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更新日:2018.10.06 / 掲載日:2014.11.28
トヨタ ミライ 新車紹介
トヨタ ミライ新車紹介
紹介
【ニューモデル】
発表/2014年11月18日
トヨタ自動車・お客様相談センター
0080-700-7700
文●森野恭行 写真●澤田和久
■ついに燃料電池車が市販されるまずはその挑戦に拍手を送りたい
97年に初代プリウスを世に送り出し、ハイブリッドカーのトップランナーとなったトヨタが、次にねらうのはFCV(燃料電池自動車)の覇権。世界に先駆けて、量産型FCVのミライ(MIRAI)を発売することで、来るべき「水素社会」をリードする強い意気込みを示した。そのスタイルは、昨年の東京モーターショーで話題を集めた「FCVコンセプト」を忠実に再現したもので、まさしく「未来のクルマ」といった印象だ。
■ドライビング/ユーティリティ
Report 森野恭行
ミライのスリーサイズは4890×1815×1535mmとやや大柄だが、それは複雑なメカ構成を考えれば理解できる。なんと、「水の電気分解」の逆の手順で電気をつくるFCスタックを前席下に搭載し、2本の高圧水素タンク(約700気圧)を後席下とトランク前方に配置する。なら、その能力は?ピュアEVは航続距離の短さが弱点だが、ミライは満充填で650km(JC08モード)も走ることができるのだから、その面での実力はガソリン車やディーゼル車とほぼ変わらない。しかも、走行中のCO2排出はゼロで、出るのは水だけ!FCVが「究極のエコカー」と言われる所以はここにある。
ちなみに、モーターの性能は154馬力/34.2kg mで、車重1850kgのミライに対しては十分と言えるもの。最高速度は175km/hと発表されている。その上で、大人4人が快適に過ごせるキャビンと実用的なトランクも備えるのだから、クルマとしての性能や機能は「十分」ということだ。
残る気がかりは価格と水素の供給インフラ。価格は約723万円で、補助金を活用すれば500万円ほどのユーザー負担となる。水素ステーションについては官民一体の計画が進行中だが、正直、不便を感じないまでになるには時間を要しそうだ。
■インテリア/エクステリア写真[1]
面やラインが交錯する独特のデザインを採用することで、未来感を表現したコクピット。センター上段に配置するメーターは、2つの4.2インチ液晶パネルで構成している。
前席下にFCスタック、後席下に水素タンクを配置するため、ヒップポイントは高めの設定。だが、長めのホイールベースを活かし、余裕ある後席ニースペースを確保している。
電気自動車との大きな違いは、FCスタックを冷却するための大容量ラジエターを搭載すること。
■インテリア/エクステリア写真[2]
水素の充填口は左リヤ。満タンに要する時間は3分程度というから、ガソリンや軽油とほぼ同じだ。
9.5インチのゴルフバッグ3個を積み込めるトランク。AC100V電源を右サイドに装備している。
床下のフルカバー化やディフューザー処理により、空力性能を徹底追求している。後部左のフロア下には、電気をつくる際にできた水を排出するダクトがある。これがFCVの証と言える。
トヨタ ミライ
全長×全幅×全高 | 4890×1815×1535mm |
---|---|
ホイールベース | 2780mm |
トレッド前/後 | 1535/1545mm |
車両重量 | 1850kg |
モーター | 永久磁石式同期型 |
最高出力 | 154ps |
最大トルク | 34.2kg m |
駆動用バッテリー | ニッケル水素 |
航続距離 | 約650km(JC08モード) |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | トーションビーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/ディスク |
タイヤ前後 | 215/55R17 |