新型車情報
更新日:2020.03.25 / 掲載日:2020.03.25
HONDA 新型フィット 設計&買い方指南
パワートレーン

発電用と走行用の2のモーターを備えるe:HEV。従来のi-MMDと同タイプのシステムだが、システムの小型化が図られたことでコンパクトクラスにも搭載することが可能になった。
ビスカスカップリング4WD

ガソリン車/ハイブリッド車とも4WDは後輪への伝達トルクのコントロール性に優れたビスカスカップリング式を採用。ホンダ車としては初の組み合わせになる。
e:HEV(2モーターハイブリッドシステム)
発電用と走行用の2つのモーターを備えるe:HEV。従来のi-MMDと同システムだが、システムの小型化が図られたことでコンパクトクラスにも搭載することが可能になった。
2つのモーターはCVT内に内蔵される。モーターは新開発された小型高性能タイプで、2.4LNA車クラスの大トルクを発揮。
2つのモーターをコントロールするパワーコントロールユニットも新設計。小型化されたことで従来の荷室床下からエンジンルームに移設されている。
リチウムイオンバッテリーと制御用ECUが一体化したインテリジェントパワーユニットは小型化に加え、大幅な高出力化も達成。動力性能向上に大きな貢献を果たしてくれる。
1.3L i-VTECエンジン

ガソリン車は従来型でも採用されていた1.3L直4のi-VTECエンジンを引き続き採用。新開発CVTとの組み合わせで心地よい走りを実現する。
ボディ&シャシー
リヤサスはトーションビーム式を踏襲するが、ロッドからの入力を同軸1点式からブラケットを介する2点式に変更することで、操安性と乗り心地を高めている。
フロントのマクファーソン・ストラットサスペンションは、ブッシュ類やダンパー形状に改良を加えることで、振動の原因となるフリクションを半減させている。
強度の高い980MPa以上ハイテン材の適用比率を従来型の10%から18%に拡大。必要強度を確保しながらも薄板化と軽量化を達成している。
前後のダンパーマウントを強化することで、サスペンションダンパーの取り付け点の剛性を向上。ボディ側にも改良を加えることでフットワークの強化を実現している。
居心地の良さを高める 様々な改良が施されている
新型フィットの設計で最も目を引くのは車体骨格とハイブリッドシステムである。特に車体骨格は従来とはかなり考え方が違う。
まずフロントピラーは衝突時等の応力を受けない。つまり構造材としての柱ではなく、後方のフロントドア直前にあるピラーが基本骨格としてのフロントピラーとなる。構造的にはフロントウインドウとフロントクォーターウインドウは出窓のようなもので、これにより前方視界を向上させた。
言葉にすれば視界拡大で終わってしまうが、乗り込んだ瞬間に他車と違う、と思わせるだけの視角的な差異があり、2BOX型ともハイト型とも異なる、新型フィット独自の居心地を生み出している。シャシー周りも乗り心地の改善を目的として、サスペンション保持部の強化やサスの低フリクション化などの改良も加えられている。
ハイブリッドシステムは、上級モデルに採用されていたi-MMDの発展系となるe:HEVを採用。基本構成はi-MMDと同じだが、軽量小型車向けに全面新設計している。従来型のi-DCDよりも電動のメリットを活かしやすいシステムであり、これを利用して内燃機のドライブフィールと電動の俊敏性を巧みにまとめている点はホンダらしい試みだ。
新しい時代を感じさせるもうひとつのポイントは、車載ITシステムの「ホンダ トータルケア プレミアム」の展開だ。月額550円で手動発信とエアバッグと連動した自動発信が可能なSOSコールや、トラブルサポート、エアコン操作やドアロック等のリモート操作機能を備え、さらにOP契約として警備会社のALSOKの駆けつけサービスも用意する。
安心のもうひとつの要となるホンダセンシングは、検知システムを従来の単眼カメラ+レーダーから、広角カメラ+ソナーに変更。隣車線の状況認識の範囲を拡大して、危険回避能力の向上が図られた。停止保持可能な全車速型ACCや走行ライン制御型LKA、歩行者や自転車にも対応する衝突軽減などの従来機能に加えて、低速時の障害物衝突軽減と誤発進抑制を後進時にも対応させている。
実用機能や装備に大きな進化はみられないが、初代フィットからのセールスポイントである座面チップアップ機構などの多様な後席アレンジはしっかりと継承。また、前後席とも設計変更を行い座り心地を向上させている。特に前席はバックレストと座面に格子状の支持盤を用いることで、上級モデル相当の快適性を手に入れた。居心地のよいキャビン空間も、新型フィットが目指すこだわりのひとつだ。
キャビン

