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更新日:2021.02.18 / 掲載日:2021.02.17
【新型&定番大攻略】TOYOTA ハリアー

【新型】2020・6デビュー
アウトドア派SUVにはない洗練されたプレミアム感で独自の地位を確立
TOYOTA ハリアー

●価格:299万~504万円
TNGA世代になっても王者の風格は不変
押しも押されもしないプレミアムSUVの代表選手。従来のSUVの縛りを解き、例えば都会のフォーマルなシーンにも違和感のない独自のスタイルを打ち出して大ヒット。4代目となるこの新型はプレミアムカー路線を踏襲しながら新世代アーキテクチャーに一新。先に発売されたRAV4と基本メカニズムを共有し、2L直4ガソリンと2.5Lハイブリッドをラインナップする。

■主要諸元(ハイブリッドG・4WD) ※オプションを含まず●全長×全幅×全高(mm):4740×1855×1660●ホイールベース(mm):2690●最低地上高(mm):190●車両重量(kg):1720●パワーユニット:2487cc直4DOHC直噴(178PS/22.5kg・m)+前モーター(120PS/20.6kg・m)+後モーター(54PS/12.3kg・m)●トランスミッション:電気式無段変速機●WLTCモード総合燃費:21.6km/L●タイヤ:225/60R18
今や誰もが知る日本の代表的なプレミアムカー
クロスオーバーSUVの原点に位置する一車だが、代を重ねる毎にプレミアム志向を強めて現行モデルに至る。SUVとしてはアウトドア志向が弱く、高級ワゴン代替にもなる都会的なイメージを主キャラとしている。
とはいえプラットフォームはRAV4と共用。最低地上高も同じく195mm(ガソリン車)を確保。4WDシステムはダイナミックトルクベクタリングAWDとマルチテレインセレクトが設定されないが、基本機能は共通。長いフロントオーバーハングなどのハンデはあるものの、クロスオーバー系としては水準以上の悪路対応力を期待できる。
もちろん、悪路前提モデルではなく、アウトドア志向SUVにはないプレミアム感溢れるスタイルやプレミアムクラスのセダン/ワゴンを思わせる内装の設えが訴求点。6気筒は設定されないにしても最新のハイブリッドシステムを採用し、パワートレーン面でのプレミアム性も十分。その点では現代の価値感や市場性を反映したマークX代替モデルと考えてもいい。
全グレードでFF/4WDの選択が可能であり、FF車なら299万円からの設定。プレミアムな雰囲気や走行性能のアドバンテージなど優先順位に合わせた選択がしやすいのも長所である。
【攻略のツボ】パワートレーンの特徴を知るべし!!
SUVにふさわしい能力を備えたE-Fourに注目
ガソリン/ハイブリッド車ともに大量クールドEGR下での急速燃焼等により熱効率を市販車の最高水準にまで引き上げたダイナミックフォースエンジンを採用し、動力性能と燃費を高次元で両立。ただし、ガソリン車の2Lに対してハイブリッド車は2.5Lとなっている。4WDシステムはガソリン車に電子制御カップリングを用いた機械式、ハイブリッド車には後輪を独立した電動駆動系としたE-Fourを採用。E-Fourはプリウス等の簡易型ではなく、大容量かつ回生等の機能を持たせた高性能型を用い、走行性能面でもハリアーの最上位モデルらしい内容を備えている。
●2Lガソリン
トヨタのミドルクラスに採用が進む1986cc直4ダイナミックフォースエンジン+ダイレクトシフトCVT。4WDは電子制御カップリング式。
●2.5Lハイブリッド
2487cc直4ダイナミックフォースエンジン+モーターの新世代THS2を搭載。4WDはモーターで後輪を駆動するE-Fourの強化版だ。

【攻略のツボ】ハリアーらしい上級装備はG以上
選べないオプションがあるS以外ならどれも満足
トヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオは全車に標準装着され、ベーシック仕様のSでも実用装備は充実している。グレード間での違いは内外装やプレミアム志向の快適装備となる。外装ではホイールサイズが上級グレードほど大径化され、内装ではシート表皮や加飾パネルがグレードごとに異なる。装備面ではG以上にパワーシートやパワーテールゲートも標準装備。Z以上はパワーテールゲートにハンズフリー機能が加わる。また、Z以上に標準採用されるJBLサウンドシステムはG系でもOP選択可。プレミアム性を求めるならばG以上を狙うべきだろう。

