輸入車
更新日:2024.02.26 / 掲載日:2021.02.04

ポルシェ 911|語り継がれる名車の系譜 vol.2|

文●ユニット・コンパス 写真●フォルクスワーゲン
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年1月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年3月号の内容です)


人気モデルという枠に収まらず、ポルシェというブランドそのもののアイコンにまで成長した911。稀代のスポーツカーが名車となった理由に迫る。

50年以上磨き続けた唯一無二の個性

 50年以上にわたり、世界の一線を守り続けている稀有なスポーツカー。それがポルシェ911だ。
 356に続く2作目の市販モデルとなった911は、リアにエンジンを搭載するGTカーとして企画され、1963年にデビュー。重量物であるエンジンをリアに搭載することで、室内空間を広く確保しながらも、優れた加減速性能とハンドリングを両立させるのが設計上のねらいだった。
 そのもくろみどおり911はライバルを寄せ付けない目覚ましい性能を発揮し、当時まだ小さな企業に過ぎなかったポルシェの名前を世界的なものにした。一方で、その独創的なメカニカルレイアウトは、高速での不安定さや限界領域でのトリッキーな動きとして911につきまとうことになる。それが911のフォロアーが生き残れなかった理由だ。
 ではどうして911が名車となり現在まで存在し続けることができたのか。それは、ポルシェ911が抱える根源的な物理的資質を、エンジニアリングでカバーするという“戦い”を諦めず、それをユーザーたちも求め続けたからに相違ない。
 それは911のデザインにも当てはまる。古典的なスポーツカー的美意識で見れば、911は決して美しいフォルムのクルマではない。しかしポルシェと911愛好家はその個性を手放さず、徹底して磨き上げてきたことで、911は名車となった。それは、信じる道を貫きとおすことで切り開かれた未踏の道なのだ。

ポルシェ 911はこんなクルマ

 従来ではターボ車に採用されていたワイドボディを標準モデルにまで拡大。フェンダーは前後共に40mm以上ワイドとなり、当然前後トレッドも拡大され、パフォーマンスが引き上げられている。

  • 新型ではウェット路面での安定性がさらに向上。ハイパフォーマンスをどんな天候でも安心して扱えるようになった。

  • 2019年のフルモデルチェンジから順調にボディバリエーションを増やしており、カブリオレやターボもラインアップ。

  • 歴代911のデザインを受け継ぎながらもデジタル技術を積極的に投入してアップデート。

[911が名車になった理由]サーキットから路上まで舞台を選ばない高性能

  • 初代モデルから受け継がれる不変のデザイン

     911の大きな魅力がデザイン。クルマに詳しくない人でも、911とポルシェの名前が出てくるのは、初代から変わらないデザインのおかげ。時代に合わせて変化を遂げつつも、核となるDNAが受け継がれている。

  • 走行性能と室内の広さを両立させるリアエンジン方式

     デザインと同じように、初代モデルから連綿と受け継がれているのがエンジンをリアに搭載するレイアウト。そのメリットは、後輪へのトラクション増加と室内空間の両立にある。これが、911をデイリースポーツカーにした。

  • 定期的に投入される特別モデル

     911は、そのモデルライフにおいてスペシャルモデルを数多く生み出してきており、その存在も熱狂的なファンを産むことに繋がっている。例えば写真のGT3は、スポーツ性能を高めた仕様で中古車も高額で取り引きされる。

  • 圧倒的な高性能で911の名を高めた「ターボ」の存在

     911に強いカリスマを与えたのが「911ターボ」の存在。70年代、それまでレーシングカーにしか搭載されていなかったターボ技術を市販スポーツカーに投入した。いまではポルシェにおける高性能モデルのアイコンとなった。

  • ファッショナブルなオープンモデルを2タイプも用意

     高性能スポーツカーとしてのイメージが強い911だが、オープンモデルも積極的に展開している。さらに、一般的なオープンモデルである「カブリオレ」のほか、車両後方に屋根の一部が残る「タルガ」も用意されている。

  • 高性能であり同時に実用性と快適性も確保

     スポーツカーには、一般的には運転が難しくて快適性が低いというイメージがあるが、911はモデルチェンジを重ねるごとに快適性を高めている。また、プラス2の後席を含め、毎日の足として使える使い勝手のよさも人気。

いま買いの中古車たち

ポルシェ 911(タイプ930)

 シリーズ2代目となるタイプ930は、日常使いができるクラシックカーとしてその人気が高まっている。
中古車参考価格帯:700万円~2300万円(74年~89年 911・タイプ930)

ポルシェ 911(タイプ964)

 クラシックさと実用性のバランスがよく、911愛好家にもファンの多い世代。中古車相場は高値安定。
中古車参考価格帯:800万円~2800万円(89年~93年 911・タイプ964)

ポルシェ 911(タイプ993)

 空冷エンジンを搭載する最後の世代。中古車価格も低価格帯が少なくなり、今後プレミア化が予想される。
中古車参考価格帯:600万円~1800万円(93年~98年 911・タイプ993)

ポルシェ 911(タイプ996)

 中古車価格も安定していて購入しやすいのがタイプ996。水冷化により維持もしやすくなっている。
中古車参考価格帯:200万円~1000万円(97年~02年 911・タイプ996)

ポルシェ 911(タイプ997)

 タイプ996のメカを洗練させる形で進化したタイプ997。復活した丸目デザインも人気でヒットとなった。
中古車参考価格帯:360万円~1700万円(04年~11年 911・タイプ997)

ポルシェ 911(タイプ991)

 ディメンションを見直し、さらなる高性能化をはかった先代。標準モデルのターボ化も話題となった。
中古車参考価格帯:700万円~2300万円(11年~19年 911・タイプ991)

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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