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更新日:2018.11.26 / 掲載日:2018.05.26
【2018年5月】ボーナス商戦直前 トヨタ プリウス/プリウスPHV購入直前ガイド

まずはプリウス/プリウスPHVのラインナップをチェックしつつ、基本性能をおさらい
元祖量産ハイブリッド車(HV)の4代目で、今なおハイブリッド車の代名詞的存在。ベーシックなプリウスは熟成された1.8LのTHS2を搭載。FF車のほかに後輪をモーターで駆動する4WDもラインナップ。外部から充電可能なプラグインハイブリッドのプリウスPHVは外観もプリウスとは大きく異なり、より未来感や先進性をアピールしている。プリウスは2015年12月デビュー。プリウスPHVは2017年12月に現行型がデビューしている。2017年9月には、専用エアロパーツや専用チューニングサスペンション、専用メーター/マフラーなどを装備したプリウスPHV「GR SPORT」を追加している。2018年11月から12月の間に現型プリウス初の大がかりなマイナーチェンジが噂されており、プリウスPHV風の前後マスクや、PHVに採用、2017年11月に期間限定で発売された特別仕様車20th Anniversary Limitedにも採用された縦型大型カーナビ「11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステム」の拡大採用が予想されている。
ハイブリッドの普及とともにプリウスの立ち位置も変わってきた。これまでプリウスが担ってきたハイブリッドシステムの先進性では上級クラスが、燃費ではアクアが代わってリーダー的存在となった。もっとも、どちらの側面でもプリウスはトップレベルにあり、総合的なハイブリッド車のイメージリーダーになる。言い方を換えるならエコ先進感のスペシャリティカーである。
ただ、居住性や積載性、走りの質感など実用車としての機能や魅力を高めているのも現行モデルの特徴だ。従来までは燃費と先進感のために多少の我慢も必要だったが、一般的な用途で「我慢」という感覚はほとんどない。安全&運転支援機能もトヨタ車ではトップクラスであり、それも実利的メリットだ。 性能やデザインで近未来感の雰囲気を楽しめる実用的なハイブリッド専用車。そういった視線で選んでこそ魅力的。個性的なスタイルが示すとおりのクルマである。

プリウス

プリウス
プリウス

プリウスPHV「GR SPORT」

プリウス
ここでノーマルプリウスについてもう少し掘り下げてみよう。デザインも加飾パネルも色遣いも先進性を感じさせるが、細部の造り込みや素材の質感は2L級では標準的。価格を考えればちょっと安っぽくも思えるが、歴代モデルも同様。保守的な高級感の演出を排除しているのも先進性の演出のひとつである。
後席のレッグスペースは車格相応だが、ヘッドクリアランスに余裕がなく、天井の圧迫感も強い。クーペ的なリヤゲートのため嵩のある荷物は積みにくいが、ゴルフバッグ4本の積載も可能。自慢できるユーティリティではないが、コンパクト2BOX車よりは汎用的だ。
プリウス
プリウス

快適性とドライバビリティについては、フットワークを中心とした走りの質の向上は現行モデルの開発要点であり、不要な振動の少ない乗り心地やしっかりとしたライントレース性を得ている。動力性能は踏み増し時のメリハリを高めた加減速コントロール性が特徴だが、余力感は2L級と同等である。
燃費性能については、平均車速が低くなるほど伸びるなど、基本的な燃費特性は従来までと同じだが、速度や走行状況による燃費の振れ幅は減少。また、高速巡航での速度コントロール性がよくなったことも燃費向上に繋がっている。最高でなくなっても実燃費は相変わらず最上級だ。
安全性や先進運転支援装備は、歩行者対応のA E B S や操舵補助型の LKA、停車までカバーする全車速型ACCなど機能的に最も進化したセーフティセンスであるPを採用。IPAや高精度なクリアランスソナーなど駐車支援機能も充実。トヨタ車ではトップレベルの先進運転支援機能を備えている。
ベスト・オブ・プリウス ハイブリッドとプラグインハイブリッドどちらが買い!?

