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更新日:2019.07.19 / 掲載日:2019.07.19
今、狙うべきトヨタ&レクサス買い時モデル徹底チェック!

ここでは編集部が自信をもってオススメできるモデルをピックアップ。いずれもその実力は折り紙付きで、各カテゴリーでライバルたちを圧倒しつつある存在だ。最新トヨタ&レクサスの強さの秘密を知るには、格好の教材になるはずだ。
●文:山本シンヤ
総合性能はトップクラス絶妙な価格設定も見逃せない
デビュー当初はニッチなモデルだったが、今やカムリを超えるトヨタの主力モデルへと成長したRAV4。ベストセラーは保守的になりがちで変化を求めないケースも多いが、新型はデザインやパワートレーン、シャシー&メカニズムを刷新し、攻めの姿勢を選んできた。
運転席に座って感じるのは、質の高いインパネの造りと視界の良さだ。前後左右の見切りが良好で、1サイズ小さなC-HRよりも運転しやすく感じるほどだ。
ガソリン車とハイブリッド車を選ぶことができるが、いずれも正確にラインをトレースできる素直なステアリング特性や、カッチリした剛性感やしなやかな足さばきを持ち、オンロードでも素性の良さを体感できる。
両者の違いが明確になるのは、やはりパワートレーンだ。ガソリン車は実用域の豊かなトルクと軽快なレスポンス、高回転までスッキリ回るフィーリングを持ち、久々にいいNAエンジンに出会った印象を強く受ける。トランスミッションも発進ギヤ付きのダイレクトシフトCVTを搭載するなど、自然な変速を実現。従来のCVT車の印象とはまったく異なる。
売りの一つである4WDシステムは、標準仕様のダイナミックトルクコントロールAWDでも十分な機能を持つが、新採用のダイナミックトルクベクタリングAWDはその数段上をいく。ボディサイズが小さくなったかのようなキビキビした動きと、ノーズがインにスッと入っていく軽快感は強く印象に残る。
ハイブリッド車は、十分なパフォーマンスのエンジンとモーターの応答性の良さのおかげもあって、力強さや加速感は「パフォーマンスハイブリッド」と言い換えてもいい。THS 2の欠点であるラバーバンドフィールもかなり抑えられており、重さを活かしたシットリした乗り味と動的質感の高さ、そして豊かな後輪トルクから導かれる立ち上がりでのググッとくる力強さは、ガソリン車では味わえないハイブリッド車ならではの味といえよう。ハンドリングこそガソリン車よりモッサリした印象もあるが、動的質感はハリアー以上である。
昨今のSUVに必要なオン/オフのバランス良い走行性能に加え、数値に表れないような官能性能もスポーツカー並みにこだわっているなど、クルマとしての総合性能は非常に高い。価格はガソリン車が260万8200円から、ハイブリッド車が320万2000円からと、性能と価格のバランスが良いことも魅力だ。
全幅1855~65mmのワイドサイズは、RAV4が世界戦略車を担う存在であることを物語る。
4隅の見切りの良さと優秀な取り回し性のおかげもあって、スペックほどの大きさは感じさせない。
パネルやトリム、前後シートの素材感はミドルクラスの平均を凌駕する。細部まで造り込まれた仕立てや、見切りの良いグラスエリアなど、快適性に優れた設計も美点の一つだ。
ミドルサイズが生み出す余裕は、キャビンのみならずラゲッジの広さにも恩恵がある。幅広な開口部や段差のない床面構造など、実用面にも考慮した設計も見所だ。
【チェック1】TOYOTA RAV4|トヨタの最新を出し惜しみなしで投入走りも機能も申し分なし

2Lダイナミックフォースエンジンはトヨタ・ブランドとしてはRAV4が初採用。ギヤ機構を備えるダイレクトシフトCVTとの組み合わせが生み出す走りは相当レベルが高い。

