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更新日:2026.08.12 / 掲載日:2026.08.12
新型エルグランドのすべて《コンセプト&プロフィール》
NISSAN 新型エルグランドのすべて
《7月16日発表》《689万7000円〜》
2010年の現行型デビューから16年、日産・エルグランドが満を持してフルモデルチェンジ! 正式発表モデルライフが長かった日産の最上級ミニバン・エルグランドが満を持してフルモデルチェンジ! 走りの良さにこだわる姿勢はそのままに、e-POWER+e-4ORCEの相乗効果で勝負を掛ける。もちろん最上級ミニバンならではの居住性にも妥協は許されない。絶対王者のアルファード/ヴェルファイアへの会心の一撃となるか。前に開催された事前試乗会で新型の実力を探った。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之/澤田和久
※ロケ写真の車両はプロトタイプ
※本記事の内容は月刊自家用車2026年9月号制作時点(2026年7月中旬)のものです。



第3世代e-POWER+e-4ORCEで大刷新!

下位グレードを設定せず最上級に狙いを絞る
最上級1BOX型ミニバンは市場が確立されたカテゴリーと言ってもいいだろう。実際にはアルファード系(ヴェルファイア、レクサスLM)と新型エルグランドの実質2モデル構成であり、国産車では最も多様化の進んでいないカテゴリーである。
1BOX型は実用性や多用途性を重視した車型と思われがちだが、最上級クラスになると積載性や多用途性はそもそもさほど求められない。積載機能のシートアレンジを見れば一目瞭然だが、実用性を求めるなら2ℓ級1BOX型がピークだ。そこから先はハイエースやキャラバンのテリトリーになる。
ゆったりした車体寸法にスペース効率の高い設計で得た広いキャビンは、セカンド/サードシートの同乗者のくつろぎに饗するのが最上級クラスの流儀であり、新型に生まれ変わったばかりのエルグランドもその流儀に沿って開発された。従来型でも走る応接室的な上級グレードを用意していたが、新型はいわばその集大成的な進化を遂げている。
最大のライバルとなるアルファード系に対しては電動化の遅れがイメージにも販売実績にも影響していたと推察されるが、従来型は最終仕様まで内燃機車のみの構成だった。もちろん、新型エルグランドは日産の最上級クラスにして最新モデル。当然、本格HEVを採用し、電動4WD専用モデルとしての再誕だ。
ハイブリッドシステムは言うまでもなくシリーズ式のe-POWER。発電用のエンジンは1.5ℓ3気筒ターボを採用する。1.5ℓターボを用いたe-POWERは他にエクストレイルがあるが、エルグランド用には特徴的な可変圧縮機構が採用されていない。それでもパワースペックには大きな隔たりはない。また、車重差は500㎏以上重いにもかかわらず、比較的空気抵抗の影響が少ないWLTC市街地モードでの燃費差は0.7㎞/ℓでしかない。このことからも、より発電効率にこだわった結果であり、より電動感を高めるための選択だったと言える。
ハイブリッドシステム絡みのもうひとつの注目点がe-4ORCEだ。ツインモーター式の4WDシステムで、e-POWERシステムの一環として制御される。2WDでも駆動トルクの制御によりドライブフィールや乗り心地を滑らかにする制御を行っているが、これを前後駆動力配分まで拡げている。また、同系システムとしてe-POWER・4WDがあるが、制御思想は同じものの制御の精度や範囲などを向上させているのがe-4ORCEの特徴である。
なお、駆動モーター出力は前後151kW/100kWであり、これはエクストレイルにほぼ等しい。ちなみにアルファードのE-Fourは134kW/40kW。前輪駆動系の出力に比べて後輪駆動系の出力が大きいのがe-4ORCEの特徴であり、前後のトルク配分を100対0(FWD)から0対100(RWD)まで制御できる。そのため、FWDとRWDの双方の利点を状況別に使い分けるようなことも可能となる。高車重高重心の上級1BOX型にとって、e-4ORCEは力学的な見地からも相性のいいシステムといえる。
これらのことを総合して考えてみると、ミニバン界で最上位クラスというだけでなく、ニッサンの電動化技術でも最上位クラスのモデルと考えていいだろう。
なお、最大のライバルとなるアルファード系はHEV、内燃機車、PHEVが設定され、HEVと内燃機車にはFFと4WDを設定するなど、エントリーから最上級まで取りそろえたワイドラインナップ。一方エルグランドは冒頭で述べたとおりe-4ORCEモデルのみの設定。当然エントリー価格も高くなり、X e-4ORCEの689.7万円から。アルファードはHEVのE-Fourに限定しても581.9万円からで、内燃機仕様のFFならこの予算で装備を充実させたZにも手が届く。
e-4ORCEだけでなく電子制御サスも標準装着するなど、採用されている走行ハードウェアや装備設定を見れば、エルグランドの車種設定は上級グレードだけで構成されていると考えていい。内外装の雰囲気優先で選ぶユーザーには予算面のハードルが高くなってしまうが、最上級1BOX型ミニバンの市場動向に対しては少数精鋭型の車種展開と言えよう。
新型エルグランド(プロトタイプ)先取りインプレッションダイジェスト
●文:まるも亜希子

日産の最新技術でプレミアム感が大幅アップ!
6つのドライブモードのうち、まずはスタンダードを選択。走り出しは軽やかさの中に重厚な加速Gが感じられ、一気に上質なドライブの始まりを告げた。思い通りのリニアな加速が長く続き、路面をしなやかに捉える接地感と相まって、操る楽しさが湧いてくる。下りのタイトコーナーでは、ややボディ後方が振られる感覚はあったものの、スポーツモードにすると難なく駆け抜けることができた。
ドライブモードをコンフォートにすると路面への当たりがソフトに。日産がこだわる「酔いにくいクルマ」の技術も投入しているということで、走りの良さに加え、同乗者への思いやりも大きく進化したプレミアムミニバンとなっている。
そして、静粛性! エンジンの設計や遮音ガラス、高遮音ボディ、新世代アクティブノイズコントロールなど、徹底した対策による静かさは感動ものだった。
