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更新日:2018.11.26 / 掲載日:2018.09.27
ジャンルNo.1を一刀両断 BESTBUY完全ガイド<ジャンル2>コンパクトSUV
●文:川島茂夫
人気のSUVジャンルの中でも選択肢の豊富なのがこのカテゴリー。各メーカーの主力モデルが販売台数でしのぎを削る。
月販平均台数 ※2018年1~7月の平均販売台数
1 TOYOTA C-HR 6813台
2 HONDA ヴェゼル 5351台
3 SUZUKI クロスビー 2899台
4 SUBARU スバルXV 2370台
5 MITSUBISHI エクリプス クロス 1726台
扱いやすいボディサイズとユーティリティの両立がポイント
ハイアイポイントのポストミニバンや新たなスペシャリティカーなど現在のSUVには多様なキャラが揃っている。カテゴリーの基本はアウトドア趣味のレジャーワゴンだが、個々のクルマで志向が大分異なる。とくに実用性と背反しやすいスペシャリティ志向は要注意である。キャビンスペースに余裕のある上級クラスでは非効率なパッケージングでも実用十分なユーティリティを得られるが、コンパクトクラスは実用性低下要因のひとつになりやすい。
同カテゴリー販売1位のCHRは見てのとおりスペシャリティ志向のSUVである。カローラスポーツと同型プラットフォームを用いており、レッグスペースや荷室容量に不足はないが、後席の乗降性や視角的な閉鎖感、荷物積み降ろしの作業性は実用的とは言い難い。
販売2位のヴェゼルもキャラはスペシャリティ志向が強く、ウインドウグラフィックやフロントマスクなどで演出はされているが、実用性を考慮したパッケージング。フィット譲りのユーティリティ設計もファミリー&レジャー適性向上に利いている。ただ、動力性能が気になる点。上位モデルにハイブリッドを用意するが、高速や山岳路をゆとりでこなせるほどではなく、高速長距離での余裕も求めるならエクリプスクロスに分。
3位のクロスビーは上位2車とは逆。ユーティリティ重視の設計を採用。ハイト系スモール由来のSUVと考えれば分かりやすいが、それだけに長距離用途は厳しい。
この他、インプレッサと基本構造を共有し乗用車からの乗り換えで違和感が少ないスバルXVやSUV最小ディーゼルのCX‐3など、個性的なモデルが揃っている。スタイルや走行性能などもそれぞれだが、用途に応じたキャビン実用性のチェックは重要。販売ランクにこだわり過ぎないことだ。
BESTBUY1 TOYOTA C-HR

最新改良:’18年5月7日
2018月販平均 第1位 6813台/月
車両本体価格:229万~292万9200円
車両本体値引目標:27万円/付属品込み平均値引:28.0万円
スペシャリティデザインを強く打ち出したSUV販売台数ナンバー1モデル
スタイルはスペシャリティ志向のSUVの中でも最もエキセントリックであり、内外装ともスポーティな雰囲気に溢れる。ダウンサイジングターボとハイブリッドの性格の異なる2タイプのパワートレーンの設定。ハイブリッド車はプリウスに代わるモデルとして選ぶにも十分である。ただし、看板モデルのハイブリッド車には4WDが設定されず、4WD車の最低地上高は155mmでしかない。レジャー用途では積載性に劣る荷室や圧迫感の強い後席など、SUVとして正統派とは言い難いのだが、数多くの魅力を備えている。
内外装ともに個性が際立つスポーティな仕上がり
スペシャリティ志向が強く表れたエクステリアが大きな魅力。インパネまわりを中心に、インテリアにもその設計思想は色濃く打ち出されている。
パワートレーンは2タイプから選択可能
ハイブリッド
スポーティな外観に合わせたパワートレーンは2タイプ。低燃費とモーターのトルクを併せ持つハイブリッドと軽快なターボモデルから選べる。
ターボ
SUVとして必要十分なユーティリティは備える

クラス平均と比較して、大きなアドバンテージとは言えないが、コンパクトクラスSUVとして求められるレベルの荷室容量は確保。
BESTBUY2 MITSUBISHI エクリプス クロス

現行型発表:’18年3月1日
2018月販平均 第5位 1726台/月
車両本体価格:253万2600~309万5280円
車両本体値引目標:18万円/付属品込み平均値引:20.1万円
スペシャリティモデルとして高いバランスを実現
デザインや走りのスペシャリティ感覚とSUV機能が程よくミックスされたモデル。ウイークポイントは車線維持支援が逸脱警報に限定されることくらいだ。1.5Lターボは実用域では回転を抑えながら力強く、高回転域では抜けのいい加速感を示す。メリハリの利いたCVTの変速制御などスポーティな運転感覚と優れた長距離適性を示す。後席はスペシャリティ系では圧迫感が少なく、常載品が整理しやすい床下収納などユーティリティも良好。同カテゴリーではオールラウンダー型と言えよう。
スポーティな走りと長距離適正の両立を実現している

スペシャリティ系のイメージにマッチする走行特性は極めてメリハリが利いている。それでいて長距離走行でも余裕のある走りをみせる懐の深さを持つ。
居住性とユーティリティにおいてもクラス平均を上回る
スペシャリティ系においてネックとなりがちな後席の居住性も高く、ユーティリティも使い勝手がよい。ライバルと比較しても弱点は見当たらない。
BESTBUY3 HONDA ヴェゼル

最新改良:’18年2月15日
2018月販平均 第2位 5351台/月
車両本体価格:207万5000~292万6000円
車両本体値引目標:18万円/付属品込み平均値引:18.2万円
ホンダセンシングを標準装備し充実の先進安全性
ACCと半自動操舵LKAなどの先進安全&運転支援装備をセットしたホンダセンシングを全車標準採用。車体寸法やスペシャリティ感のあるスタイルの割に室内も広く、4名乗車も得意。多彩な積載性を生み出す後席機能。タウン&レジャーの大本命としてもいいのだが、やや気になるのは動力性能だ。ガソリンとハイブリッドが用意されているが、ともに1.5Lを採用。効率的な電動アシストで余力感を高めているハイブリッドでも高速や登坂ではそれほど余裕がない。レジャー用途で長距離走行が多いユーザーには物足りないかもしれない。
先進の安全運転支援システムを全車採用

ACCと半自動操舵LKAなどの先進安全&運転支援装備であるホンダセンシングが全車標準となっているのは、ライバルと比較しても大きなアドバンテージ。
考えられたユーティリティは大きなアピールポイント

後席を跳ね上げるチップアップ機構をはじめ、もともと広々とした車内空間を活かすユーティリティ性は、日常からレジャーで活躍するはず。
提供元:月刊自家用車