車種別・最新情報
更新日:2018.11.16 / 掲載日:2017.03.16

フェラーリ「GTC 4 ルッソ T」、4シーター初のV8モデル登場でファミリーカーに!?

文●ユニット・コンパス 写真●都筑 清

 3月16日、渋谷区代官山のT-Siteにて、フェラーリ「GTC 4 ルッソ T」の発表会が華やかに行われた。現在販売されている「GTC 4 ルッソ」はV12エンジン&4WDであるが、今回新たにリリースされる「GTC 4 ルッソ T」は、その「V8ターボエンジン版」ともいえるモデルで、こちらは後輪駆動となる。

 V12エンジンを積む4シーターというフェラーリ伝統のGTモデルに、はじめてV8エンジンが搭載されることとなった。新しいフェラーリのグランドツーリング・コンセプトの牽引を担う「GTC 4 ルッソ T」は、スポーツ性と多用途性が魅力で、日常あらゆるシーンやドライビング状況に応えるために開発された。

 新型GTC 4 Lusso Tに搭載される3.9LV8ターボエンジンは、最高出力が610馬力/7500rpmで、最大トルクの760Nmを3000~5250rpmという幅広い回転域で発生させ、いつでもパワフルな加速が可能となる。駆動方式はGTC 4 ルッソの4WDに変わり、GTC 4 ルッソ Tは後輪駆動となっている。エンジンのダウンサイジングと重たい4WD機構の廃止によって、車重はV12モデル比で50kgも軽量化されている。

 V8ターボエンジンは低速から中速まで非常に扱いやすいセッティングが施され、燃費も良好というので、日常の街乗りからロングドライブにも活躍してくれるだろう。さらに4輪操舵(4WS)が装備され、俊敏さと小回り性にも磨きがかかっている。

 GTC 4 Lusso TのV8ターボエンジンはまた、扱いやすさだけでなく、切れ味鋭いシャープなレスポンスや速度レンジを問わないシームレスでパワフルな加速で、ドライバーを魅了する、まさに「フェラーリのエンジン」なのだという。コンパクトなサイズでシャシーの低い位置にマウントされ、よりシャープな運動性能にも貢献しているというのだから、生粋のスポーツカーファンの期待にもしっかり応える仕上がりとなっているはずだ。
 
 ちなみに、このV8エンジンは「2016年インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したエンジンシリーズの最新進化版となるが、可変ブーストマネージメントが進化して、燃料消費の最適化が図られている。V12モデルと比べ30%燃費が向上している。一方、アクセル操作に瞬時に反応し、パワフルな加速も可能とする。さまざまな試みが見られるハイテクエンジンであるが、燃焼室内の圧力を最大化させる「ハイレジスタンス・アルミ合金製ピストンとコンロッド」や進化したエアインテークシステムを採用し、エアダクトをより直線的にレイアウトすることで空力的なロスが最小限に抑えられている。また、新型インタークーラーが冷却性能の向上だけでなく、空力面でも貢献している。

 俊敏なスロットルレスポンスの実現には、「フラットプレーン・クランクシャフト」やコンパクトなツインスクロールタービン、さらに3ピースのエグゾーストマニホールドといった一連の改良が関係している。とくに等長パイプ構成のエグゾーストマニホールドは、全回転域にわたって燃焼効率の最大化と卓越したパフォーマンスの実現に大きく貢献している。

 そして、うれしいのはフェラーリ伝統のサウンドが健在だということ。GTC 4 Lusso Tでは、エンジンの点火を同調させるクランクシャフトと、サウンドを調整する等長エグゾーストヘッダー、さらには排気ラインに大径サイレンサーを備えることで、エキサイティングで官能的な音色を実現している。

 ところで、フェラーリのエンジニアたちは、GTC 4 Lusso TにV8ターボエンジンと後輪駆動を採用することが決定した時、V12モデルと同等のハンドリング特性をキープしつつ、よりスポーティさが際立つようにビークルダイナミクスを調整することを目指したという。軽量化に加えて、前後重量配分を46:54とリヤ寄りに設定することで、4WSとSCM-Eコントロールシステムに専用のセッティングを採用し、ドライバーに軽快でロールを抑えた、痛快なドライブフィールをもたらしてくれる。

 デザイン面では、流れるような究極のサイドラインとテーパー・シェイプを持つシューティングブレークスタイルが、アクティブなレジャーや日常生活を想像させる。室内は、高品質なレザーをふんだんに用いて職人が仕上げ、洗練されたエレガンスが薫るラグジュアリー空間となっている。インターフェイスや操作系に、メタルおよびカーボンファイバーが使われているが、これもまた絶妙なコントラストを生み出している。

 究極に進化したスーパースポーツでありながら、「4人が乗れて荷物も積める」という、フェラーリらしからぬ(!?)ユーティリティ性能を誇る「GTC 4 ルッソ」。そこに新たに加えられた「GTC 4 ルッソ T」は、より扱いやすいパワートレーンで、同時にさらにスポーティになっているという、極めて贅沢なモデルだ。

 これまでファミリーユースなどの観点から、跳ね馬オーナーを断念していたユーザーにとってはまさに朗報。「家族と楽しめる」ということで、奥さんも説得しやすくなるのではないだろうか。価格は2970万円だ。

【GTC 4 Lusso T 諸元】
◎エンジン
形式 V8-90°ターボ
総排気量 3855cc
ボア&ストローク 86.5mmx82mm
最高出力 449kW(610馬力)/7,500rpm
最大トルク 760Nm/3000-5250rpm
最高回転数 7,500rpm
圧縮比 9.4:1
◎サイズ&重量
全長 4922mm
全幅 1980mm
全高 1383mm
ホイールベース 2990mm
フロント・トレッド 1674mm
リヤ・トレッド 1668mm
乾燥重量 1740kg
前後重量比 46%フロント-54%
リアトランク容量 450L
燃料タンク容量 91L
タイヤ前・後 245/35ZR20・295/35ZR20
トランスミッション 7速F1DCT
◎パフォ―マンス
最高速度 320km/h以上
0-100km/h加速 3.5秒
燃料消費量 11.6L/100km(※ホモロゲーションに従う)
価格 2970万円

フェラーリ GTC 4 ルッソ Tのカタログ情報はこちら

フェラーリ GTC 4 ルッソ Tの取り扱いディーラーはこちら

  • フェラーリ極東・中東エリア統括CEO
    ディーター・クネヒテル 氏

  • フェラーリ・ジャパン&コリア代表取締役社長
    リノ・デパオリ氏

  • 俳優で映画監督の伊勢谷友介さんとVERY専属モデルのクリスウェブ佳子さんのトークライブも行われた。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