車種別・最新情報
更新日:2019.06.10 / 掲載日:2018.08.29
MERCEDES-BENZ G-Class 試乗インプレッション
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
MERCEDES-BENZ G-Class

MERCEDES-BENZ G-Class G550
MERCEDES-BENZ G-Class [モデルチェンジ]
●エコカー減税:なし
●発売日:’18年6月6日(納車予定は8月下旬以降)
●価格:1562万から2035万円
●輸入元:メルセデス・ベンツ日本
●問い合わせ先:0120-190-610
Gクラス(メルセデス・ベンツ)購入ガイド~新型「G550」・「Mercedes-AMG G63」と旧型「G350d」を徹底解説
腕自慢でなくてもオフ走行をこなせ、 オンロードの乗り心地が明確に向上
主要諸元(G550・欧州参考値)
●全長×全幅×全高(mm):4817×1931×1969●ホイールベース(mm):2890●車両重量(kg):N/A●駆動方式:4WD●パワートレーン:3982ccV型8気筒DOHC直噴ツインターボ(422PS/62.2kg・m)●トランスミッション:9速AT●JC08モード燃費(km/L):N/A●燃料タンク(L):75(プレミアム)●最小回転半径(m):N/A●タイヤサイズ:275/55R19●価格:1562万円
※オプションを含まず
MERCEDES-BENZ【G-Class】G550
MERCEDES-BENZ【G-Class】G63
本格オフローダーならではのクセを抑えて乗用車的に
フレームも含めてシャシーは新設計、ボディも内装も新設で、従来車との共通部品もほとんどない。FMCとしても大がかりなのに、車両型式は継承しているので、なぜかMCである。
Gクラスは頑固にGクラスであり、恐怖さえ覚えるようなオフロードコースを波乱なく踏破。極限走破性が高いだけでなく、名人芸的クロカン・テクを用いなくとも済む懐深さ、あるいは乗り手への優しさも見所である。
オフロードでは、新型は従来型を更に改良したことを実感できた。もっとも、すでに十二分のところへ悪路走破の限界や扱いやすさをさらに向上させて「どこで使うの?」という気もするので、真面目さに感銘は受けても、購入意欲を刺激するとも思えない。
新型の真骨頂はオンロードである。本格オフローダーは耐久性や悪路での乗り心地も含めて、車軸規制が緩めに設計され、それはGクラスも例外ではないが、その「緩み」が多少減った。オフロード性能に悪影響がないのは前記したとおりだが、締められた軸規制とサスストローク、フレームのしなりの絶妙なバランスがオンロードでの落ち着きと精度の高い操安性、不要な揺れを抑えた乗り心地を生み出している。乗用車系ベンツに近いフットワークになったと考えてもいい。強烈な加速性能を持ちながら微妙なコントロールも容易なパワートレーンもあり、寛いだ気分での山岳路や高速のツーリングも心地よい。オン&オフロードの両面を合わせてSUVベンツの頂点車種らしいモデルである。

’79年の初代から基本路線を継承しつつ、時代に合わせてアップデート。G550は左ハンドル車のみで、メルセデスAMG G63(写真)は高出力エンジンや強化ブレーキ、バネレート可変サスなどを搭載し、右ハンドルも選べる。なお、写真のヒヤシンスレッドは22万円高のオプションカラーだ。

インパネデザインは水平基調となり、左右のエアコン吹出口をヘッドライトに、ダッシュボード上のスピーカーをウインカーに見立て、フェイスデザインとの共通性を持たせている。最新の安全運転支援装備やテレマティクス機能を備えるとともに、インテリアの機能性と居住性をグレードアップしている。
荷室はスクエアかつフラットで、最大容量1941L(VDA方式)を確保。リヤワイパーはスペアタイヤに隠れる配置となった。
気筒休止機構や新型の9速ATを採用する4L、V8直噴ツインターボ。G550が422PS/62.2kg・m、G63は585PS/86.7kg・m。また、G63の燃料タンクは25L増の100Lとなる。
新設計のラダーフレームはねじれ剛性を55%向上させながら約170kgの軽量化を達成。
フロントを独立懸架サスとし、オフ踏破性を下げずにオンロードの快適性をアップ。
提供元:月刊自家用車