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更新日:2019.01.07 / 掲載日:2019.01.07
MAZDA新型CX-5の2.5Lターボモデルを試乗公道インプレッション!

近年のマツダ車は毎年のように改良を行っているが、ミドルクラスSUVのCX-5も11月22日にマイナーチェンジを実施。今回は、その改良で新たに投入された2.5Lターボモデルを試乗。公道でその実力に迫る。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久
■主要諸元(25T Exclusive Mode 4WD)

●発売日:2018年11月22日 ●価格帯:365万400~ 387万7200円 ●販売店:マツダ全店 ●問い合わせ先:0120-386-919
●全長×全幅×全高(mm):4545×1840×1690
●ホイールベース(mm):2700
●車両重量(kg):1680
●パワートレーン: 2488cc直4DOHC ターボ(230PS/42.8kg・m)
●トランスミッション:6AT
●WLTCモード燃費 (km/L):12.2
●燃料タンク容量(L):58 [レギュラー]
●最小回転半径(m):5.5
2.5Lターボがもたらすゆとりのドライブフィール
マツダのドライバビリティあるいはドライブフィールの考え方が興味深い。言ってることもやってることも運転のセオリーだったり、人間の感性に基づいた特性だったり、至極当たり前のことだが、それを優先するところが独特である。CX-5に追加された2.5Lターボはそんなマツダ哲学を具現化したエンジンである。
230PS/42.8kg・mのパワースペックは高性能エンジンとして堂々たるものだが、乗ってみれば高性能車特有の高揚感に乏しい。刺激的な速さが感じられない。しかし、そこがこのエンジンの特徴であり、刺激の少なさは「使える高性能」ゆえである。
2.5Lもの排気量でダウンサイジングターボというのもおかしいが、動力性能の考え方は同じである。巡航回転数の低下と巡航ギヤ維持能力の向上を主とした特性。緩加速や緩やかな登坂では回転を抑えた力強さを見せる。
ただし、ダウンシフトのタイミングはちょっと早め。トルク任せの低回転維持ではなく、加速感のギャップ少なくダウンシフトを入れ込み、アクセルコントロールに対する自然な加減速反応と運転のリズム感を調和させていた。
大半の領域で大量クールドEGRを用いて熱効率の向上を図ったのが新エンジンの特徴であり、省燃費領域の広さがこういった変速制御にも活かされている。この辺りの設計思想は、次期アクセラに搭載されるスカイアクティブXの前哨と言ってもいい。
あえて言うならば、極高回転域は苦手。5500回転付近からのトルクダウンが甚だしく、レブリミット手前1000回転はほぼ実用せず。もちろん、Dレンジでは全開でも5300回転でアップシフトされるので、パワートレーン全体では「美味しい領域」だけで制御される。
また、操安性でも新制御が加わった。操舵にスムーズな回頭反応をもたらすGVCが戻し舵の時の収束性向上機能を加えたGVCプラスに進化。緩み取り操舵やロール等の揺れ返しを抑える止め舵を車両側でやってくれるので、多少乱暴な運転でも適切に振る舞ってくれる。限界性能には直接影響しないのだが、小技を使わなくても綺麗なコーナリングが出来るのは運転ストレスを軽減してくれる。操り心地の向上が大きな魅力だ。
価格は同グレードのディーゼル車とほぼ同じ。言うまでもなく燃費はWLTCの全モードでディーゼルが上回る。しかし、ドライブフィールは25Tのほうが心地よい。極めて悩ましい問題だが、その悩ましさこそが魅力の証明だ。
待望の新パワートレーン追加! 2.5Lガソリンターボの走りはいかに?

今回の改良ではアルミホイールの塗装がグレーメタリックへ変更。エクスクルーシブモードでは、アルミホイールホイールが19インチとなり、専用の高輝度ダーク塗装を採用する。
国内初採用となる2.5L直列4気筒直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」は最高出力230PS、最大トルク42.8kg・m を発生。低速から高速まで安定した加速性能を発揮する。
特別仕様車であるエクスクルーシブ・モードではナッパレザーや本杢パネルなどの上質な素材を、匠の技術で組み上げることで、最上級モデルにふさわしい空間を実現している。
操舵時の車両の挙動を安定させる「G-ベクタリングコントロール(GVC)」が、ハンドルを戻す時にも制御が行われる「G-ベクタリングコントロールプラス(GVCプラス)」に進化。