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更新日:2023.07.04 / 掲載日:2023.06.30
三菱の“スポーツ”ならPHEVを選べ!/スズキの高速ツアラー「スイフトスポーツ」ほか
クルマの呼称にしばしば冠される「スポーツ」の4文字。その意味合いは時代とともに変遷し、ブランドによって解釈も様々だが、現代の「スポーツ」はスパルタン/ストイックといった文言とは無縁のものがほとんど。では、速さ一辺倒ではない現代の「スポーツ」とは何か。その魅力に迫ってみよう。
●文:川島茂夫
MITSUBISHI
ランエボのDNAをモーター制御へ
クロスカントリーラリーを中心にモータースポーツ活動を行うラリアートがミツビシスポーツを象徴するが、現在のミツビシ車でラリアートを冠したモデルやグレードはない。しかし、モータースポーツで得た知見、中でも4WDを用いた車両運動制御による操安性の向上を目的としたS-AWCはファントゥドライブの面からスポーツ性の訴求点になる。とくに前後輪に独立した電動駆動系を備えるPHEVはS-AWCとの相性に優れている。
エクリプス クロス PHEV
【SUV】 ■PHEV
●価格:386万3200〜465万800円
ベース比 約108万円高〜 ※同グレードガソリン車との差額

ポイント解説
電動4WD+S-AWCで自在なコントロール性が光る
アウトランダーのショートキャビン仕様とも言えるモデル。同等車体寸法でツーリング&レジャー志向のRVRに対してスポーティ&スペシャリティなキャラを与えられているのが特徴である。
1.5ℓターボの内燃機車も用意されているが、エクリプスクロスの走りの神髄と先進性を求めるならばPHEVモデルだ。現行アウトランダーPHEVと比較すると電動系のパワースペックで劣っているのだが、全長は165㎜短く車重は170㎏も軽い。短いオーバーハング長などSUVとしてはスポーツドライビング向けのパッケージングと相まって現行ミツビシ車のファントゥドライブのリーダーモデルと位置付けてもいい。また、ラフ&オフロードでもS-AWCと電動4WDの効果が発揮され、その点でもクロスカントリーラリーを得意とするミツビシらしいモデルである。

【全車PHEV】アウトランダー

アウトドアで頼もしくハードなスポーツ走行もこなす
基本的には安心信頼のアウトドア趣味向け、つまりSUVの基本に沿ったモデルなのだが、後輪駆動系のパワーアップなどにより電動4WDの利点をさらに強化。S-AWCによる運動性向上も深化させて、SUVとは思えないハードなスポーツドライビングも可能とした。
SUZUKI
トップグレードとしての「スポーツ」
スズキスポーツからブランド名を変更したモンスタースポーツが実質的なワークス系カスタマイズ部門となるが、スズキ車としては展開されていない。標準設定系のスポーツモデルでは先代アルトに設定されていたワークスが存在したが、現行型では現在のところ同モデルに相当する設定はない。現行車種体系でオンロードのスポーツ性を特徴とするモデルは現行型スイフトのバリエーションとして開発されたスイフトスポーツのみである。
スイフト スポーツ
【コンパクトカー】 ■ガソリンターボ
●価格:202万8400〜209万9900円
ベース比 約5万円高〜 ※ハイブリッドRSとの差額

ポイント解説
欧州も視野に開発され上質な走安性を獲得
スイフトスポーツそのものは初代スイフトから設定されていたが、現行モデルに繋がる走りは世界戦略車種として展開するにあたり欧州市場に適応すべく高速性能を磨いて誕生したのが2代目スイフトが原点といえる。軽快なホットハッチというよりも高速ツアラーとしての資質をスモール2BOXに移植。結果的にファントゥドライブも高まっているが、操安性の質を向上させているのが主体である。
搭載パワーユニットは1.4ℓターボのみでミッションは6速MTと6速ATが用意されている。同パワートレーンを採用する現行車はスイフトスポーツのみ。また、ATに同クラス国産車では珍しいステップ変速を採用しているのもファントゥドライブへのこだわりだ。スズキ車としては早い時期に先進運転支援機能を採用するなど、スポーティ&ツーリング用途向けの性能と装備が備わっている。

【復活はないのか……】アルト ワークス

狙いは軽量ハイパワー!
660㏄ターボをブン回せ
2021年のFMCで消滅したが、軽ホットハッチを代表するスポーツモデル。回して性能を引き出す高性能小排気量エンジンのパワーフィールやダイレクトな操縦感覚など操る手応えに満ちたファントゥドライブが見所。スポーツ性という面では素朴にして古典的。