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更新日:2018.11.24 / 掲載日:2018.04.27
NISSAN エクストレイル 人気を集める理由に迫る
タフに使えつつ街乗りもOK。プロパイロット搭載で高速域でも安心、と「優等生」なのがエクストレイル。その魅力をあらためて見てみよう。
内容で勝負してきた堅実な「SUV」なのだ

初代はアウトドアスポーツに特化したSUVとして開発されたが、代を経る毎にファミリー&レジャー向けの汎用的性格を強めている。エクストレイルの魅力は正にそこ。マニア臭がないというか、用途が既定されないタイプなのだ。
防水シートなどアウトドアレジャー向けの機能を備え、3列シート車も用意。ハイブリッド車以外の2列シート車には後席リクライニング&スライド機構を採用して積載の柔軟性を向上。次世代標準の全車速型ACCと半自動操舵型LKAも採用。適応用途の幅広さはSUVでも群を抜いている。
4WDシステムは現在のSUVでは標準的な電子制御型を用いているが、操安性向上にも積極的に活用。とくに雪路での運転しやすさは長所のひとつである。
プロパイロット標準装着の4WD車の価格は約301万円、ハイブリッド車でも約328万円である。目立って買い得とも言い難いが、SUVを購入して日常やレジャーを楽しむには手頃感のある値付け。プレミアムやスペシャリティな雰囲気には欠くが、現実的な用途で使いやすいSUVを求めるなら定番車のひとつ。イメージではなく内容で勝負するからこそ堅調な販売を維持できるのだろう。
マイナーチェンジでVモーションを拡大するなど、フェイスを中心により力強いデザインへ進化。上位グレードはLEDヘッドランプとなる。
●発売日:’17年6月8日
●価格帯:219万7800~327万7800円
●販売店:ニッサン全店
■主要諸元(20Xハイブリッド・4WD)
●全長×全幅×全高:4690×1820×1730mm ●ホイールベース:2705mm 車両重量:1640kg ●駆動方式:4WD ●パワートレーン:1997cc直4DOHC(147PS/21.1kg・m)+モーター(30kW/160N・m) ●トランスミッション:CVT ●JC08モード燃費:20.0km/L ●燃料タンク容量(L):60 [レギュラー] ●最小回転半径(m):5.6 ●タイヤサイズ:225/65R17
オンorオフ向きミドルSUV対決 レジャー派も満足のエクストレイルかシティ派のCX-5か
スタイリング● 独特な存在感のCX-5、エクストレイルは「機能的」
キャビンのボリューム感を抑えたプロポーションやSUVを意識させないフロントマスクなど、CX-5のスタイルは独特な存在感がある。エクストレイルは後半にボリュームがあるワゴン的なキャビンデザインである。相対的にはエクストレイルのほうが実用車的であり、プレミアム感を求めるユーザーにはCX-5のほうが好まれるだろうが、エクストレイルのほうが機能的デザインともいえる。
エクストレイル
ハイブリッド車の全高は1730mm、ガソリンモデルが1740mmとなる。決して小さくなボディだが取り回しは比較的しやすい。
CX-5
各数値以上に存在感のある「魂動」デザイン。よりプレミアム感があり、都市の風景にもマッチする佇まいとなっている。
パワートレーン●排気量の違い、ディーゼルの設定から 走りはCX-5に分がある
エクストレイルの標準排気量は2.0L。ハイブリッド車も目立った動力性能の上乗せはない。一方、CX-5はガソリン2.0LはFFのみ。ガソリン2.5Lとディーゼル2.2Lが「標準」と考えていい。4WDシステムは両車ともに多板クラッチの電子制御型。ハードなラフロード向けではないが、オンロードと雪路での操安性が特徴。1クラス上のエンジンを搭載することもあり、走りではCX-5に分がある。
エクストレイル
ガソリン車のほか、2015年に追加されたハイブリッド車を設定。先代には存在したディーゼル車の設定は(日本国内では)ない。
CX-5
上記の通り、ディーゼル車を含めて3種のパワーユニットを用意する。動力性能の余裕、選択肢の豊富さではCX-5の勝ち。
インテリア・ユーティリティ●いい意味でSUVらしくないCX-5 使い勝手は圧倒的にエクストレイルの勝ち
外観同様にCX-5はカテゴリーよりもマツダ車に共通するデザインテイストで仕上げられている。プレミアム感やスポーティな雰囲気はエクストレイルよりも1クラス上の印象。しかし、レジャーワゴンとして使い勝手を高める工夫はエクストレイルに及ばない。荷室を見てもCX-5はキャビンの延長上の造りだが、エクストレイルは容量で勝るだけでなく防水や傷が付きにくい設計を採用。
エクストレイル
全車防水シート、防水マット。ガソリン車はラゲッジボードも防水。アクのないデザインでインパネ周りなど、質感は標準的なレベル。
CX-5
デザイン性を高め、細部に至るまで質感にこだわったマツダ車らしいインパネ周り。セダンと言われてもわからないほど「SUV臭」がない。
先進安全装備●機能的には両車ともしっかり揃うが グレード展開に差がある
全車速型ACCや半自動操舵型LKA、BSM、RCTAなどほぼ共通した設定である。ただし、装備展開はエクストレイルのプロパイロットはグレード制限が厳しく、2列シート車は最上級グレードのみとなる。CX-5は各エンジンのベーシック仕様はACCとLKAの設定がないが、以外は標準装着されている。実質的には全車標準と言ってもよく、同装備に対する姿勢の違いが現れている。
エクストレイル
‘17年6月のマイナーチェンジでプロパイロットが追加されたこともトピック。駐車支援システムは現行型登場時から用意。
CX-5
‘17年6月のマイナーチェンジでプロパイロットが追加されたこともトピック。駐車支援システムは現行型登場時から用意。
提供元:月刊自家用車