車種別・最新情報
更新日:2023.08.22 / 掲載日:2023.08.14

新型アルファード/ヴェルファイア 選び分けのポイントは? グレード&装備大研究

ミニバン界のビッグネーム「アルファード&ヴェルファイア」が待望のフルモデルチェンジ。従来以上にプレミアムキャラを追求した新型は、これまでの高級車のあり方を変えていきそうな見逃せない一台だ。アルファードとヴェルファイアのグレード体系が異なるため、選択には注意が必要だ。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

【新型アルファード/ヴェルファイア】グレード選び

キャラの違いが明確
ヴェルはスポーティ志向

 アルファードとヴェルファイアが姉妹車の関係にあるのは従来型と同じだが、新型は同じような仕様(グレード)を用意しないことで、直接競合しないようなキャラ付けをしている。

 実際に両モデルのグレードは、ハイブリッド車系が2グレード、ガソリン車系が1グレードの合計3グレードから選べるが、同等レベルのグレード同士を比べると、パワートレーンもしくは装備内容が重複しない設定になっている。

 ガソリン車を例に挙げると、Z系同士で価格を比べると、ヴェルファイアが115万円高になる。

 パワーユニットの違い(NAとターボ)もあるだろうが、それ以上に大きな影響を受けているのが、装備設定と内装仕立てだ

 アルファードのZではOP設定になっているFCTA/LCA、チームメイトが、ヴェルファイアのZプレミアは標準装備。さらにカラーHUDや左右独立ムーンルーフなども標準装備となる。新型の目玉となる2列目シートも機能面に違いはないが、アルファードではエクゼクティブラウンジに限定されるナッパレザーシート表皮が、ヴェルファイアは全グレード標準となる。この装備設定により、ヴェルファイアのZプレミアは、実質的にアルファードのZとアルファードのエクゼクティブラウンジの間に収まるグレードになっている。

 アルファードとヴェルファイアの大まかな選び分けは「快適性」と「スポーティ」のどちらを優先するかがポイント。シート表皮を除けば、両グレードの装備差の大半はOPで埋められるので、新型のセールスポイントのひとつといえる「走りの質」をどこまで求めるかが決め手だ。パワートレーンの違いはもちろん、タイヤ設定の違い(ヴェルファイアの方が大径タイプ)も、走行性能に影響するのは確実だ。

新型アルファード Z

価格
540万円(ガソリンNA・2WD)
559万8000円(ガソリンNA・4WD)
620万円(ハイブリッド・2WD)
642万円(ハイブリッド・4WD)

最も価格が安いグレードだが実態は中級グレード
 新型は従来型で設定されていた2列目ベンチシートの8名乗り車を現状ではラインナップしていないため、アルファードのZがベーシックモデルになるが、実態としては中級グレードと見るのが正しい。運転支援機能も充実し、車載ITのディスプレイオーディオプラスも標準装着。キャプテンシートもオットマン機能も備えた電動タイプだ。その他の装備も上級装備が抜かりなく装着されている。

新型ヴェルファイア Zプレミア

価格
655万円(ガソリンターボ・2WD)
674万8000円(ガソリンターボ・4WD)
690万円(ハイブリッド・2WD)
712万円(ハイブリッド・4WD)

ターボ搭載のほか、機能も加飾も上級設定
 パワートレーンがNAからターボに変更されたほかにも、アルファードZではOPだった装備が標準装備になっている。2列目シートがエグゼクティブパワーシートなのは同じだが、シート表皮の素材がプレミアムナッパ本革になっていることも特徴。アルファードと比べると、ターボ搭載で動力性能の強化が図られるほか、装備機能の面でも上級設定となっている。

新型アルファード/ヴェルファイア エクゼクティブラウンジ

価格
850万円(アルファード/ハイブリッド・2WD)
872万円(アルファード/ハイブリッド・E-Four)
870万円(ヴェルファイア/ハイブリッド・2WD)
892万円(ヴェルファイア/ハイブリッド・E-Four)

ショーファードリブンを名乗るにふさわしい最上級の豪華仕様
 アルファードとヴェルファイアに設定されている最上級グレード。2列目のキャプテンシートは高機能型のエグゼクティブラウンジシートとなり、オーディオも上級システムにアップデート。Z系に比べると、ショーファードリブンとしての性格が強まっている。ちなみにアルファードとヴェルファイアの価格差は20万円になるが、主にタイヤ&ホイールなどの違いによるもの。

アルファード G(ウェルキャブ サイドリフトアップチルトシート装着車)

価格
472万円(ガソリンNA・2WD)
490万円(ガソリンNA・4WD)
544万8000円(ハイブリッド・2WD)
564万8000円(ハイブリッド・E-Four)

アルファードにはウェルキャブ仕様も設定
アルファードには、2列目シートが電動でスライドダウンするチルトシートのウェルキャブ仕様車も設定。グレード設定としては「G」となるため、Zと比べると内装加飾は控えめで、ディスプレイオーディオも9.8インチディスプレイに変更されている。

■新型アルファード/ヴェルファイア 主要諸元&装備比較&ボディカラー

【ひとまずの結論】まさに正常進化のお手本。アルとヴェルの差別化も好印象

 本稿執筆時点では試乗前になるが、アル&ヴェルの基本コンセプトは従来型と変わっていない。すべての乗員がより快適に移動できるプレミアムモデルへアップデートしたというのが正直な印象。その流れがより鮮明なのがアルファードだ。
 その一方で、ヴェルファイアはVIPカー志向に傾倒しすぎないように、オーナードライバーが求める走り志向も強化して、両モデルのバランスを取っている。良く分かるのが2.4ℓターボの導入で、この新たな付加価値のおかげで、よりアルファードとの違いが鮮明になっている。
 従来型で好評だった中間グレード以下を切り捨てた車種展開は残念だが、より「最上級」を名乗るにふさわしいモデルになったのは間違いない。それでいてどこから見ても新型と思わせることができていることも凄いところで、キープコンセプトだから安心して乗り換えられる。上級ミニバンを求めるニーズもしっかりと捉えているから、買い替えの甲斐もある。ヒットが確約されたフルモデルチェンジになるのは確実だ。

この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