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更新日:2024.03.01 / 掲載日:2023.11.11

実車確認! クラウンスポーツ詳報!

フラッグシップに新たな仲間! 鮮烈デビュー

この秋の登場が予告されていたクラウン スポーツが、ついに正式発表。新たなファンの獲得を狙った“スポーティ”なスタイリングは、新時代のクラウンにふさわしい。同時にお披露目されたクラウン セダン、クラウン エステートと共に、トヨタのプレミアムモデルのあり方を大きく変化させるのは間違いなさそうだ。

●文:渡辺陽一郎 ●写真:佐藤正巳

SUV系モデルの投入により
世界戦略のキーモデルへ

 今回のクラウンのフルモデルチェンジは、歴代以上に変化の度合いが大きい。先代はセダンのみのラインナップだったが、新型はSUVが3モデル、セダンは1モデルの合計4モデルが投入される。
 これほどまでに大きく変えてきた一番の理由は、クラウンの販売の低迷だ。1990年のクラウンの登録台数は、1か月平均で約1万7300台が登録されていたが、2021年は約1800台だった。おおまかに最盛期の10分の1にまで減少したことになるが、クラウンは初代モデルを1955年に発売したトヨタの基幹車種だから、そう簡単に廃止することはできない。なんとかして生産台数を抜本的に増やす必要が生じたのだ。
 そこで日本で中心に売るセダンから、海外でも販売できるSUVに発展させ、新たにクロスオーバー、スポーツ、エステートをそろえて、強固な販売体制を整えてきたというわけだ。
 すでにクロスオーバーは2022年に発売されており、今回導入されるスポーツは第2弾となるモデル。2023年10月6日にハイブリッドが受注を開始し、PHEV(プラグインハイブリッド)も12月に発売される。なおセダンは2023年11月頃、エステートも2024年3月までに発売する予定だ。
 クラウンがセダンからSUVに発展する架け橋としての役割を担っていたクラウンクロスオーバーは、SUVにカテゴライズされるものの、ボディの後部にはトランクを備える、実質的にはセダンに限りなく近いモデル。
 一方、クラウンスポーツは、ボディの後部にリヤゲートを装着する一般的なSUVボディで、全長はクロスオーバーよりも210㎜短く、ホイールベースも80㎜下まわる。やや小ぶりとなったことで適度に機敏な運転感覚を味わえるほか、外観も躍動感溢れるスタイルで、一目で既存のクラウンとは違うことが理解できる。
 エステートは、スポーツと同じくSUVボディを採用するが、ホイールベースはクロスオーバーと同等サイズ。ルーフを長く伸ばしリヤゲートも備える典型的なSUVボディだから、室内も荷室のスペースも広い。使い勝手の良さも手伝って、現行クラウンの4モデルの中で、本命となる可能性が高いだろう。
 そしてセダンは、前述した3台のSUV系とはプラットフォームが異なり、唯一後輪駆動を採用している。最近の流れからしてセダンの台数は少ないことが予想できるが、法人を含めた乗り替え需要が根強いのも事実。そんな需要に対して応えてくれる、正統派セダンに仕立てられているのが特徴だ。

クラウン スポーツ詳報

HEVの納車は11月にスタート、12月にはPHEVも追加発売!

TOYOTA 新型クラウン スポーツ ●発表:2023年10月6日 ●価格:590万円
先に発売されたクロスオーバーに比べると、ひと回り小ぶりなボディサイズだが、抑揚を効かせたパネルデザインを採用したことで、迫力感は増した印象。いかにも走りそうな気配が漂う。

