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更新日:2024.02.26 / 掲載日:2021.10.04
アウディRSモデル|語り継がれる名車の系譜 vol.10|

文●ユニット・コンパス 写真●アウディ
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年9月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年11月号の内容です)
アウディの市販車モデルにおけるフラッグシップに位置するRSモデル。その存在は、「技術における先進」というアウディの社是を体現している。
あらゆるシーンで性能を発揮するアウディの頂
洗練された姿に隠された先進的なテクノロジー
ストーリーはひとりの天才がアウディに移籍したときから始まった。エンジニアであり、後に経営者としてVWグループ全体のトップに君臨したフェルディナント・ピエヒ(1937年~2019年)である。
ピエヒは、それまで悪路での走破性を高めるためだった4WDを、ハイパワーをあまねく路面に伝えるための技術として発展させた「クワトロ」を生み出すと、その実証としてWRCに参戦することを計画する。WRCに参加するためにはベースモデルを規定台数市販する必要がある。そこで子会社クワトロGmbHを設立し、「スポーツクワトロ」(1983年)を発表。その結果がラリーの歴史を変えたのはご存じのとおりだ。
次にクワトロGmbHが手がけたのは、意外にもステーションワゴンだった。当時経営難だったポルシェを救うためのプロジェクトで、ポルシェがアウディ80のチューニングと一部の製造を手がけることで、その販売利益を折半したのだ。こうして生み出されたコラボレーションモデルの「RS2」(1993年)は、制限速度のないアウトバーンで天候や路面状況を問わず圧倒的な速さを発揮し、高性能車好きの心を射止めることになる。
控え目でありながら高性能であることを隠さないルックス、実用性と高性能を高次元で両立させるというRSモデルのコンセプトは、初代RSモデルともいえる「RS2」の時点ですでに完成していたのだ。
アウディRSモデルはこんなクルマ





[アウディRSモデルが名車になった理由]モータースポーツ由来のパフォーマンスを市販車に
クワトロを世に送り出した天才エンジニア

RSの存在に大きな影響を与えたのが、稀代の自動車人であったフェルディナント・ピエヒ氏。技術による自動車の進化を信じた氏は、RSシリーズの開発と生産を担当するアウディスポーツGmbHの設立にも大きく影響した。
RSシリーズの祖先はWRCを変えた歴史的な名車

悪路走破のためではない4WDの元祖であったアウディクワトロ(1980年)。それをベースにWRCに出場するためのホモロゲーションモデルとして開発されたのがスポーツクワトロ。WRCの有様を一変させた歴史的な名車だ。
ポルシェによって高性能化されたスーパーワゴン

現在のRSシリーズの直接的なスタートを切ったのが、このRS2(1993年)。現在でいうところのA4にあたる80シリーズの高性能モデルで、その開発と製造にはポルシェが貢献している。この限定車の成功がRSを加速させた。
アウディ市販車の頂点として歴代モデルに存在

RS2から始まったRSモデルの歴史は、ベースモデルの進化とともに受け継がれている。最新のA4アバントをベースとしたRS4は、2.9Lのエンジンから450馬力ものハイパワーを出力。日常から非日常までをカバーする力を持つ。
ハイパワー+4WDそして正確無比なハンドリング

RSシリーズのメカニズム的特徴は、初代RS2から不変。エンジンのパフォーマンスアップとそれを路面に伝えるための高度な4WDシステム、そして優れたハンドリングと乗り心地を両立するサスペンションのセッティングだ。
ユーザーの多様なライフスタイルに対応する商品構成

当初はA4、A6とベースモデルが限られていたRSモデルだが、現在ではそのラインナップを拡大。定番のステーションワゴンに加えて、セダンやSUVにも用意されている。ライフスタイルや好みに合わせて選べるのも魅力だ。
いま買いの中古車たち
アウディ RS3(先代)

ハッチバックでありながら、367馬力という圧倒的なハイパフォーマンスを与えられているのがRS3。当然4WDで、あらゆる路面状況で安定した走りを提供。洗練されたルックスもRSモデルならではの魅力だ。
中古車参考価格帯:385万円〜800万円(15年〜21年 RS3全グレード)
アウディ RSQ3(先代)

SUVとして初めてRSファミリーに加わったのがこちらのRSQ3。伝統の5気筒エンジンをチューニングして搭載し、その走りはまるでホットハッチのごとき鮮烈なもの。写真はマイナーチェンジ後のモデル。
中古車参考価格帯:280万円〜440万円(14年〜16年 RSQ3全グレード)
アウディ RS4(先代)

先代RS4の大きな魅力が自然吸気の4.2LV8エンジン。450馬力という十分以上のパワーを自然吸気ならではのフィーリングで味わえるのは中古車ならでは。安価ではないが、それを超える価値がある。
中古車参考価格帯:370万円〜470万円(13年〜18年 RS4アバント全グレード)
アウディ RS6(先代)

本国ドイツでは当時最強ともいえるパフォーマンスを誇ったのが、こちらのRS6。4LV8ツインターボが生み出すのは560馬力。トルクベクタリングなど旋回性能を引き上げる仕組みによりコーナリングも俊敏。
中古車参考価格帯:570万円〜850万円(13年〜16年 RS6全グレード)