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更新日:2019.06.07 / 掲載日:2018.12.10
三菱 デリカD:5【ニュースキャッチアップ】

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグー本誌 2018年12月掲載の内容です)
自動車の国際化が進み、グローバルモデルが数多く登場するなかで、50年もの長期にわたって日本国内専用車として日本に住むユーザーのために開発されてきたのが三菱デリカ。ミニバン的な居住性、悪路走破性を両立させた唯一無二のキャラクターが2018年冬、さらに進化を遂げる。
悪路走破性能はそのまま より上質で快適な走りへ
数あるミニバンのなかでも、独特のタフギヤイメージやミニバン最高峰の悪路走破性で孤高のポジションを築いているデリカD:5がマイナーチェンジを受けた。新型のポイントは「進化」と「継承」から探るとわかりやすい。
「進化」を代表するのは外観の変化だ。車体そのものは基本的に従来モデルと同じだが、前部を刷新して雰囲気は大きく変化。大胆なデザインで個性の主張はさらに強まった。
室内はインパネなどが新デザインへ。ナビの画面が大型化されるとともにフィッティングが増して雰囲気が洗練され、パーキングブレーキは電動化。質感が大きく高まったのもうれしい進化だ。
また、従来モデルには組み込まれていなかった衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全装備が組み込まれたのもトピック。レーダークルーズコントロールの搭載で、高速道路移動はますます快適になった。
パワートレインは、なんとガソリンエンジンが廃止されディーゼルに一本化。従来6速だったATは8速化されて、走行性能が向上している。
いっぽう継承されたのは骨太さ。最大の特徴は高い悪路走破性で、並みのSUV以上に足場の悪い場所を走れる性能はミニバンのなかでダントツだ。また、キャンプなどで便利な広い荷室も変わらない部分である。
三菱 デリカD:5(8速AT) ●全長×全幅×全高:4800×1795×1875mm ●ホイールベース:2850mm ●トレッド前/後:1540/1535mm ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●総排気量:2267cc ●最高出力:148ps ●最大トルク:38.6kgm ●サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク ●ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:235/60R18 新車価格:デリカD:5:385万円~425万円(全グレード)※主要諸元の数値は暫定値
【CLOSE UP】フルLEDライトが作り出す未来的で個性ある顔つき

「ダイナミックシールド」と呼ぶ、側面から伸びた面がフロントを包むようなテイストを新たに採用。そこへ大きなフロントグリルを組み合わせたのが斬新だ。ヘッドライトも縦目となり、大胆かつきわめて個性的な表情を創出。光源はLED化されていて、ハイビームが4灯、ロービームが5灯となっている。ヘッドライトの位置を低くしたのは、対向車などが眩しくなりにくいようにとの配慮でもある。後部は安定感を重視した意匠になった。

街中でのシーンをイメージした新仕様

エアロスタイルを身にまとった「URBAN GEAR(アーバンギア)」は、従来の「ROADEST(ローデスト)」に代わるエアロ仕様。フロントグリルは煌びやかな印象の専用デザインで、リアコンビランプはクリアレンズとなる。インテリアカラーはブラックのみで、パール仕上げの木目調パネルをコーディネート。

ダークトーンの落ち着いた木目調パネルはアーバンギア専用。先進安全装備を追加し、全車でサポカーに対応することになったのもニュース。
より使いやすく快適に進化
電動スライドドアや電動テールゲートはワンタッチで開閉できるだけでなく、閉じるのと同時にドアロックする機構も搭載。運転席まわりはプッシュ式のスターターや電動パーキングブレーキ(信号待ちなどでブレーキペダルから足を離しても停止を保持する機能付き)の採用など操作系を先進化しつつ、4WDのモード切り替えは操作性を優先したダイヤル式とするなど守るべき部分は守っている。室内の収納はスマートフォン置き場が増えた。
日本の道を走り続けてきた歴代モデル
2018年に誕生50周年を迎えたデリカ。「デリバリーカー」を名前の由来とするように当初は商用車としてデビュー。その後、レジャービークルへと進化を続けた。
デリカ[初代:1968~1979]
デリカ・スターワゴン[2代目:1979~1986]
デリカ・スターワゴン[3代目:1986~1989]
デリカ・スペースギア[4代目:1989~1994]
デリカD:5[5代目:1968~1979]
自らの強みを活かしながら幅広いユーザーにアピール
卓越した悪路走破性や、国産ミニバン唯一のディーゼルエンジン搭載などでライバル不在のデリカD:5。三菱によると新しいモデルは、「従来のファンの期待にさらに応えつつ、新しいファンも開拓していく」ことを担っているのだという。1台のミニバンとして考えた場合には、3列目でもゆったり座れる広い室内空間にも注目したい。