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更新日:2022.09.09 / 掲載日:2022.09.03
トヨタ新型クラウン 内装/外装/新機能/価格 注目点を総まとめ!
夏から秋にかけて続々とニューモデルが投入されるが、やはり気になるのはライバルモデルとの関係だろう。今、注文するべきか? それとももう少し待つべきか? ここでは5台の新型モデルに注目! まずは注目の新型クラウンから見ていこう。
●文:川島茂夫/月刊自家用車編集部
TOYOTA 新型クラウン クロスオーバー
発売予定2022年秋頃


“クラウン”を守るため
4つのモデルを展開
「もはやセダンのみではクラウンのブランド維持は困難、そこで時代に合わせた適応用途や嗜好の異なるモデルを展開した」
クラウンという金看板を生き残らせるためには、もはや待ったなしというところまで来ていたのだろう。今回の4タイプに及ぶモデル展開は、時代と伝統の融合でもあり、カローラで取った戦略とも相通じている。
新生クラウンの皮切りモデルとなった「クロスオーバー」は、SUVとしてはファストバックの4ドアクーペに近い。さらにプラットフォームもFF用のGA-Kベースに変更されている。話題性は抜群だし、従来のクラウンのイメージを拭うには格好だが、これをクラウンの後継モデルとするには少し無理も感じてしまう。
その他の3モデルもボディタイプは異なるが、その狙いは同様。パーソナル&スポーティを前面に出した5ドアHBの「スポーツ」や、キャビン実用性を重視したクラウンクロスとでも言うべき「エステート」、そしてショーファードリブン色が強まった「セダン」は、おのおの程度の違いはあれども、従来のクラウンの路線とは明確に異なるのは間違いない。
ちなみに今回発表された4つのクラウンは、約40の国や地域で販売され、年間の販売台数は20万台を狙うという。トヨタがもくろむ新たな世界戦略を占う意味でも、クロスオーバーがどのように評価されるのか? ここも大きな注目を集めているポイントだ。
セダンとSUVの美点を
併せ持つ、新感覚モデル
クロスオーバーのスタイリングを眺めていくと、ところどころにセダンとは明らかに違うエッセンスを感じることができる。最も分かりやすいのがルーフからリヤエンドへ滑らかに傾斜して流れていくファストバックスタイル。スペシャリティモデルらしい流麗なデザインは、従来のクラウンのイメージとは大きく異なる。ただキャビンの居住性がしっかりと確保されていることはクラウンらしいところで、室内高は1170㎜を確保。さらに乗降性を配慮したシート座面地上高設定や、ゆとりあるドア開口形状を採用するなど、設計面からしても後席乗員の居心地への配慮を感じることができる。ここはクラウンにとっては、絶対に変えることができなかった設計要点の一つなのだろう。
またエクステリアのイメージの変化も特徴のひとつ。大きく口を広げたフロント開口部やグラッディングパネルを配置したアーチモールなど、外装意匠は個性的で車体側面のサイドシルやフロアパネルも標準的な乗用車よりも大きく見える。この大胆なイメージチェンジもSUVとの融合を目論んだものといえる。
インテリアは最近のトヨタ車に共通する中央にディスプレイオーディオを配するレイアウト。パネル処理は巧みで安っぽさは微塵も感じさせないが、往年のクラウン、特にマジェスタ系で感じたような圧倒的なオーラのような風格は感じられない。ユーザーサイドのプレミアムやラグジュアリーに対する考え方の変化もあるのだろうが、少なくとも1990年代に大人気を博したVIPカーのイメージとは完全に異なっているのは間違いない。
安全装備は最新機能を装着
装備水準はトップクラス
FFベースのGA-Kプラットフォームの採用や、ハイブリッド+リヤモーターの4WD車のみの設定など、メカニズム面でも大きな革新が行われた新型クラウン。目玉の全車4WDの採用は、ツインモーターによる動力性能向上と、後輪駆動系を積極的に活用することによる操縦性や乗り心地の向上が目的になるが、悪路踏破性向上という面でも注目すべき価値はある。SUVとして見るならば踏破性は低めだが、轍跨ぎや段差乗り越えレベルでの踏破力は、一般的な乗用車を上回ることが予想できる。オンロード用途プラスαくらいの踏破性を求めるユーザーにとっては、十分すぎる性能を実感できるだろう。
安全運転支援機能に関しては、レーントレーシングアシストやプロアクティブドライビングアシストなどトヨタセーフティセンスの基本機能は全モデル標準で備える。駐車支援のアドバンストパークなども抜かりなくカバーされている。一部の先進機能はOPになるが、トヨタのフラッグシップにふさわしい内容が注がれている。



残りの3つのクラウンは2023年中に発売予定
クラウン セダン

クラウン エステート

クラウン スポーツ











2.4ℓターボ デュアルブースト ハイブリッド


2.4ℓターボハイブリッドは、フロント側はターボエンジン+モーター内蔵のダイレクトシフト6AT、リヤ側は新開発された電子駆動モジュールのeAxleが担当。THS Ⅱに比べるとエンジン駆動力をダイレクトに活用できる構造を持つ。パワー効率が向上するほか、レスポンス性が高まる利点を持つ。
新開発GA-Kプラットフォーム


E-Four Advanced(電気式4WDシステム)

トヨタ チームメイト アドバンスト パーク