HEVでも必要十分だが
高性能ターボも欲しい

 クラウンスポーツは、クラウンシリーズの中で、文字通りスポーツを強く意識したモデルだ。外観もリヤドアからフェンダー付近にボリュームを持たせ、後方から見た時の踏ん張り感を強めている。クロスオーバーに比べると全長は短いのだが、全幅は40㎜ほど広い。サイズ的にはハリアーに近いが、全幅はクラウンスポーツの方が25㎜ほどワイドだ。
 現時点でのクラウンスポーツのグレードはZのみ。パワーユニットは2.5ℓ直列4気筒のHEV(ハイブリッド)で、駆動方式は4WDのみとなる。内装のシート生地は本革で、装備類もパノラマルーフはOPだが、おおむね上級グレードの内容になっている。2023年12月にPHEV(プラグインハイブリッド)搭載車が加わるが、こちらもグレードは限られるだろう。
 ただ、スポーティな性格を考えると、クロスオーバーに設定されている2.4ℓターボは欲しいというのが率直な感想。2.5ℓハイブリッドでも、エンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は234馬力、追加予定のPHEVも、ハリアーを例に出すと306馬力と十分なスペックだが、それでもスポーツを名乗るからには、2.4ℓターボの349馬力は魅力大だ。
 キャビンはインパネ周りのデザインはクロスオーバーと基本的に同じだが、ATレバーが収まるセンターコンソール付近は光沢のあるパネルが使われており、スポーティで質感も高い。本革シートの色彩は、ブラックに加えて洗練されたサンドブラウンも用意する。前席のシート形状は、背中から大腿部をしっかりと支えてくれてホールド性も優秀。長距離を移動する時も快適だ。
 全長とホイールベースは、クラウンクロスオーバーよりも短いが、後席の広さに不満はない。身長170cmの大人4名が乗車しても、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ弱の余裕がある。クロスオーバーの2つ半に比べると狭いのだが、後席乗員の足が前席の下側にスッポリと収まるため、快適さは変わらないと考えていい。
荷室容量にも余裕がある。クラウンクロスオーバーの450ℓには達しないが、ハリアーと同等の397ℓが確保されている。リヤゲートはヒンジの位置が前寄りだから、開閉時に後方への張り出しも少ないため、狭い駐車場でも扱える。

装備機能が充実している
上級グレードのみで展開

 現時点で用意されるパワーユニットは前述のハイブリッドで、WLTCモード燃費は21.3㎞/ℓだ。全幅は1880㎜とワイドだが、最小回転半径は後輪操舵のDRSの効果で5.4mに収まる。この数値はクロスオーバーと同じ。
 グレードはZのみだが、実質的に最上級の装備内容になる。低速時にステアリングホイールから手を離しても運転支援を受けられるアドバンストドライブ、車外から車庫入れの操作が行えるアドバンストパーク、床下透過表示機能を備えたパノラミックビューモニターなども標準装着されている。この装備は、クロスオーバーでは2.4ℓターボのRSにセットオプションとして用意されるが、スポーツは2.5ℓのZでも標準となる。
 クラウンスポーツZの価格は590万円。同じハイブリッドを搭載するクロスオーバーGアドバンストレザーパッケージに比べて20万円高い。その代わりアドバンストドライブなどのセット(クロスオーバーのオプション価格は23万6500円)、デジタルインナーミラー(4万4000円)などを加えて、逆にデジタルキーはオプション(3万3000円)になる。またクラウンスポーツのLEDヘッドランプは、4眼ではなくバイビームに留まる。このような装備の違いを勘案していくと、クラウンスポーツの買い得度は、クロスオーバーと同程度といっていい。
 12月に加わるPHEVの価格は未定だが、ハリアーの場合、価格はハイブリッドよりも約100万円ほど高くなる。クラウンスポーツの価格差も同程度だろう。経済産業省による55万円の補助金を受け取ることが可能で、別途、自治体からも交付される場合がある。PHEVの価格を見てから商談を進めるのも十分アリだろう。

HEVは、2.5ℓ直4のダイナミックフォースエンジンにモーターを組み合わせるシリーズパラレル式ハイブリッドを採用。リヤ側にも駆動モーター(E-Four)を配置するツインモーター仕様になる。
ヘッドライト(主灯)はバンパー左右に配置されるLEDライトが担当。その上の弧状のライトはデイライトとターンライトになる。
リヤエンドは後端が絞りこまれるクーペルックを意識した伸びやかなデザイン。ブラックに塗り分けられたバイトーンカラーも印象的だ。
グロスブラックに塗装された21インチアルミホイールを標準装着。タイヤサイズは235/45R21と、スポーツモデルらしいグリップ性を意識した選択だ。
プラットフォームはGA-Kをベースに、リヤ骨格の新開発などの新機軸を盛り込むことで走りの質を追求。ボディにも結合剛性を高めるLSW構造の採用などでさらなる高剛性化が図られている。
渋滞時支援のアドバンストドライブなど、トヨタセーフティセンスも最新仕様を標準採用。
車速に応じて後輪を操舵制御するDRSも標準装着。走りの質を高める重要機能のひとつだ。
ボディカラーは、モノトーン6色、バイトーン5色の全11色を用意。

新型クラウンスポーツ 主要諸元&主要装備

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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