車種別・最新情報
更新日:2021.02.19 / 掲載日:2021.02.18

【新型&定番大攻略】TOYOTA RAV4

【定番】2020・8改良

タフなSUVにして好燃費。アウトドアレジャーはもちろん、普段も使える

icon TOYOTA RAV4

●価格:274万3000~402万9000円

アウトドアで光るキャラだが通勤にも使える

 シティ派クロスオーバーSUV隆盛の中にあって、おざなりでないラフロード性能を備えている。本格クロカンとは言わないまでも、悪路走破性に優れた4WDシステムを磨き、それでいてトヨタの最新アーキテクチャーによる燃費の良さも備えている。ハリアーと同様の新世代エンジンを搭載し、2Lガソリンと2.5Lハイブリッドをラインナップ。ガソリン4WDはハリアーにはない4WD機能を搭載した本格派だ。

■主要諸元(アドベンチャー) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm):4610×1865×1690 ●ホイールベース(mm):2690 ●最低地上高(mm):200 ●車両重量(kg):1630 ●パワーユニット:1986cc直4DOHC直噴(171PS/21.1kg・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:15.2km/L ●タイヤ:235/55R19

あらゆる路面で性能向上。ウェルバランスな一台

乗用車のハードウェアから開発されたSUVのハシリとも言えるモデルであり、代々オン&ラフロードのバランスの取れた走りとアウトドア趣味用途向け設計を特徴とする。5代目となる現行モデルも同様だが、プラットフォームやパワートレーンを新世代仕様に一新。新型の4WDシステムの導入も加えて、全路面環境での走行性能向上が図られている。

 駆動方式は4WDを標準とし、ベーシックグレードにのみ2WD車を設定。また、4WDシステムはガソリン用標準型とアドベンチャーとZパッケージに採用されるトルクベクタリング型、ハイブリッド用E-Fourの3タイプを用意。いずれも悪路対応制御モードを採用し、本格オフロード車には及ばないまでもトップクラスの悪路踏破性を備えている。

 また、ダイナミックフォースエンジンの採用による燃費性能も見逃せない長所である。ハイブリッド車のWLTC総合モード燃費は20.6km/L、ガソリン車は15.2km/Lとなり、燃費面からSUVを敬遠していたユーザーも納得できる経済性は同車の大きな強味である。ミドルサイズSUVとして居住性でもトップクラス。一般用途とアウトドアレジャー用途への適性を最高水準で両立した一車と言えよう。

【攻略のツボ】“あえてFF”で満足できるか

スタイルだけでいいという場合のみFFもあり

 少々大げさに言えば、RAV4は設計のすべてのベクトルをアウトドアレジャー用途に向けて開発されたモデルだ。悪路や滑りやすい路面を走る機会がないなら2WDでもいいが、それではRAV4を選ぶ意義が半減してしまう。しかも一般用途での実用性を物差しにするなら、SUVという選択そのものが割高である。

 2WD/4WDの価格差は23万円弱で、しかも、2WD車はベーシックグレード限定。実用面のコスパを考えても、キャビン容量の近いカローラ ツーリングなら40万円くらい安く済む。RAV4の内外装だけに魅力を感じて選ぶユーザー以外は4WDが選択の基本となるだろう。

●ダイナミックトルクベクタリングAWD

4輪の駆動力配分を独立制御。トルクベクタリングや後輪駆動を切り離すディスコネクト機構を備え、コーナリングフィールも向上する。

●E-Four

十分なトルクを発生する独立したリヤモーターを備える新世代システムを採用。前後トルク配分は100:0ー20:80の範囲で行われる。

【攻略のツボ】先進機能をチェック!!

現代のクルマが持つべき標準機能をクリア

 停車保持機能を備えた全車速型ACCおよび走行ライン制御型LKA(LTA)、夜間歩行者対応型衝突回避システムなどを含むトヨタセーフティセンスを全車標準搭載。ハンズフリーを可能とする機能はなく、現在の安全&運転支援機能としては標準プラスαレベルと言えるが、レーダーを併用するLKAや作動状況の確認しやすさなど、実戦力に優れている。

 車載IT&通信については他社の最新と横並び。各メーカーともに模索中の状況であり際立つ利便性はないが、全車標準装着のディスプレイオーディオはTコネクト機能を備え、契約をするだけで通信サービスが使えるのがアドバンテージである。

車線中央を維持するレーントレーシングアシスト(LTA)は、全車速追従型レーダークルーズコントロールとともにロングドライブの強い味方となる。

  • 専用アプリで愛車との通信も可能。DAレス+後付けナビとする場合、Tコネクト対応の純正(ディーラーOP)ナビを選びたい。

【攻略のツボ】レジャーの要、ユーティリティ

  • 荷室の奥行きは通常時1015mm、リヤシート格納時1880mm。裏面が防水仕様となっているデッキボードはセット高さが2段階となっている。

  • 荷室のAC100V電源はオプション。ハイブリッド車は非常時給電機能付きの1500W仕様だ。

【攻略のツボ】アドベンチャーの冒険度は?