【ZOOM UP POINT1】最新の設計思想が注がれた新世代シャシー&パワートレーン
HV車はカムリやレクサスESと同じ2.5Lダイナミックフォースエンジン+モーターのTHS 2の最新仕様を搭載。省燃費と力感を高い次元で両立させている。
ガソリン車は2Lダイナミックフォースエンジン+ギヤ機構を備えるダイレクトシフトCVTという組み合わせ。今後、多くのトヨタ車に採用される最新仕様である。
上位グレードに採用されたダイナミックトルクベクタリングAWDは、後輪の左右トルクを独立させて駆動配分を行う、最新の駆動システム。オフロードのみならず、オンロードでの恩恵も大きい。
カムリ系と同じGA-Kプラットフォームを採用。環状骨格構造や構造用接着剤を用いることで、従来モデルに比べ、飛躍的に強固なボディ構造を実現している。
【ZOOM UP POINT2】ゆとり十分のパッケージング使い勝手も国産トップレベル
リヤシートは頭上も足元も十分な余裕を確保。寸法的には3列シートも収まるサイズだが、あえて2列シートに留めたことで、後席の乗員にも高い快適性を提供している。
通常時でも奥行きは1015mm確保されるが、シート格納時は1880mmまで拡大。防汚ラゲッジボードやアクセサリーコンセントも用意されるなど、アウトドアシーンでも活躍できそうだ。
【チェック2】TOYOTA アルファード&ヴェルファイア|大きく飛躍を遂げたトヨタ自慢の新解釈プレミアム


●ヴェルファイア バリエーション&価格

●アルファード バリエーション&価格
パワートレーンも実力十分走りもなかなか侮れない
かつて「ワンボックス界のクラウン」と称されたハイエースワゴンの末裔がアルファード/ヴェルファイアだ。2002年に日本専用の乗用ミニバンとして登場するやいなや、瞬く間にヒット作に登りつめた。
2008年に登場した2代目からは、アルファードに加えて、ワルなフロントマスクの兄弟車、ヴェルファイアも登場している。この頃から、押し出しのあるフロントマスクに広い室内スペース、豪華な装備からファミリーユースのみならず、クラウンなどの高級車ユーザーの乗り換えも顕著になり、「いつかはアル/ヴェル」となった。
2015年に登場した現行型の開発コンセプトは「大空間高級サルーン」であり、ミニバンではなく高級車の一つとして開発された。エクステリアはより押出しのあるマスクが与えられ、インテリアは様々なシートアレンジが用意されている。最上級グレードのエグゼクティブラウンジともなると、下手なリムジン顔負けのセカンドシートが採用されているほどだ。
また、走りの部分も大きくアップデートされたことも現行型の強み。リヤダブルウィッシュボーン式サスペンションや、高張力鋼板の採用拡大&構造用接着剤の導入によるボディ剛性強化も相まって、快適性と操安性を高次元でバランスさせている。そして2017年のマイナーチェンジでは、内外装の変更やパワートレーンの刷新に加え、第2世代のトヨタセーフティセンスを採用。その卓越した地位はより強化されている。
そのボディサイズゆえに使い勝手が気になるかもしれないが、見切りの良いスクエアボディやアイポイントの高さ、サイズの割には優秀な最小回転半径、パノラミックビューモニターのおかげで取り回しは悪くはない。このあたりのツボを押さえた設計はお見事だ。
パワートレーンは3タイプ選べるが、豪快な走りを求めるなら3.5L/V6車、バランスを求めるなら2.5L+モーターのハイブリッド車がオススメ。2.5Lのガソリン車は必要十分な性能を持つが、アル/ヴェルのキャラクターを考えると、やや物足さを感じてしまう。フットワークはステアフィールもクルマの動きもゆったり系だが、以前のようにグラッと傾くのではなく、操作に対して素直に動く。また、足の動き(特にリヤ)もスムーズでストロークが増したような感覚で路面追従性もアップしている。ただ操縦安定性のレベルアップを求めるには、現状のプラットフォームでは限界のようで、次期型はTNGAシャシーに刷新されることだろう。
両モデルともエアロボディ仕様と標準ボディ仕様を用意
先代までのアルファードは大人しい印象が強かったが、現行型は一気にヴェルファイア側に寄せてきた。共に標準ボディ車とエアロボディ車を設定しているが、グリルや左右インテークの形状を変えることで差別化されている。
【アルファード】標準ボディ
【アルファード】エアロボディ
【ヴェルファイア】標準ボディ
【ヴェルファイア】エアロボディ
【ZOOM UP POINT1】輸入車プレミアムも顔負けの贅沢すぎるキャビン空間
いずれのグレードを選んでも広々としたキャビン空間には、乗員をもてなす贅沢な造りが注がれているが、その中でも最上級のエグゼクティブラウンジ系は、別格の存在。
セカンドシートはベンチシート仕様が1タイプ、キャプテンシート仕様が3タイプ用意されるが、中級グレードにもオットマン付きの電動キャプテンシートが装着される。
エグゼクティブラウンジ系に備わる高機能キャプテンシートは、まるでラウンジのソファに座っているような贅沢な仕立て。オットマン機構まで電動化されるなど、もてなしの空間を満喫できる。
【ZOOM UP POINT2】ライバル勢を大きく引き離す充実の安全&運転支援機能

