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更新日:2022.09.09 / 掲載日:2022.09.03

トヨタ新型クラウン 内装/外装/新機能/価格 注目点を総まとめ!

夏から秋にかけて続々とニューモデルが投入されるが、やはり気になるのはライバルモデルとの関係だろう。今、注文するべきか? それとももう少し待つべきか? ここでは5台の新型モデルに注目! まずは注目の新型クラウンから見ていこう。

●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部

TOYOTA 新型クラウン クロスオーバー

発売予定2022年秋頃

G “Advanced Leather Package” ■主要諸元 ●全長×全幅×全高(㎜):4930×1840×1540 ●ホイールベース(㎜):2850 ●車両重量(㎏):1790 ●パワーユニット:2487㏄直4気筒DOHC(186PS/22.5㎏・m)+ツインモーター(フロント88kW/202Nm、リヤ40kW/121Nm) ●トランスミッション:電気式無段変速 ●WLTCモード総合燃費:22.4㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)マルチリンク式(R)タイヤ:225/45R21

“クラウン”を守るため
4つのモデルを展開

「もはやセダンのみではクラウンのブランド維持は困難、そこで時代に合わせた適応用途や嗜好の異なるモデルを展開した」
 クラウンという金看板を生き残らせるためには、もはや待ったなしというところまで来ていたのだろう。今回の4タイプに及ぶモデル展開は、時代と伝統の融合でもあり、カローラで取った戦略とも相通じている。
 新生クラウンの皮切りモデルとなった「クロスオーバー」は、SUVとしてはファストバックの4ドアクーペに近い。さらにプラットフォームもFF用のGA-Kベースに変更されている。話題性は抜群だし、従来のクラウンのイメージを拭うには格好だが、これをクラウンの後継モデルとするには少し無理も感じてしまう。
 その他の3モデルもボディタイプは異なるが、その狙いは同様。パーソナル&スポーティを前面に出した5ドアHBの「スポーツ」や、キャビン実用性を重視したクラウンクロスとでも言うべき「エステート」、そしてショーファードリブン色が強まった「セダン」は、おのおの程度の違いはあれども、従来のクラウンの路線とは明確に異なるのは間違いない。
 ちなみに今回発表された4つのクラウンは、約40の国や地域で販売され、年間の販売台数は20万台を狙うという。トヨタがもくろむ新たな世界戦略を占う意味でも、クロスオーバーがどのように評価されるのか? ここも大きな注目を集めているポイントだ。
セダンとSUVの美点を
併せ持つ、新感覚モデル
 クロスオーバーのスタイリングを眺めていくと、ところどころにセダンとは明らかに違うエッセンスを感じることができる。最も分かりやすいのがルーフからリヤエンドへ滑らかに傾斜して流れていくファストバックスタイル。スペシャリティモデルらしい流麗なデザインは、従来のクラウンのイメージとは大きく異なる。ただキャビンの居住性がしっかりと確保されていることはクラウンらしいところで、室内高は1170㎜を確保。さらに乗降性を配慮したシート座面地上高設定や、ゆとりあるドア開口形状を採用するなど、設計面からしても後席乗員の居心地への配慮を感じることができる。ここはクラウンにとっては、絶対に変えることができなかった設計要点の一つなのだろう。
 またエクステリアのイメージの変化も特徴のひとつ。大きく口を広げたフロント開口部やグラッディングパネルを配置したアーチモールなど、外装意匠は個性的で車体側面のサイドシルやフロアパネルも標準的な乗用車よりも大きく見える。この大胆なイメージチェンジもSUVとの融合を目論んだものといえる。
 インテリアは最近のトヨタ車に共通する中央にディスプレイオーディオを配するレイアウト。パネル処理は巧みで安っぽさは微塵も感じさせないが、往年のクラウン、特にマジェスタ系で感じたような圧倒的なオーラのような風格は感じられない。ユーザーサイドのプレミアムやラグジュアリーに対する考え方の変化もあるのだろうが、少なくとも1990年代に大人気を博したVIPカーのイメージとは完全に異なっているのは間違いない。
安全装備は最新機能を装着
装備水準はトップクラス

