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更新日:2025.02.13 / 掲載日:2025.02.13
新しいXC90は、まだエンジン車が買える!【ボルボ 改良新型XC90】

文と写真●ユニット・コンパス
これからのボルボを象徴するような1台が登場しました。フラッグシップSUVであるXC90の改良新型モデルが2月13日に発表されたのです。フロントマスクを一新し、内装とインターフェースを大幅にアップデートしました。価格は1019万円からとなっています。
ボルボは2024年9月に2030年までに電気自動車専門ブランドになることを撤回しました。理由は市場のニーズを鑑みてのことで、今後は「2030年に電気自動車とプラグイン・ハイブリッドを合わせて9割」を目標に、ニューモデルを投入していく方針です。今回発表されたXC90は、まさにそうした新方針に向けたプロダクトなのです。
全世界で約100万台売れたラグジュアリーSUV

ボルボはすでに日本市場向けに9モデルをラインアップしますが、そのうち3モデルが電気自動車です。とくに新しいEX30は非常に完成度が高く、新時代のボルボ像をみせてくれました。しかし一方で、ガソリンやディーゼルを使うエンジン車を求めるユーザーも数多くいます。むしろ多数派でしょう。
とくに大型SUVを純粋な電気自動車にしようとすると、バッテリーもたくさん搭載しなければならず、当然価格もエンジン車より高価になってしまいます。XC90は、第1世代から合わせて全世界で約100万台、日本でも1万台も売れたヒット作。当然、ユーザーニーズを外すわけにはいきません。そこで、現時点でユーザーメリットのある現実的な電動車としてボルボが提案するのが、プラグインハイブリッド車と48Vマイルドハイブリッド車です。これらはエンジンをモーターがサポートすることで、低燃費とスムーズで力強い走りを実現しています。

ボルボ・カー・ジャパン株式会社の不動奈緒美氏は新型について、「細部にわたり作り込まれた新型XC90によって、二代目XC90は完成系になった」と力強くアピールしました。
改良のポイントは、新しくなったフロントマスク、インテリアのデザイン、大型化したセンターディスプレイと改良されたインターフェイスです。
画面は大きく、使い勝手が改良された新型インフォメーションシステム

XC90はもともと質感の高さやデザインの良さに定評のあるモデルでした。そうしたディテールへのこだわりはそのままに、使い勝手をさらに高めた形になります。とくに縦型のセンターディスプレイは11.2インチと大きくなり、ナビ画面を表示した状態でも他の情報が大きく表示され、機能へのアクセスもしやすくなっていました。
ドライブモードの切り替えもホーム画面から簡単にできるようになったとのこと。街中では電気自動車のように、高速道路では力強く爽快な走りをといったように、シチュエーションに合わせてクルマのキャラクターが変えられる機能です。





またボルボらしいこだわりなのが、環境に配慮した素材を積極的に取り入れているところ。リサイクル素材とバイオ素材を使っているというシートを触ったのですが、肌触りもよく言われなければわからないほど質感は高かったです。
XC90を皮切りに今後他のエンジン車もアップデートされる模様


48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載するB5は、エンジンを改良することで燃費を改善。ダンパーも新型にしたことで乗り心地も向上しているとのこと。プラグインハイブリッド搭載のT8はエアサスが標準装備になっています。
新型XC90は、ボルボが大切にしてきた安全性と環境への配慮へのこだわりを貫きつつ、ラグジュアリーSUVとしてもとめられるデザインと快適性を備えています。おそらくXC60などの他のエンジン搭載モデルもこの方向性で進化を遂げることになりそうです。