【チェック3】TOYOTA クラウン|最新のクラウンは実力派スポーツセダンに変身

リヤシート回りこそやや天井の圧迫感を強めに感じるが、膝回りスペースは余裕十分。
本革の素材感も申し分なく、全ての乗員が快適に過ごせる居住性の高さも見所だ。

車載通信機DCMが標準装備となるほか、T-Connectサービスも3年間無料で提供。トヨタが進める繋がるクルマ戦略のパイオニアとしての役割も持たされている。
TNGAの新世代設計は基本性能の底上げにも貢献
初代モデルの登場以降、「日本人のための高級車」の立ち位置を変えることなく進化・熟成を遂げてきたクラウン。15代目となる現行型はオーナーカーに特化したクルマ作りやトヨタのクルマ作りの構造改革「TNGA」の採用、日本専用車ながらもドイツ・ニュルブルクリンクで走りを鍛えるなど、これまでにない大改革が行なわれた。
パワートレーンは3タイプ。バランスの良さなら2.5L+モーターのハイブリッド車、気持ち良さを重視するなら2Lターボ車、パフォーマンス重視なら3.5L+モーターのハイブリッド車と、好みに応じた選択ができる。
17インチを履く標準系でも、先代アスリートを大きく超える運動性能を実現しているが、RS系はさらにダイレクト感やハンドリングが良くなり、従来のクラウンのイメージから想像できないほどスポーティに仕上げられている。
キャビンは、ややスポーティ志向が強まったが、乗降性まで考慮したレイアウトや、シートトリムの材質感の良さを持つなど、クラウンの名に恥じない。最新のトヨタセーフティセンスも標準装着されるなど、走りのみならず、クルマの基本性能の部分まで抜かりなく高められている。