 FFベースのGA-Kプラットフォームの採用や、ハイブリッド+リヤモーターの4WD車のみの設定など、メカニズム面でも大きな革新が行われた新型クラウン。目玉の全車4WDの採用は、ツインモーターによる動力性能向上と、後輪駆動系を積極的に活用することによる操縦性や乗り心地の向上が目的になるが、悪路踏破性向上という面でも注目すべき価値はある。SUVとして見るならば踏破性は低めだが、轍跨ぎや段差乗り越えレベルでの踏破力は、一般的な乗用車を上回ることが予想できる。オンロード用途プラスαくらいの踏破性を求めるユーザーにとっては、十分すぎる性能を実感できるだろう。
 安全運転支援機能に関しては、レーントレーシングアシストやプロアクティブドライビングアシストなどトヨタセーフティセンスの基本機能は全モデル標準で備える。駐車支援のアドバンストパークなども抜かりなくカバーされている。一部の先進機能はOPになるが、トヨタのフラッグシップにふさわしい内容が注がれている。

ルーフからリヤにかけて流麗なルーフラインを描くファストバックスタイル。全高は1540㎜とSUVというには低い設定。4ドアクーペと見る方がしっくりとくる。
新時代のフラッグシップを意識した大胆なフロントマスクが印象的。力強いランプグラフィックや大型フロントグリルは、従来のクラウンのイメージとは完全に異なっている。
最低地上高は145㎜と低めの設定だが、大径タイヤ(225/45R21)の採用とホイールアーチ部にクラッディングパネルを配置することで、SUVのテイストを盛り込んでいる。
残りの3つのクラウンは2023年中に発売予定

クラウン セダン

リヤを絞り込むイメージはクロスオーバーと同じだが、フロント周りのデザインが他のクラウンと異なっている。パワートレーン設定を含めて、一番謎が多いクラウンだ。

クラウン エステート

全長/ホイールベースはクロスオーバーと同サイズ。エステートはオーソドックスなワゴンスタイルで十分な荷室が確保される。SUVに実用性を求めるユーザーには、これがオススメだ。

クラウン スポーツ

全長は4710㎜とクロスオーバーより一回り小さめの設定だが、最もSUVらしいデザインが与えられたスポーツ。パワートレーンもターボハイブリッドを軸に搭載されることが予想される。
メインメーターは4つの表示モードで多彩な情報を直感的に伝えることができる、12.3インチカラーディスプレイを採用。
センタークラスターにスイッチ類を集約。センターシフトはすっきりとしたクリック操作が魅力のエレクトロシフトマチックを採用。
ディスプレイオーディオのモニターは12.3インチのワイドHD液晶。タッチ操作に対応するほか、画面いっぱいのマップ表示も可能だ。
奥行きも十分に確保したトランクスペース。容量は450ℓとトップレベルの広さを持つ。ゴルフバックなら3つを横積みすることが可能だ。
クロスオーバーに採用されるパワートレーンは、標準系が2.5ℓハイブリッド(写真)、RS系が2.4ℓターボハイブリッド。駆動方式は全車ハイブリッド4WDが採用されている。

2.4ℓターボ デュアルブースト ハイブリッド

新開発GA-Kプラットフォーム

プラットフォームはGA-Kを採用するが、eAxleやDRSを組み込むこともあってリヤ側は独自設計となる。走りの質感を含めて既存モデルとは別次元になるのは間違いない。
駆動モーターとインバーターを一体化させることでコンパクト化を実現したeAxleと、後輪側でも左右操舵を行うDRSの採用も大きなトピックス。運動性向上に大きな貢献を果たすのは確実だ。

E-Four Advanced(電気式4WDシステム)

RS系に搭載される2.4ℓターボハイブリッドはTHS Ⅱとはキャラが異なる上級ハイブリッドという位置づけ。システム最高出力は349PSと高いパワースペックも武器としている。

トヨタ チームメイト アドバンスト パーク

車外からスマートフォンを使って車庫入れ操作が可能なアドパンストパークを採用するなど、駐車支援機能の充実も新型クラウンの特徴の一つ。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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