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更新日:2019.09.21 / 掲載日:2019.09.20
マツダCX-30がいよいよデビュー!進化させた使い勝手が魅力の新型SUV

マツダ CX-30
文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス
「マツダ3に続く、進化した鼓動デザインとスカイアクティブ技術を採用した新世代商品第二弾。」
「今後はマツダの柱のひとつとなる、主力商品。」
マツダからブランニューモデルとして登場した「CX-30」。報道向けに発表会の冒頭において、同社の丸本明代表取締役社長兼CEOはそう期待を語った。

同社には「CX-3」や「CX-5」といったSUVが存在するが、「CX-30」のボディサイズは全長も全幅もちょうど両者の中間。すなわち“CX-3以上、CX-5未満”というポジショニングとなる。
最大のターゲットとなるのは、ファミリーなどで広い居住スペースや荷室を必要としつつも、大きすぎない車体を求めるユーザーだ。同社はこれまでコンパクトクロスオーバーSUVとしての受け皿をCX-3だけで担ってきたが、CX-3はデザインに大きな評価が集まるいっぽうで後席や荷室が狭く、実用性を求めるユーザーからは歓迎されていなかった。

そこで、今回のCX-30はCX-3に対してラゲッジスペースを拡大。海外旅行に持っていくような大きめの中型(67Lサイズ)のスーツケース2つが余裕をもって積める広い荷室スペースを用意している。さらにはベーシックグレードを「20S」を除き電動テールゲートを組み込むなど“荷室を日常的に使う”ことを考えた商品としたのだ。
また、CX-3に対して前後席間距離(すなわち後席足元の広さ)を25mm拡大し、さらに後席の左右席間距離を50mmも広げることでリヤシートもゆったり座れるように配慮。CX-3との最大の違いは、荷室と後席の実用性向上である。
ちなみに、CX-30デビュー後もCX-3は継続販売。マツダのコンパクトクロスオーバーSUVは、ミニマムなCX-3と少し大きなCX-30でキャラクターの異なる2台体制となる。
CX-30はマツダ3と共通のシャシーを採用
メカニズムに関しては、CX-3とCX-30で大きく異なる。CX-3がコンパクトカーの「デミオ」(現:マツダ2)をベースにしているのに対し、CX-30は「アクセラ」の後継モデルである「マツダ3」と基本設計が共通だ。マツダの次世代として完全新設計されたプラットフォームを使い、安全装備やクオリティの高いインテリアの仕上げの水準などもマツダ3に準じているのだ。

ただし、全長はマツダ3のハッチバックが4460mmなのに対し、CX-30は4395mm。CX-30のほうが短いのである。開発者によるとその理由は「とにかく扱いやすい車体サイズにしたかった」とのこと。ホイールベースも70mm短縮している。1795mmの全幅も、昨今の新車の基準に照らし合わせれば決して幅広ではない。
また、全高は1540mmに抑えているので、ミニバン対応ではない一般的な機械式立体駐車場も利用可能。これは特に、自宅駐車場に制約の多いマンション住まいのユーザーにうれしいポイントである。

パワートレインは2.0Lガソリンエンジン(最高出力156ps/最大トルク199Nm)、1.8Lディーゼルエンジン(116ps/270Nm)に加え、「スカイアクティブX」と呼ぶ、量産車としてはマツダが世界で初めて実用化した火花点火制御圧縮着火方式のガソリンエンジン(スペックは発表時点では未公表)も設定。いずれも駆動方式はFFと4WDが選択可能だ。

後席や荷室の広さで選ぶと実用的なSUVが欲しいけれど、運転のしやすさを考えると車体はあまり大きくないほうがいい。CX-30はそんなニーズにジャストフィットのパッケージングで、ファミリー層はもちろん、キャンプやウインタースポーツなど荷物がかさ張りがちなレジャーを楽しむアクティブ派まで多くの人たちにもオススメできるSUVだ。
ところで、クロスオーバーSUVは高すぎず低すぎない着座位置(地面からの高さ)も特徴のひとつ。日常においてその最大のメリットとなる乗り降りのしやすさはこのCX-30も例外ではなく、クルマに乗る際に実感できる。
マツダ CX-30は全方位バランスのよい使い勝手が魅力

CX-30発表会で登壇した佐賀尚人開発主査。
昨今のマツダは「人を中心としたクルマ作り」というフレーズを強調するが、開発をまとめた佐賀尚人氏は、「CX-30はデザイン、室内パッケージ、そしてダイナミック性能をバランスよくまとめた。着目したのは、人生の転換期。多様なニーズを満たしながらも、大切な人と充実した時間を過ごせるクルマを目指した」と言う。