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更新日:2024.01.06 / 掲載日:2023.12.13

見た目よし!コスパよし! ホンダ新型SUV「WR-V」の全貌

《2024年春発売予定》大人気のコンパクトSUVに超新星現る!

ホンダから待望の低価格コンパクトSUV「WR-V」が登場。「VERSATILE FREESTYLER」を開発コンセプトとしたWR-Vは街乗りからアウトドアまで、多様なニーズに応えられるようエクステリア&インテリアともに工夫が詰まった魅力的なモデル。そんなWR-Vの魅力に迫る。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

価格もスタイルも魅力絶大! HONDA 新型WR-Vの全貌

200万円前半とは思えない重厚感あふれるエクステリア。入門用SUVとしても好適!

日本・タイ・インド 3か国
共同開発のコンパクトSUV

ホンダSUVのエントリーに位置する新ブランドとして国内導入されたモデルがWR-V。2023年6月からインド市場に導入されたエレベイトの日本仕様であり、インド生産の輸入車でもある。

 エントリーに位置するといっても全長4325㎜、全幅1790㎜の平面寸法は上位設定となるヴェゼルとほぼ同じであり、車体サイズや排気量による格付けでは変わらない。WR-Vをエントリーとするのは主に価格設定である。

 ホンダ電動戦略の柱となっているe:HEVはラインナップせず、NA仕様1.5ℓ/CVTのガソリンFF仕様のみの構成。現時点の情報では最上級グレードでも250万円くらいと予想され、ヴェゼルのベーシックグレードとなるGを多少上回る程度。ちなみにフィットのガソリン仕様クロスター2WDは210万円強であり、コンパクトクラスのガソリン車からの乗り換えを容易にした価格設定がエントリーモデルに位置付ける最大の理由である。

 興味深いのは実用性の訴求だ。前述の通り平面寸法はヴェゼルと同等だが、ホイールベースは40㎜長く、その拡大代がそれ以上に有効室内長を拡げている。実車に乗り込んでみたが、後席の膝前スペースはヴェゼルよりも10cmくらい広く感じられた。高い天井もあって、文字通り一回り広い。

 ただし、後席格納は6対4分割ながら単純なバックレスト前倒式。ヴェゼルやフィットに採用されているチップアップ&ダイブダウンの2ウェイ格納型ではなく、積載の多様性は低下している。

 前席下床面はセンタータンクレイアウト同様に一段高くなっているのだが、WR-Vの燃料タンクレイアウトは一般的な後席床下配置を採用する。キャビン前半床面がセンタータンクレイアウト対応と共通という事からもWR-Vのプラットフォームは前半部のみフィット系をベースとし、後半を別設計としたと考えるのが妥当だろう。器用な使い勝手のよさよりも機能を単純化してキャビンの広さを優先した車体設計とも言える。

 キャビン容量重視の設計は外観にも表れている。前後ドアのサイドウインドウ長を比べると明らかにリヤドアが長い。一般的に車体サイズが小さくなるほどリヤドア幅は狭くなる傾向にあるが、WR-Vのリヤドア幅はコンパクトSUVではトップレベル。外観からも広々後席を一瞬で理解できる。しかも、ドア幅が広いため乗降時の脚さばきが楽。後席の乗降性のよさも実用面のメリットだ。

 インパネ周りの仕立ても実用性重視のデザインが特徴。センターに配置されたパッドPC型のディスプレイやスライド式シフトレバーなどオーソドックスな馴染みやすさを基本にIT時代感を薄掛けしたような感じで嫌味がない。

 面白いのはパーキングブレーキ。センターコンソール配置の所謂サイドブレーキ。最近の国産車では電子制御式のEPBや機械式なら足踏式が標準的であり、見た時には懐かしささえ感じられた。

 機械式のサイドブレーキの採用が気になってACC機能を尋ねたところ、全車速型ではなく低速で解除される高速型になるという。ホンダではEPBとの組み合わせで全車速対応&渋滞追従機能付きが標準的だが、この辺りは主要仕向地向けのコスパ設計なのだろう。

 また、高速コーナーの据わりとタイトターンのさばき易さを両立するアジャイルハンドリングアシストも非採用となり、メカニカルなサスチューニングにより操安性と乗り心地の両立を図っている。

 悪路走行を前提にSUVを選ぶユーザーなら気になる最低地上高は195㎜。この数値は18インチホイールを履くヴェゼルのFF仕様同値である。コンパクトSUVでは最大級と言ってもいい。駆動方式がFFのみとなるため、滑りやすい路面の登坂などオフロード向けの性能はあまり期待できないが、轍跨ぎや段差乗り越えではかなり有利。荒れた林道くらいのダート性能は期待してもいいだろう。

 WR-Vの注目点はキャビン容量と価格。となれば同クラスでも実用の優等生のフィットとは悩み所。もちろんコスパや装備の充実を求めるならフィットが無難な選択となるが、ちょっと無骨なSUVスタイルや余裕のある最低地上高がもたらす適応用途の拡大がWR-Vへと視線を誘導する。手頃な価格で浮いた予算でアウトドアレジャーを背景にした行動半径の拡大や新しい楽しみ方をする。そういった視点でコスパを高めたSUVがWR-Vなのだ。

新型WR-V Z+

力強さ、逞しさを意識しデザインされたエクステリア。Z+専用パーツを身に纏い、アウトドアが似合うような仕立てとなっている。
ボディカラーには日本初となる「イルミナスレッド・メタリック」を採用。
「ベルリナブラック・フロントグリル」を採用しており、力強さが際立つフロント。
高い重心と水平基調を意識したリヤデザイン。すぐにWR-Vと分かるエンブレムを装着。
全グレードにフルLEDを採用し、精悍な印象を持たせたヘッドライト。
フロント下部にはフォグランプを配置しているため、悪天候時でも安心して走行が可能だ。
Z、Z+グレードではベルリナブラック切削の17インチアルミホイールを装着。
外観にメリハリがつく、シルバー塗装のドアロアガーニッシュを装備。
頭上空間、足元空間にゆとりがあり、乗り降りしやすいのも魅力。

新型WR-V Z

力強さ、逞しさはZでも健在。どんなシチュエーションでもマッチするエクステリアは、ドライバーをワクワクさせてくれるだろう。

インパネ周りは機能性を追求し、一目で分かるようにボタンなどが配置されている。Z、Z+グレードには本革巻のステアリング、シフトレバーが採用され上質な印象だ。
全グレードに運転中でも見やすい、シンプルな7インチTFTメーターを採用。
Honda CONNECT対応のナビ/ディスプレーオーディオを設定。画像は9インチHDモデル。
センターコンソールもシンプル。最近では珍しいレバー式のサイドブレーキが採用されている。

新型WR-V《ボディカラーバリエーション》

新型WR-V《純正アクセサリー》

コーディネートも注目!
エクステリアのコーディネートはもちろん、アクティブに使えるユーティリティアイテムもラインナップされ、WR-Vが更に進化!

純正アクセサリーを装着したWR-V。WR-Vのもう一つのグレードをコンセプトに開発されたアクセサリーは上質感とタフさを演出。
フロントグリル、ブラックエンブレムはパッと見ただけで迫力が伝わる。
アウトドアチックな印象が際立つサイドロアガーニッシュを装着。
エキパイフィニッシャーは性能に影響なく、見た目を向上。
さりげないコーディネートを楽しめるドアハンドルプロテクションカバー。
アクティブユーザーに嬉しいストレージボード、シートバックソフトトレー、ラゲッジトレー。
ドリンクホルダーイルミネーションで室内もドレスアップ。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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