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更新日:2020.07.27 / 掲載日:2020.07.27
キックス&ヤリスクロスの登場で激変必至! 激戦コンパクトSUV最新相関図
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TOYOTA C-HR(ハイブリッド) 価格帯:273万~309万5000円
最大の魅力は実用性を割り切って実現した個性的なスタイリング。スペシャリティカーとすればキャビン実用性もまずまずだ。ハイブリッドシステムはプリウスと共通のもので、余力感に優れたドライブフィールとクラストップレベルの実用燃費を実現している。ただし、プリウスには設定されているにもかかわらず4WD仕様の設定はないことが残念。
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NISSAN キックス 価格帯:275万9900~ 286万9900円
ノートに対して190mm長い全長の大半は荷室の拡大に向けられており、後席居住性を損ねることなく積載性を1ランクアップ。実用性の高さも武器になりそうだ。電動駆動の特徴を活かしたe-POWERや、ミリ波レーダーを併用するプロパイロットの採用など、先進感溢れる機能を備えることも大いに魅力。他のモデルでは味わえないファントゥドライブ感も見逃せない魅力だ。
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ユーティリティはトップレベル 小気味良い走りも魅力十分
クーペ的なフォルムながら後席居住性も荷室容量もクラストップレベル。2ウェイ式の後席格納を持ち、積載の多様性も良好なので、タウン&レジャー用途で使い勝手がいい。DCTと組み合わせられたパラレル式ハイブリッドは余力面で排気量不足の感はあるものの、DCT特有の小気味よい変速感もあって操る手応えも魅力のひとつだ。
MAZDA CX-3 (1.5Lガソリン) 価格帯:189万2000~ 222万1200円
ガソリン車から高速巡航で卓越した余力と燃費を発揮するディーゼルターボ車までパワートレーン展開が多彩なモデルだが、この春に200万円を切った1.5L車の登場で、価格面でも俄然注目が集まる存在に。オンロードをメインにしたフットワークは素直な操縦性と安定性を高水準で両立するなど、高速ツーリングを求める向きにとっては、面白い存在になりそうだ。
TOYATA ヤリスクロス
ヤリスの名を冠しているがオリジナルのボディシェルで後席居住性と荷室容量が改善されている。ヤリスと共通した基本走行メカを採用するため、ヤリス同様にガソリン/ハイブリッド共々クラス最高水準の燃費と予想できる。また、ハイブリッド車は生活四駆型になりそうだが、電子制御カップリング式を採用するガソリン車は4WDの悪路踏破性にも期待できそう。
DAIHATSU/TOYOTA ロッキー/ライズ 価格帯:170万5000~242万2200円(ロッキー) 167万9000~228万2200円(ライズ)
4mを切った全長と車両感覚を掴みやすいスタイルがもたらす取り回しやすさは大きな強味の一つ。1Lながらターボと1t前後の軽量設計によりパワーフィールも軽快。上級グレードに限定されるが、全車速型ACCも用意されている。登録車のSUVの中では最小クラスだが、ツーリング用途にも余裕で対応できる性能を備える。
万能ぶりと個性を武器に その人気は高まる一方
乗用車全体のプレミアム志向の高まりもあって、これまでクルマ選びのエントリーを担っていたスモール2BOXクラスの存在意義が変わってきている。フィットやノートなどの一部のモデルを除けば、ファミリーユースを意識した汎用性の向上は消極的で、多くはタウン&パーソナル志向を強める方向であり、その典型が走り志向を大きく強化したヤリスである。 そんな理由もあって、ファミリーユースやレジャーユースにある程度の余裕や利便性を求めるユーザーにとっては、最近のスモール2BOXには物足りなさを感じてしまうことが多い。そこで期待されるのがスモール2BOXから発展したコンパクトSUVである。中でもレジャーにも使えるキャビンと荷室、走行性能を兼ね揃えたモデルの人気が飛躍的に高まっているのだ。 近年のそんな市場の高まりもあって、コンパクトSUVには国内外を問わず、多くの自動車メーカーが参入してきている。しかもキャラや価格帯が幅広く、選択肢が豊富。性能面の向上も著しく、大半のモデルは高速長距離走行のストレスを軽減するACCやLKAを装備し、操安性や動力性能にも不安がない。もちろん、日常用途での使い勝手もよく、燃費にも優れている。タウン&レジャー用途への適性の高さはポストファミリーのダウンサイジングにも適したカテゴリーとも言えるだろう。プレミアム性はスモール2BOXと比べて多少上がる程度だが、“SUV”という金看板の神通力はまだまだ健在なことも心強い。 そんなコンパクトSUVの代表モデルをざっと見るだけでも、価格と性能のバランスに優れるロッキー/ライズや、実用性とスペシャリティを両立しているヴェゼル、SUVルックのスペシャリティカーとも言えるCHR、走りと内装仕立てに一本筋が通っているCX3など、ユーザーの用途や嗜好、予算に合わせて多様なモデルを挙げることができる。 そんな激戦区の中に新たに投入されるのが、世界基準に準拠したキックスとヤリスクロスの2台だ。両車が得意としている部分、本質的なキャラは相応に異なるが、共に最新のパワートレーンや安全運転支援機能が備わっているなど、先行するライバル勢と勝負できる武器を持っている。この先、このカテゴリーの主役を担う可能性は極めて高いと言えるだろう。 コンパクトSUVは実用車としての性能や、購入してからの満足度も申し分がない。国産車の中でも最も注目すべきカテゴリーになりつつあるのだ。