広々としたキャビンに加え、小物収納も強化。収納部分を増やしただけではなく、乗員の視線・動線を考慮した使いやすい位置にレイアウトしている。
センターコンソールと一体化したフレシキブルアタッチメントテーブル。グレードによって意匠や仕様が異なる。写真はHOMEの例。
アタッチメントレール部にはディーラーOPとして用意される多様な収納アイテムを装着することが可能。乗員が求めるニーズに合わせて、便利に使い分けすることができる。
マルチコンソール
コンソール ティッシュボックストレイ
コンソール トラッシュボックス
アームレスト付 センターコンソール ボックス
ホンダセンシング

従来型では前方車両との距離測定はミリ波レーダーで行っていたが、新型はカメラが担当。他車の進路変更や割り込みなどをいち早く検知できるようになった。
●検知範囲イメージ図

車両/歩行者対応のセンシングカメラは、高速画像処理チップにより認識性能が向上したほか、画角も広がった新開発のワイドビューカメラに進化。

前後バンパーにはそれぞれ4つのソナーセンサーを搭載。音波の反響を利用するため、ガラスや外壁などの非金属物にも高い精度を持つ。
ホンダコネクト (ホンダ トータルケア プレミアム)
リモート操作アプリをダウンロードすれば、エアコンのオン/オフやドアロックの操作をスマホで行うことが可能。
緊急サポートセンターへの連絡は、エアバック展開時にオペレーターに自動通報されるほか、フロントウインドウ上の緊急スイッチでも連絡することが可能。
買いのグレードはズバリ! 新型フィット 買い方指南

●新型eKクロス スペース/eK スペース グレード別 主要装備
趣味趣向の異なる5モデルは いずれも実用系装備は充実している
実車を見れば新型の狙いは直感的に理解できるのだが、言葉にしにくい居心地のよさや爽快感も楽しめる“新感覚のベーシックカー”が、新型フィットが目指した狙いである。
実際に新型フィットに触れてみると、キャラや内外装の意匠の違いはあるものの、どのグレードからも快適なキャビン空間や素直な運転感覚といった、実用車らしい素性の良さが伝わってくる。あえてグレード展開を装備の違いではなく、ユーザーの嗜好で選べるようにしたのは、より多くのユーザーにフィットを見て欲しいということだろう。
価格に関しても、グレードごとの設定はe : HEVベーシックを基準にするとホームが約7万円、ネスが約23万円、クロスターが約29万円、リュクスが約33万円と、キャラの違いで選び分けるにも抵抗がない。ベーシックはシンプルすぎる感もあるが、ホンダセンシングを筆頭に実用装備の装着水準はクラス平均を超えている。どれを選んでも価格に見合った満足感を手に入れることができるだろう。
オススメ グレードは? CROSSTAR
オススメ グレードは? CROSSTAR
居心地の良さはどのグレードでも楽しめるが、上級志向とレジャー趣向を上手にまとめているクロスターは、所有欲も満たしてくれるグレードだろう。パワートレーンは価格は上がるが、より余裕あるe:HEV車を選びたい。
新型フィット インテリアバリエーション
ソフトグレー
ブラック
ソフトグレー (コンビシート)
ブラック (コンビシート)
ブラック×ライムグリーン(撥水ファブリックシート)
ブラック×グレー (撥水ファブリックシート)
ブラウン(本革シート)※
ブラック(本革シート)※
※:フロントシートの一部およびリアシートに合成皮革やファブリックを使用
新型フィット ボディカラーバリエーション
★は有料色。
プレミアムサンライト ホワイト・パール★
プレミアムクリスタル レッド・メタリック★
プラチナホワイト・パール★
ルナシルバー・メタリック
シャイニンググレー・ メタリック
エアーライトブルー・ メタリック
ミッドナイトブルー ビーム・メタリック★
クリスタルブラック ・パール
プレミアムグラマラス ブロンズ・パール★
サーフブルー
プレミアムサンライト ホワイト・パール&ブラック★
プレミアムクリスタルレッド・メタリック&ブラック★
プラチナホワイト・パール&ブラック★
ルナシルバー・メタリック&ブラック★
シャイニンググレー・ メタリック&ブラック★
エアーライトブルー・ メタリック&ブラック★
ミッドナイトブルービーム・ メタリック&シルバー★
クリスタルブラック・ パール&シルバー★
プレミアムグラマラス ブロンズ・パール&シルバー★
プレミアムサンライトホワイト・パール&ライムグリーン★
プラチナホワイト・パール&ライムグリーン★
ルナシルバー・メタリック&ライムグリーン★
シャイニンググレー・ メタリック&ライムグリーン★
クリスタルブラック・ パール&ライムグリーン★
サーフブルー&ブラック★