●調光パノラマルーフ 【Z】OP
ガラス自体に調光・透過機能を持たせた目玉装備。サンルーフ類は人気装備のひとつだが、上級グレードにのみのOPであり、価格は19万8000円とお高めだ。
●12.3インチワイドディスプレイ 【Z】標準 【G】OP
●8インチモニター&DA 【S】【G】標準
全グレードにインフォテイメントシステムを装備。SはDA(ディスプレイオーディオ)のみの設定で、それ以外はメーカーオプションの高機能ナビが標準またはオプションで設定される。
●ファブリック 【S】標準
●ファブリック+合成皮革 【G】【Z】標準
●本革 【レザーパッケージ】標準
ファブリックはブラックのみ。ファブリック+合皮はグレー(写真)/ブラック/ブラウン、本革はレザーパッケージ専用で、ブラウン(写真)/ブラックを用意。
●デジタル インナーミラー 【S】OP 【G】【Z】標準
車両後方の映像をルームミラーに映し出す。車両前後の映像記録する録画機能も備える。
●パワーバックドア 【G】【Z】標準
テールゲートが自動開閉。停止位置メモリー機能付きで、Zはハンズフリー機能も付く。
【攻略のツボ】同じ価格でレクサス!? ちょっと待った、値引きを確認!!
車格やメカなど、中身重視ならハリアー有利
ハリアーのようなプレミアムSUVを求めるユーザーにとって最も気になる存在はハードウェア的に近い存在のレクサス車。具体的にはUXとNXだ。エントリーモデルはUXが397万円強、NXは455万円弱であり、ハリアーのハイブリッド車と競合する。内装の仕立ては本物志向のプレミアムを謳うレクサスに分があるが、NXはパワートレーンがガソリン車で、走行ハードが一世代古い。UXはハイブリッド車も狙えるが、C-HRクラスで車格的には1クラス下。しかも、値引き面ではハリアーが圧倒的に有利。ブランドにこだわるならレクサス車もいいが、実のあるプレミアムならハリアーだ。
LEXUS UX
●価格: 397万3000~544万9000円
車格はC-HRと同等、パワートレーンはハリアーと同じ新世代仕様。E-Fourは生活四駆タイプだ。
●価格: 397万3000~544万9000円
LEXUS NX
●価格: 454万6000~632万7000円
先代ハリアーと同系のプラットフォームに2L直4ガソリン/ターボ/ハイブリッドを搭載する。
●価格: 454万6000~632万7000円

販売店再編でトヨタ系全店扱いとなったハリアーは販売競争が激しく、新型発売から間もない状況ながら値引きが緩みがち。レクサス車との価格差は希望小売価格以上に大きくなっている。
【攻略のツボ】RAV4に浮気!? 得るものと失うものとは
オフロード性能の必要性を見極めるべし
アウトドア趣味のためのSUVがRAV4。つまりSUVの本流である。一方、SUVらしさを犠牲にしたとまでは言わないが、ハリアーはプレミアム性を高めるためにRAV4に比べると本来のSUV用途への適性が低下している。
ファミリー&レジャーの道具として選ぶなら当然RAV4である。ただし、FFモデルがベーシックグレードにしか設定されないなど、悪路走行を前提にしないと選択範囲が狭まる、あるいは割高になるのがRAV4。両車の外観の印象通り、アウトドア趣味かオンロード主体のプレミアムかという嗜好と適応用途で比較するのが選び分けの基本だ。
TOYOTA RAV4
●価格:274万3000~402万9000円
タフなイメージとオフロード性能が魅力で、ラインナップをほぼ4WDで固める。メカが同系でもハリアーとは棲み分けがはっきりしている。
【攻略のツボ】上級感を楽しめて値頃なのは……?
走りもプレミアム、SUV適性もアップ

【おすすめグレード】 ハイブリッド G・4WD ●422万円
ハリアーならではの内外装のプレミアムを軸にした買い得な選択は、ガソリンFF車のZ系。しかし、走行性能にもプレミアム性を求めるなら、ハイブリッドの4WD車を勧めたい。ガソリンの同グレードとの価格差は9万円である。また、FFと4WDの価格差はガソリンでもハイブリッドでも同等であり、ハードのコストを考えるとE-Fourは買い得。SUV用途への適性も考えたウェルバランスのモデルだ。
●S
●Z“レザーパッケージ”
室内のグレード差はシート表皮やオーディオぐらいだ。