新型車情報
更新日:2019.12.27 / 掲載日:2019.12.27
VOLVO S60 フルモデルチェンジ

余裕を持って操れ、高性能だが快適 「セダンの本質」が感じられる
●発売日:11月5日
●価格:489万-779万円
●輸入元:ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先:0120-922-662
プレミアムなミッドサイズスポーティセダン、S60がフルモデルチェンジ。最新ボルボ流のデザインに生まれ変わったが、その中身や走りはどう進化しているのか。
主要諸元(T5 インスクリプション)●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm●ホイールベース:2870mm●車両重量:1660kg●駆動方式:前輪駆動●パワートレーン:1968cc 直4DOHCターボ(254PS/35.7kg・m)●トランスミッション:8AT●JC08モード燃費:12.9km/L●最小回転半径(m):5.7●タイヤサイズ:235/45R18
フロントはトール神が持つハンマーをモチーフとしたヘッドライト、リヤはCの字が向かい合ったようなテールライトを採用し、シャープさと美しさを強調。
インテリアも、より洗練された「スカンジナビアンデザイン」に。ナビなどの操作系には独自のインフォテインメントシステム、「センサス」を搭載している。
ボルボのセダンモデルの中で、初めてチルトアップ機構付きパノラマサンルーフを採用。こちらはメーカーオプション。
居心地がよく快適に過ごせる室内。フロントシートは90シリーズと同等の機能を持たせ、インスクリプションならマッサージ機能やベンチレーション機能が標準装備。
T4と試乗したT5はガソリンモデル。T6と限定車のT8が、スーパーチャージャーとターボチャージャーを組み合わせたプラグインハイブリッドとなる。
T4が17インチ、T5以上は18インチのアルミホイールが標準。
後席は6:4の分割可倒式でトランクスルー機構付きだ。
プレミアムセダン派には 見逃せない存在だ
いきなり価格の話というのも無粋だが、試乗したT5インスクリプションは614万円。254PSの2Lターボに上級仕様の内装と装備を備える。190PS仕様のT4モメンタムなら489万円。クラウンの2Lターボ車とラップする価格設定である。国産上級プレミアムセダンを考えているなら見逃せない存在である。
S60はカテゴリーコンセプトに真正面から向き合ったクルマを開発するボルボ車らしいモデルである。スポーティやダイナミズムは見所のひとつだが、本質的な魅力は寛ぎをもたらすフォーマルな雰囲気や快適性にある。
高速や山岳路での健脚はボルボ車に共通するが、ストロークを使った粘り越しの安心感は俗っぽいスポーツ感覚とは異なる。加減速も操縦性も神経質な反応はなく、精神的な余裕を持って操れる。要するに高性能がそのまま安心感に繋がっている。快適性優先の乗り味とも言い難いのだが、唐突な動きや揺り返し等の不安感を煽る挙動を抑えた走りは同乗者にも好ましいものである。
外観同様にキャビンも高性能や機能感の演出抑えた居心地重視のデザイン。後席はたっぷりとした座り心地で最近のセダンでは見晴らしもいい。インパネ周りは多重操作盤ともなる大型液晶パネルなど今風の趣だが、一見するとちょっと地味な印象。しかし、それこそが長い時間を過ごすための程よい按配であり、言葉を換えれば品よくまとまっている。身を委ねられるような安心感や居心地にセダンの本質を実感してしまう。