車種別・最新情報
更新日:2024.06.26 / 掲載日:2024.01.26

ヴェゼルと好勝負! ホンダ・WR-Vのパッケージングに注目だ

走りも期待以上の完成度、200万円クラスに新たな選択肢が誕生!

ホンダSUVのエントリーモデル「WR-V」がついに正式発表。ガソリン車のみということもあって“価格優先モデル”と思いきや、走りでも、ユーティリティでも、1クラス上のモデルとも十分に戦えるモデルだったのだ。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

キャビン&荷室の広さは
ヴェゼルと大差なし
 現在のコンパクトSUVは、スモールクラス級とコンパクトクラス級の2つで構成されている。ヴェゼルはコンパクトクラス級で、さらにe:HEV中心のラインナップ構成になるため、価格レンジが少し高め。そこでその下のスモールクラス級をカバーするために導入されるのが、WR-Vというわけだ。
 そんな理由からWR-Vはヴェゼルのサイズダウン仕様と誤解されそうだが、実は車体サイズはほとんど変わらない。全長は約5㎜短いが、全高は約70㎜高く、さらにホイールベースは約40㎜長い。キャビンスペースも広く、実用性をかなり優先した設計だ。
 ただし、ヴェゼルよりもキャビン実用性が勝るとは言い難い。単純な荷室容量などはほぼ互角と考えていいが、シート格納などのアレンジ性はヴェゼルの方が明らかに優れている。ヴェゼルは全高こそ抑えめな寸法だが、センタータンクレイアウトを採用していることもあって、フィット同様のスペース効率に優れたパッケージングを実現している。実際、WR-Vの後席格納は6対4分割のシングルフォールディング式で、ヴェゼルやフィットが採用するチップアップ&ダイブダウンの2ウェイ式と比較すると、積載の多様性でやや見劣りしてしまう。
 パワートレーンは1.5ℓNAのガソリン仕様のみ。ヴェゼル・ガソリン車と同ユニットだが、グレード構成としてはヴェゼル(1グレードのみ)を補完するような関係になる。
 また駆動方式はFFのみ。これはフィットやヴェゼルとはプラットフォームが異なるためだ。インドで生産されるエレベイトの日本向け仕様がWR-Vになるのだが、エレベイトはFFのみの設定で、それに準じた構成になる。最低地上高はクラス最大級の195㎜を確保し、轍跨ぎなどはFFのSUVではトップクラスと考えていいが、氷雪路や悪路走行のためにSUVを選びたいユーザーにとっては、4WDの設定がないのは気になる部分になるだろう。
 安全&運転支援機能はホンダセンシングを全車に標準採用。ただし、機能面ではフルパッケージ仕様とは言いがたく、ACCに渋滞追従機能は採用されていない。
 スペックや装備機能をヴェゼルと比較すると、WR-Vは廉価仕様に見えてしまうのだが、価格と性能のバランスの良さを軸にすると、ヴェゼルに勝るとも劣らないコンパクトSUVに仕上がっている。特にキャビン&荷室の広さを重視するユーザーにとっては、理想のモデルにもなり得るだろう。

Z+

●主要諸元(Z+) ●全長×全幅×全高(㎜):4325×1790×1650 ●ホイールベース(㎜):2650 ●車両重量(㎏):1230 ●パワーユニット:1496㏄直列4気筒DOHC(118PS/14.5㎏・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード燃料消費率:16.2㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディングトレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソン式(F)車軸式(R) ●タイヤ:215/55R17

SUVらしさを強調するエクステリアパーツとしても欲しくなるルーフレールガーニッシュ。シャープシルバーに塗装済みで、Z+に標準装備。
骨太な幾何学的造形を組み合わせることで伸びやかさを表現した17インチのアルミホイール。ZとZ+に標準装備。

Z

インパネは実用車らしい水平基調のシンプルなデザイン。大きめのフロントウインドウ&フラットなダッシュデザインにより、前方視認性も優秀だ。
オーディオレス仕様が標準。ディーラーOPでディスプレイオーディオ(8インチ)、コネクトナビ(8インチ/9インチ)の3タイプを設定。
シフトセレクターはストレートタイプ。コンソール周りの加飾もシンプルだが、Z+とZはステアリング&シフトが本革巻仕様に奢られる。
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