見た目に留まらず、走りもRAV4らしさ満点

 ランクルやハイラックスにも似たフロントマスクを採用したアドベンチャー専用のエクステリアが特徴のひとつだが、悪路志向の強化は見た目だけではない。アドベンチャーとG・Zパッケージには、リヤデフを廃止したソリッドアクスルの左右のドライブシャフトに電子制御カップリングを設け、後輪への駆動伝達制御および左右のトルク配分も制御する新型4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用。従来型の電子制御カップリング式に比べて、踏破性向上の要となる接地後輪に効率良く駆動力を配分できるのが特徴。RAV4のSUV用途へのこだわりを最もよく表しているメカニズムである。

本格クロカン車のような強固なラダーフレームや足回りこそ持たないが、オフロード寄りの車体設計と賢い駆動力制御により悪路走破性のレベルは高い。

  • アドベンチャーのシートは専用デザインで、外観デザインとともにタフネスを表現する。

  • ●アドベンチャー

  • ●G

ランドクルーザーやハイラックスなどの本格クロカンを思わせる専用外装もアドベンチャーの魅力だ。

【攻略のツボ】他社ライバルと比較してみると

全方位でライバルと同等以上、まさに主役

 SUVの中でもファミリー&レジャー用途でのバランスがいいのが、RAV4が属するミドルクラス。キャビンスペースや荷室容量、車体サイズと走りの余裕がその理由で、エクストレイルやCR-V、フォレスター、アウトランダーといった実力車が揃っている。こういったライバル車に対するRAV4のアドバンテージは悪路走破性と燃費が主となるが、前述した安全&運転支援や車載ITなど、いずれの部分でもライバルと同等もしくはクラストップに位置する。強いて難点を挙げれば3列シート仕様をラインナップしないことくらい。多人数乗車が必須でない限り、ミドルクラスSUV選びの軸となるのがRAV4だ。

  • icon NISSAN エクストレイル

    ●価格:248万2700~382万2500円

    使い勝手は今なお魅力。プロパイロットも選べる
     今回比較した中では最古参となるが、ファミリー&レジャー用途向けの使い勝手を重視した設計は今でも古びていない。ガソリン車には3列シート仕様や2列後席スライド仕様も用意する。パワートレーンや走りの質感では基本設計の古さを否めないが、20S系以外にはプロパイロットを標準装着し、安全&運転支援機能は一線級を確保している。

  • ●価格:248万2700~382万2500円

  • icon HONDA CR-V

    ●価格:336万1600~455万8400円

    走りの質感はトップクラスで、ロングツーリング適性が高い
     切れ味いい加速感の1.5Lターボ、力強くコントロール性に優れたe:HEVの二つのパワートレーンにそれぞれFFと4WDを設定。4WDはターボ/e:HEVともに電子制御カップリング式を用いる。据わりよく重質な味わいのフットワークと合わせて走りの車格感はミドルSUVでもトップレベル。ロングツーリング志向のユーザーに適している。

  • ●価格:336万1600~455万8400円

  • icon SUBARU フォレスター

    ●価格:291万5000ー328万9000円

    新搭載の1.8Lターボは力強くスポーティだ
     先日のMCで2.5Lを廃止し、2Lハイブリッドと1.8Lターボとなった。ハイブリッドは電動領域が狭く、マイルド型相応の制御だが、レヴォーグから採用されたパワートレーンのターボは高速巡航でのゆとりやラフロードでの力強さに優れ、スポーティドライブにもいい。ファン・トゥ・ドライブとSUV用途の両立でターボ車はクラス筆頭である。

  • ●価格:291万5000ー328万9000円

【攻略のツボ】“ならでは”を満喫できるのは?

アウトドア派には実力も価格も魅力的

【おすすめグレード】 アドベンチャー ●331万円

 アウトドア趣味のためにRAV4を選ぶユーザーなら、第一候補はアドベンチャー。もちろん、新型4WDシステムがもたらす悪路踏破性が魅力だが、もうひとつは手頃感のある価格。贅沢装備が簡略化されているせいもあるが、ガソリンGよりも安価。使って元を取る実用派には買い得である。さらに悪路踏破性にこだわるなら同グレードをベースに最低地上高増など施した特別仕様“オフロードパッケージ”(346万円)も狙い目だ。

【番外編】HV+100万円! PHVのバリューとは

実用アウトドア派が選ぶ根拠に乏しい

TOYOTA RAV4 PHV ●価格:469万~539万円

 基本性能や実用性はハイブリッド4WDと大差ないが、広い電動走行領域で電気自動車のように使える。もっとも、アウトドア趣味に役立つのは給電容量くらい。価格を考えてもコスパ重視の実用派向けではない。RAV4ありきではなく「まずPHVありき」で選ぶモデルである。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