車種別・最新情報
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2018.10.04

ジャンルNo.1を一刀両断 BESTBUY完全ガイド<ジャンル4>上級セダン

●文:川島茂夫

最新技術満載のクラウンとカムリが2強を形成。総合力に優れるモデルが評価されるのは当たり前だろう。

月販平均台数 ※2018年1~7月の平均販売台数

1 TOYOTA クラウン 5270台
2 TOYOTA/DAIHATSU カムリ/アルティス 1923台
3 NISSAN スカイライン 270台
4 NISSAN フーガ 142台

走りの質感&味も大事な要素だが先進装備もかなり重要


 対象となる4モデルを見ると、トヨタvsニッサンの図式だが、トヨタ2車はクラウンが今年、カムリが昨年にフルモデルチェンジを果たしており、ハードウェアとしてもトヨタの最新仕様車である。一方、ニッサンの2車はスカイラインが4年前、フーガに至っては9年前のデビューである。当時のスポーティセダンの味わいが「個性」あるいは「魅力」とも言えないわけでもないが、洗練感と快適性とのバランス、運転支援機能、環境性能など、総合的な評価では時代遅れの感を否めない。ACCや修正操舵支援機能付LKAなどは設定されているが、セレナなどに採用されているプロパイロットと比較すると、ニッサン車の最上位に位置する2車にふさわしいとは言い難いのが実情だ。
 トヨタの2車は、車格で上位にあり、設計面でも最新のクラウンが優れていて当然。その分、クラウンのほうが価格も高く、2・5Lハイブリッド車の同等装備グレードで比較すると、その差額はざっくり100万円。また、両車ともに同様の主要運転支援システムを採用しているが、クラウンのLKAには走行ライン維持機能が備わるなど、機能的に1世代近い差がある。
 細かな振動の抑制や重質な味わいを演出する収まりのいい乗り心地。内装の質感や最新の装備設定などの総合した違いが価格差に繋がるのだが、カムリが同等以上の部分もある。それは居住性である。
 FFセダンでも最大級であり、北米のファーストカー市場を主戦場とするモデルだけあって、後席も広い。クラウンよりも一回り広い室内だ。もちろん、ニッサン2車に対しても大きなアドバンテージを持っている。
 走りの味わいや先進安全&運転支援などはクラウンが優れるが、ゆったりセダンを求めるならば、カムリも一考すべき魅力がある。

BESTBUY1 TOYOTA クラウン

最新改良:’18年6月26日
2018月販平均第1位5270台/月
車両本体価格:460万~6200718万7400円
車両本体値引目標:15万円/付属品込み平均値引:18.5万円

走りの実力は間違いなくナンバー1


 オーナードライバー向け国産セダンでは最上位クラスで最新モデルである。燃費と3L相当の動力性能を両立した2.5Lハイブリッドと、4.5L並みにパワフルなスポーツ性能を実現した3.5Lハイブリッド、さらに良質なスポーティ感覚と扱いやすさを兼ね備えた2Lダウンサイジングターボはいずれも魅力十分。さらに優れた安定性を示しながら神経質さや荒っぽさのないフットワークや、機能面でもトップレベルの安全&運転支援装備など死角がない。強いて言えば価格のハードルの高さが難点だが、バリエーションが豊富で予算面の按配も付けやすい。

従来のクラウン像を覆す高レベルの走りは特筆モノ

標準車でも確かな接地感覚を与える設定。RS系でも足回りは硬すぎず、ゆったりとストロークするため、揺り返しの不要な動きは少なめ。腰の強さとゆったり感のバランスが絶妙だ。

先進安全装備は国産車トップレベル

  • 第2世代のトヨタセーフティセンスは、検知能力も大幅に向上。LKAやLTAなどの車線維持精度も高い。強力な運転支援機能の恩恵を受けることができる最新にふさわしい性能を持つ。

選べる3つのパワートレーンどれを選んでもハズレなし

2L直噴ターボは先代譲りの改良版だが、2.5L&3.5Lのハイブリッドは、前者はカムリ、後者はレクサスLSで高い評価を受けた最新型。いずれもクラウンと抜群の相性を持つ。

  • ●2L直噴ターボ

  • ●2.5Lハイブリッド

  • ●3.5Lハイブリッド

BESTBUY2 TOYOTA/DAIHATSU カムリ/アルティス

最新改良:’18年8月1日
2018月販平均第2位1923台/月※姉妹車のアルティスを含む
車両本体価格:329万~8320434万1600円
車両本体値引目標:22万円/付属品込み平均値引:23.2万円

圧巻のキャビン空間。コスパも極めて優秀


 車軸周りの振動の抑制や揺れ返し、ロードノイズの静粛性など、乗り心地や騒音面で上級プレミアムクラスとしてはちょっと重厚感が不足気味。好意的に解釈すればカジュアルな味わいと言えない事もないが、クラウンから乗り換えればグレードダウンの感は否めない。しかし、駆動方式の違いはあるもののクラウンと同系統の2.5Lハイブリッドを搭載し、後席や荷室はクラウンより一回り広く、価格はハイブリッド車比較で100万円以上安い。上級プレミアムセダンを求めるユーザーには最も買い得だ。

フル乗車も楽にこなす広大かつ快適なキャビン

圧倒的に広いキャビン空間は、カムリを選ぶ大きな理由の一つ。後席はFF車ゆえに車内フロアの足元も広々としている。細部の意匠や仕立てもなかなか高いレベルだ。

最新仕様のハイブリッド。走りの実力も一級品

  • 北米では純ガソリン車も選べるが、日本向けは2.5Lハイブリッドのみの設定。今夏には走りの質感を高めたWSが追加されるなど、上級セダンにふさわしい上質な走りも強み。

BESTBUY3 NISSAN スカイライン

最新改良:’17年12月20日
2018月販平均第3位270台/月
車両本体価格:416万~4480584万640円
車両本体値引目標:27万円/付属品込み平均値引:27.8万円

スポーツセダンを求めるならば一考の価値あり


 スカイラインが伝統的なスポーツセダンということもあるが、現在のプレミアムセダンの本質からすれば、スポーツに振りすぎている印象は拭えない。上位設定となる3.5Lハイブリッドは高回転でパワフルな高性能型。ダウンサイジングターボの2L直4車も走り全体の味付けはスポーツセダンらしい。ゆったりとした乗り味を求めるユーザーには勧めにくい。ただ、一時期はスポーティに偏った走りが人気で、それがプレミアム性のひとつにもなっていた。そんな時代のプレミアムセダンを好むなら、国産では唯一無二の存在と言えるだろう。

高性能を追求し続けるいまや希少なスポーツセダン

  • 2Lターボ車も悪くはないが、やはり本領発揮は最新メカが奢られる3.5Lハイブリッド車だ。堅牢ボディと煮詰められた足回りが生み出す硬派な走りは、腕自慢には堪らないはず。

クラフトマンシップ溢れる豪華な仕立てのキャビン空間

豪華さの中にもドライバー最優先の設計が注がれるキャビンは、プレミアムスポーツを求めるユーザーにはしっくりくるだろう。細部に至るまで所有欲をくすぐる演出は魅力十分。




提供元:月刊自家用車

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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