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更新日:2022.10.18 / 掲載日:2022.08.29

新型日産エクストレイル完全解剖!最新の安全・運転支援機能と使い勝手をチェック!

NISSAN 新型エクストレイル完全解剖

【1】コンセプト&プロフィール
【2】ファーストインプレッション
【3】エクステリア
【4】インテリア
【5】シャシー&パワートレーン
【6】装備&ユーティリティ/まとめ
【7】コンプリートカー&アクセサリー
【8】ライバル先取り対決

「タフギア」を合言葉に存在感を示し続ける人気SUV・エクストレイルがフルモデルチェンジ。4代目となる新型には、可変圧縮比のVCターボや電動制御のe-4ORCEなど、国内初搭載の日産独自技術が投入される。早速、最新ミドルSUVの実力を解明していこう。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久

装備&ユーティリティ

高度な走行システムも、使い勝手の良さがあってこそ活きる。新型エクストレイルはそうした部分も着実にアップデートされている。

プロパイロットなどの
機能や装備を最新化

 プロパイロットを核とした予防安全と運転支援は日産車のセールスポイントのひとつであり、当然新型にも最新仕様が採用される。プロパイロットの基本機能は新旧で共通しているが、ラインOPナビ装着ではナビの地図情報と連動してカーブ前減速や制限速度に応じたACC設定車速の自動制御等を行うナビリンク機能が加わる。また、緊急停止支援システムとも連動し、オペレーターに通報するSOSコールも新採用。その他の装備も含めて安全と運転支援の両面が強化された。
 日常用途向けの運転支援システムでは従来モデルではステア操作のみ自動化されていたプロパイロットパーキングがペダル/シフト操作まで自動化。状況による制限はあるが駐車位置と方向の設定だけで自動駐車が可能となった。
 車載IT関連は日産コネクト対応だが、ナビのルート検索支援やSNSとのリンク、駐車位置の確認や遠隔ドアロックなどの基本機能を踏襲。また、スマホと連携した情報機能も使用可能。アレクサ(アマゾン)と連携して車内からネットを経由してエアコン等の家電のコントロールができるのも売り物のひとつである。
 プレミアム装備としてはボーズプレミアムサウンドシステムを新規採用。オーディオにこだわるユーザーには福音だが、G系のみのOP設定に限定されるのが泣き所だ。
 利便装備関連では車格的に設定必須アイテムでもあるパワーシートやパワーテールゲートは従来型から採用していたが、パワーシートに新たに運転席ポジションメモリー機能が追加された。最上級のG系はドアミラーの自動連動タイプを標準装備。X系はシートポジションのみの標準型がOP設定されている。
 また、アウトドア趣味のユーザーには100V交流電源の車外供給も新型のメリットのひとつ。荷室内に設置され最大出力1500W、つまり100V家電なら15Aまで使用可能。緊急時の発電機代わりとしても十分に役立つ。標準装備はG系のみだが、S/X系にもOP設定。
 なお、多くのOPがセットOP設定となる点には注意が必要だ。グレードと選択装備によっては予想外に高額OPとなる可能性もあり、ならば最上級グレードが買い得という場合も。ただ、安全性や運転支援の要点となるプロパイロットは、ベーシックのSでは装備できないものの、他グレードは標準装備となっている点は見逃せないところ。自分が必要とするオプションを考慮しながら、グレードの選定を行っていくといいだろう。

プロパイロット(ナビリンク機能付き)

■12.3インチフルTFTメーター

■12.3インチナビゲーション

ディスプレイはモノリス(一枚岩)タイプ。コネクト機能に対応しており、Googleのアレクサに繋げることも可能だ。

■ヘッドアップディスプレイ

10.8インチの大型カラーヘッドアップディスプレイ(HUD)は、瞬時に把握しやすい立体的な表示デザインを採用している。

■その他

Gのエアコンは後席の温度を独立して制御できる3ゾーンタイプ。リヤドアシェードも設定する。

新旧比較

従来モデル

一部の先進的な機能を除けば
従来型でも標準レベルにある
 従来型はACCやLKAが一般化する以前、プロパイロットもない時代に誕生。登場時の仕様のままなら新型とは大差がつくが、MCでの改良により安全&運転支援機能をアップデート。制御精度や補正機能等で新型に及ばないまでも、登場から9年経った今でも現在の平均レベルの機能を有しているのは立派。
 利便快適装備についても目立って遅れた印象はない。プレミアム性を求めれば不足を感じる部分も多々あるのだが、新型も高級を売り物にするタイプではなく、実用SUVらしい手堅い装備構成のため、多少のアップデートといった感じ。従来型で不満がなければ買い換えを焦るような装備差はない。

主要諸元&装備/カラーバリエーション

まとめ

先行試乗およびパートごとの解説、新旧比較で見えてきた新型エクストレイルの全体像。国内市場におけるその立ち位置とは。

実力向上は価格差以上!
コスパの優秀さも見所だ

 従来型のハイブリッドXi・4WDの価格は約363万円。新型のX e-4ORCEが約380万円。ともにプロパイロット標準装着である。パワートレーンの内容や実際の走行性能からすれば、約17万円の価格増で済む新型は圧倒的に買い得と言っていい。もっとも、全グレードを通して新型が買い得という意味ではない。約30万円安のSはプロパイロットが装備できず、X系とG系の価格差は約80万円。X系は競合車との価格競争力や従来のエクストレイルユーザーの代替を考慮した戦略的値付けと考えたほうがよさそうだ。
 ただし、X系以外が割高とも思わない。ミドルSUVの質と余裕をリードする走り。燃費性能もトップクラス。走行性能のアドバンテージだけでも投資価値を見出すに十分であり、それに見合ったプレミアム性を求めるならG系の装備と価格も納得できる。
 ガソリン車の廃止により価格のハードルが高くなったのはキャビン機能優先のユーザーには厳しいかもしれないが、従来ガソリン車からの乗換ユーザーこそ走りの進化を強く理解できるはず。パワートレーンに関わるメリットや快適性の向上は価格差以上。コスパで量っても大いに魅力的だ。

おすすめグレード

X e-4ORCE ●379万9400円(2列)〜393万300円(3列)

 快適装備の充実を求めるならX系をベースにOPを活用するよりG系を選んだ方がいいが、実用機能ベースのレジャー派にはX系が装備の無駄は少ない。駆動方式は4WD。FFとの価格差は約30万円だが、性能とハードウェア内容からすればかなり買い得な値付けだ。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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