新型車情報
更新日:2020.01.29 / 掲載日:2020.01.29

TOYOTA GRヤリス プロトタイプモデル試乗

2020年1月 東京オートサロン2020で正式発表

普通のヤリスとは完全に別物 本物のスポーツ4WDが誕生

2012年に86、2019年にスープラと、スポーツモデルを復活させたトヨタだが、その第3弾となるのが、20年ぶりに復活するスポーツ4WDだ。

このGRヤリスは「次期WRC用モデル」である事に加えて「誰でも買えるスポーツカー」「素のままでモータースポーツに参戦可能」と言うトヨタのスポーツ戦略を担うモデルとして作られた。今回、2020年1月の東京オートサロンでのワールドプレミアムに先駆け、ひと足お先にプロトタイプに試乗することができた。

まず、ヤリスのスポーツコンバージョンモデルと勘違いしている人もいるかもしれないが、それは半分正解で半分間違いだ。ベースとなるヤリスの素性の良さを活かしつつ、スポーツ4WDに必要なアイテムをドッキング。モータースポーツ活動で得た知見と経験から学ぶと言う、これまでのクルマの開発とは異なる手法で、GRヤリスは作られているのだ。

エクステリアはベースのヤリスには存在しない3ドアボディ仕様。それも単純にドアの枚数を減らしているのではなく、ボディライン自体が異なる。これは空力を考慮した機能だと言う。ボディは軽量化のためにこのクラスでは珍しいカーボン(ルーフ)、アルミニウム(ボンネット/ドア)のマルチマテリアルが採用されている。

インテリアは基本的にはヤリスだが、専用のステアリングやメーター、スポーツシートなどを採用し差別化。シフトレバーそばには前後駆動力配分を変更可能なドライブモードスイッチがプラスされている。また、オーディオシステムや運転支援デバイスも用意されるなど、単なる「スポーツ一辺倒」の割り切りではない、充実装備も嬉しいポイントだ。

エンジン&4WDは GRヤリス専用ユニット

パワートレーンはGRヤリスのために開発された1.6L直噴ターボエンジンと6速MTの組み合わせ。スペックはまだ未公表だが、開発者によると「これもWRCからのフィードバックにより、出力やレスポンス、軽量化にこだわった」という。4WDシステムはシンプルかつ軽量なハイレスポンスカップリングを使用。前後駆動配分はアクティブで100:0~0:100まで可変可能だ。シャシーはGA-Bをベースにリヤセクションを専用開発。リヤサスペンションはマルチリンク式で、ブレーキは対向ブレーキ+大径ディスク、そしてタイヤは225/40R18サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4S+鍛造アルミホイールの組み合わせだ。

今回の試乗コースはターマック(舗装)とグラベル(砂利)の2か所。ただグラベルで試乗したモデルは、中身はGRヤリスだが現在開発中のパーツ(強化クラッチ、クロスミッション、サスペンション)がプラスされたモデルで、ボディはヴィッツというテスト車両だ。

卓越したコントロール性能 市販時の価格も期待できそう

どちらもごく短時間の走行だったが、どちらのステージでも「軽さは正義」や「4WDを感じさせない素直なハンドリング特性」、「ドライバーの操作次第でアンダーもオーバーも可能な自在性」が印象的で、さらにクルマに制御されているのではなく、自分がクルマをコントロールしている感覚が強い。ターマックでは基本性能の限界の高さに感心しながらも、グラベルでは振り回しても自分の手足の如く操れる繊細なコントロール性の高さを実感。いつまでもドライバーズシートに座っていたいと思ったほどだ。

今回の試乗は、GRヤリスの性能の一部を味見した程度だったが、WRX STIともランエボとの違う、令和の時代にふさわしいスポーツ4WDに仕上がっている。

ちなみに気になる価格も頑張れば手に入るプライスに収められていると言うことなので、来年、正式発表された暁には、かなりの人気を集めそうだ。

GRヤリス プロトタイプモデル 試乗

文:山本シンヤ 写真:澤田 和久

かねてからGRヤリスを開発していることはアナウンスされていたが、2020年1月の正式発表を前に限りなく市販モデルに近いプロトタイプモデルを試乗する機会が訪れた。その刺激的な走りはズバリ想像以上。ホットハッチを求めるファンを唸らす存在になりそうだ。砂利のグラベルコースに用意されていたのはGRヤリスの開発車両。ボディはヴィッツだが、中身はGRヤリス+開発中のパーツが組み込まれており、GRヤリスの実力を図るには持ってこい。トラクションがかかりにくい路面状況にも関わらず、4輪にしっかり駆動力が伝わっていることを確認することができた。

パワートレーンは1.6L直3ターボ+6速MT。これに新開発のフルタイム4WDが組み合わされる。今回の試乗の際はスペックは未公表だったが、アクセルを踏み込んだ際の軽い吹き上がりからして、相当な潜在力を秘めているのは間違いなさそう。

ガズーレーシングチームが開発を主導した本格的なスポーツ4WDモデル。速さにこだわったセッティングも大きな見所で、既存のヤリスとは一線を画する性能を持つ。特にコントロール性の良さは別格。意のままという言葉がぴったりだ。

  • 試乗車は艤装されているため分かりにくいが、フロント/リヤに専用エアロなどが追加されていた。シャシー関連は、GA-Bプラットフォームを採用している点はノーマルのヤリスと同じだが、ボディ各部の補強に加え、ルーフはCFRP素材、ドアとボンネットはアルミ素材が用いられるなど、軽量高剛性化が図られている。

空力を意識した工夫が随所に施されることも、ラリーレース直系モデルであることの証。ノーマルのヤリスに比べると価格はそれなりに高くなるだろうが、注がれているメカニズム&装備を考えれば、十分アリと思えるはず。

前席は大型サイドサポート付きのスポーツシート。アルカンタラ系素材が用いられるなど、高級感も抜かりなく追求されていた。後席は3ドア車がベースだけにノーマルのヤリスに比べると手狭感を感じてしまう。

  • プロトモデルだがインパネ周りにはディスプレイオーディオや意匠パネルが装着されているなど、市販モデルに近い状態だった。

トランスミッションは6速MT仕様のみ。シフト上にはドライブモードセレクターが配置されていた。ドライブモードは4WD前後駆動力配分のベースが異なり、スポーツモードが30:70、ノーマルモードが60:40、トラックモードが50:50の3つのモードを選ぶことができる。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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