プリウスPHV
ハードウェア面で最も大きな違いとなるのは駆動用バッテリー。プリウスから容量を大幅に増加させたプリウスPHVは、その分車重も嵩んでしまう。理屈ではプリウスが動力性能で勝るが、実用動力性能では目立った違いはない。現行型からプリウスも先代より電動ならではの加速反応の良さを活かした特性となったが 、プリウスPHVはEV走行レンジの広さもあって、運転しているとさらに一歩深まった電動感がある。
また、見逃せないのは回生効率だ。蓄電量を減らして入っても長い下り坂でプリウスは早々に満充電となり回生がキャンセルされるが 、プリウスPHVなら多くは全域で回生を行う。たっぷり溜まった電力で再びEVモードに復帰も可能である。
燃費も含めた走行性能面ではプリウス PHVは上級発展型らしい走りを示すが、やや気になるポイントは荷室容量だ 。プリウスでも余裕はないが、プリウスPHVは10cmくらい床面高が高くなってしまう。積載性やユーティリティを求めてプリウス系を選ぶユーザーはあまりいないと思うが、荷室容量が気になるなら、プリウスPHVよりプリウスのほうがまだ対応力が高い 。

(左)プリウスPHV。(右)プリウス。
(左)プリウスPHV。(右)プリウス。
プリウスPHV

値引き攻略法! おとなしく商談すると、セールスマンの術中にはまることもあるので気をつけたい! 攻略の秘訣は「トヨタ店とトヨペット店、カローラ店、それにネッツ店の4系列をまわって同士討ちにもち込む」こと

かつては圧倒的な売れ行きをみせていたが、最近は勢いがなくなってきている。2017年2月に新型PHVを投入したが、ディーラー関係者によると「思ったように売れていない。もっといくと思っていたが、誤算だった」とのこと。さらに「トヨタとしては自信作だったが、月間販売目標の2500台を超えたのは発売直後の4か月だけで、昨年8月以降は月1000台規模にとどまっている。正直、PHVで勢いを取り戻せると目論んでいたが、あてが外れてしまった」としている。この苦戦の理由を「高価格にある」と分析する向きが多い。そのせいか、発売直後は「値引きはまったくできません。ただし補助金が20万円ほどつくので、お得です」などと強気な売り込みを展開してきたが、最近は君子豹変。最初から10~15万円程度の値引きを提示してくるケースが目立つ。さらに攻め方しだいで上乗せは可能。これから購入するなら、合格ラインは付属品の値引きを含めて25万円としたい。大都市部では30万円を超えた例も報告されているほどだ。
さらにハイブリッド・モデルはPHVを上回る値引きが飛び出すことも多い。セールスマンによれば「他社にライバル車がないため、以前は値引き条件を低く抑えていた。しかし、最近はトヨタ同士の売り込み競争がエスカレートしているため大きく緩んでいる。お客も大幅な値引きを期待してくるので、はんぱな数字ではとても買ってもらえない」とのこと。実際、30万円超で購入するケースが目立っており、付属品をたっぷり付けると値引きの合計が40万円台に乗ることもある。
といっても、そこはそれ、トヨタの誇るベストセラーカーだけに、おとなしく商談すると、セールスマンの術中にはまることもあるので気をつけたい。とくに補助金のつくPHVは要注意だ。攻略の秘訣は「トヨタ店とトヨペット店、カローラ店、それにネッツ店の4系列をまわって同士討ちにもち込む」こと。ただし、いきなりこれをやると警戒されることもある。当初は日産リーフとの競合で揺さぶりをかけて、交渉が煮詰まった時点でプリウス同士の争いを明らかにして決着をつけるというのがコツだ。4系列のなかでは、高級車をメインに扱うトヨタ店/トヨペット店より、大衆車を中心に販売しているカローラ店/ネッツ店のほうが攻めやすく、値引きが大きくなりやすいという傾向があらわれている。なお、ハイブリッド・モデルは1か月以内で納車が可能。PHVは2か月近くかかることもある。
提供元:月刊自家用車