●クラウン バリエーション&価格
精度の高いルート案内を実現するハイブリッドナビ機能や有人オペレートサービスなど、コネクティッド機能をフルに活用できるT-Connectナビは、全グレードに標準装着。
路上に設置された通信インフラやクルマ同士が直接通信することで高度な運転支援を行う、車車間/路車間通信機能も備える。現状は普及待ちだが、近未来の先取りも積極的だ。
【ZOOM UP POINT】ニュルで鍛えた走りの実力は間違いなく歴代ナンバー1
どのグレードを選んでも良質の走りを楽しめるが、最もスポーティなのは2Lターボ車のRS系。回頭性の良さと正確性の高いハンドリングは相当高いレベルに仕上がっている。
2Lターボ車の直噴ターボは245PS/35.7kg・mを発揮。ターボラグの影響も少なく、中速域からの加速感も優秀。8速ATとも抜群の相性をみせる。
ACCは渋滞時には完全停止まで対応する全車速追従型。強力な運転支援を持つレーントレーシングアシストも備わるなど、ロングドライブ適性も優秀だ。
【チェック4】TOYOTA カローラ スポーツ|際立ったシャシー性能最新カローラは走りに自信あり
価格帯:210万6000~268万9200円
パワートレーンは1.2Lガソリンターボ車と1.8Lハイブリッド車を設定。
スペックはC-HRと共通だが、カローラスポーツのガソリン車はMTモデルを選ぶことができる。
しなやかな足さばきはトヨタ車トップクラスの出来
「次の50年に向けてカローラを変える」そんな想いから開発されたのが、12代目のカローラだ。そのシリーズのトップバッターとして登場したのがスポーツである。
エクステリアはワイド&ローでスポーティ、インテリアもシンプルながら高いクオリティを実現しているが、最大のポイントはTNGA由来の最新プラットフォームである。
プリウスやC-HRと同じGA-Cを採用するが、専用のチューニングを行うことで差別化。剛柔を併せ持つしなやかな乗り味が印象的で、足の動きや凹凸のいなし方はトヨタ車最良レベルと言ってもいい。シャシー性能の高さゆえにパワートレーンが物足りなく感じてしまうほどだ。
比較的安価な価格設定にもかかわらず、レーントレーシングアシストなどの最新機能を備える第二世代のトヨタセーフティセンスを搭載していることも強み。
総合力ではハイブリッド車が一歩リードするが、軽快な走りも楽しみたいならばターボ車の方が合う。実用域の余力感と高回転の伸びも申し分なし。
【ZOOM UP POINT】使い勝手の良さはそのままにインテリア質感も巧みに向上
標準系グレードは落ち着いた雰囲気に仕上げられている。また、やや手狭ながらもリヤシートもしっかりとした造り。
実用車としての適性も優秀だ。
GとGZはハーフレザー仕様をOPで選択可能。特にGZのハーフレザーはスエード素材が用いられることもあり、上質感も一気に高まる。スポーティなニーズにきっちりと対応している。
【チェック5】LEXUS UX|レクサスの末っ子ながら上を食えてしまう下克上的存在

価格帯:390万~535万円
エントリーと侮るなかれその実力は相当高い
UXはレクサスクロスオーバーSUVの末っ子であると同時に、LC/LSに続く第3世代のレクサスを担う主力モデルだ。エクステリアはSUVといいながらも、スポーティハッチに近いプロポーション。日本独自の美意識をイメージしたインテリアなど、随所にプレミアムらしい演出も注がれる。
プラットフォームはGA-CをベースにUX独自の構造を採用。その走りはレクサスが目指す「すっきりと奥深い走り」をバランスよく実現している。パワートレーンも次世代ユニットを搭載するなど、車格こそエントリーだが、中身は上位モデル以上の内容が注がれている。現状のレクサスラインナップにおいて、下克上的な魅力を持つモデルでもあるのだ。
身軽なフットワークや動的質感の高さ、柔らかなアタリと足さばきなど、ドイツ系とは違った独自の味に仕上がっている。
贅沢な本革シートなど、上位グレードの贅沢に造られたインテリアははUXでも健在。上質なキャビンはドイツ系のプレミアムコンパクトとも互角に戦える。
燃費も動力性能もハイブリッド車に分があるが、ガソリン車はダイレクトシフトCVTのおかげもあって、俊敏な加速を楽しめる。スポーティさはこちらが上だ。
【ZOOM UP POINT】メカニズム&機能/装備も最先端を惜しみなく注入
GA-Cプラットフォームを採用するが、高張力鋼板を用いたり、環状構造やレーザースクリューウェルディング、構造用接着剤を用いることで高剛性を実現している。
搭載されるレクサスセーフティ+も最新仕様。強力なステアリング制御機能のレーントレーシングアシスト(LTA)も標準と出し惜しみなし。
モニターは上位モデルと同じ10.3インチの大型ワイドタイプを採用。Web連動機能を搭載する高性能ナビゲーションも標準装備される。