

●S-VSC(横風対応制御付)

横風によって車両が流されていることを検知すると、片側の車輪にブレーキを掛けて横流れを軽減。トヨタ車初搭載の機能だ。

【攻略のツボ】ベストバランスなグレードは?

遊びありきのSUV狙いならガソリン車の4WDがイチ推しだ

【おすすめグレード】 G・4WD ●225万1000円

 燃費や先進性を重視するなら当然ハイブリッド車。小さなクルマでちょっと贅沢という向きにはハイブリッドXのFFを勧めるが、遊びの射程距離を拡大するためにSUVを検討しているならガソリンの4WD車。ハイブリッド車との価格差と悪路対応力が決め手だ。乗降に有利な運転席イージーリターンがOP装着可能なGならタウンユースの機会が多い人にも向く。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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