車とお金
更新日:2018.11.22 / 掲載日:2016.06.03
予算で考える中古車購入ランクアップ計画

中古車を選ぶときに、だれもが真っ先に気にする価格。でも、ちょっとだけ予算にプラスすることで、選択肢がグーンと広がるのも中古車の面白さ。夏のボーナスの使いどころは、ずばりここです!
たとえば憧れの現行型アルファードだって夢じゃない!

「予算」、それは中古車選びを決定づける最大の要因。中古車市場には相場というものがあり、「このモデルのこの年式なら、中古車価格はこのくらい」というのがだいたいにおいて決まっているからだ。
では、自分のライフスタイルに合うクルマを予算に収まる範囲から選べばそれでおしまいかというと、それほど単純なものでもない。なぜならば、中古車は新車と違って1台1台コンディションが違うし、同じモデルでもボディカラーやグレード、装着されているオプションによっても微妙に販売価格には差が出てくる。また、販売店の形態やサービス内容によっても価格差は生まれるので、結局は数多くの物件をチェックして、自分に合ったクルマを探すという手間暇が必要になってくる。
そして、今回さらに提案したいのが、“脱定番”とも言える購入ターゲットのランクアップ計画。
クルマの性能や信頼性が高まるにつれて、徐々に1台を長く乗る傾向が高まっている現在、買い方もそれにあわせて微調整したほうが、結果的に満足できるという指南でもある。
たとえばミニバンの王様として人気のアルファード。これも、一般的な常識で考えれば先代モデルのなかから中古車を探すだろう。しかし、中古車市場をくまなくチェックしていくと、なんと現行型のアルファードも先代モデルと近い価格で購入することができることがわかる。価格にすれば20万から30万円の差で、現行型が手に入るのだとしたら・・・ランクアップの意義は大いにある。
今回は、満足度を大きく高めるさまざまなランクアップを一挙紹介!
トヨタ アルファードG(8人乗り)

大型ミニバンの王様として君臨しているアルファード。先代モデルとなったいまでも人気は高く、強気の価格をつけている。今後、物件が増えると徐々に安くなると予想される。

プラットフォームを全面的に一新したことで、室内空間についてもさらに広く、快適になった。シートスライドを活用することで、2列目に広大な空間を作れるようになった。
2015年トヨタ アルファード2.5G(CVT)
全長×全幅×全高 | 4915×1850×1880mm |
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車両重量 | 1950kg |
エンジン | 直4DOHC |
最高出力 | 182ps/6000rpm |
最大トルク | 24.0kg m/4100rpm |
排気量 | 2493cc |
サスペンション前/後 | ストラット/ダブルウィッシュボーン |

中古車参考価格帯:300万~610万円 15年~16年※全グレード
どうすれば現行型のアルファードが買える?
もちろん、中古車購入はマジックではないので、新車価格が400万円を超える3.5Lモデルは残念ながら範囲外。現在、先代アルファードの2.4Lモデルの2年落ちで350万円程度が相場。もちろん装備の内容に差はあるものの、十分に同じ予算で現行モデルがねらえる。しかし、現行型は球数が少ないため、判断はお早めに!
新車価格が300万円台の2.5Sがターゲット! 手放す際の高額査定を計算に入れた予算組みを!
リヤサスペンションを従来のトレーリングアームからマルチリンクへと変更した新型。そのメリットは乗り心地の快適さとして十分に体感できる。たとえば静粛性も新型では大幅に向上している。
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常識にとらわれず物件をチェック!

新しい発見や進歩を阻害するのが、常識に縛られた思い込み。「現行型のアルファードなんて買えるはずない」という思い込みがあると、存在する物件にも気がつけないだろう。モデルやグレード、年式にとらわれず、とにかく市場に出まわる物件をチェックすることで、感覚を養おう!
いま、もっとも満足度が高いのは予算200万円台のプチハイクラス
200万円台の中古車に求められるのは、単なるコストパフォーマンスを超えた満足感。
「いいクルマを手に入れた!」という実感が得られることこそ、買い替えの醍醐味と言えるだろう。
ユーザー心理で作られた「200万円の壁」
中古車の価格は、それを購入するユーザーたちの目に見えない心理によって大きく左右されている。たとえば、「200万円」という数字は、中古車業界においてはひとつの壁と言えるほどの意味を持っている。
その理由は、200万円以上のお金を中古車に使うことに抵抗感を覚えるユーザーが多いから。「100万円台後半」のクルマと「200万円台前半」のクルマには、じつはそれほど価格差はないのだが、200万円を切ると、なぜだかお買い得に見えてしまうのがひとの心理というもの。では、200万円台の中古車をねらうメリットはどこにあるのか。
同じ車格のクルマで比べた場合、100万円台の中古車に対して、200万円台の中古車は、より新車に近く、グレードや装備が上等だったり、年式が新しかったりする。また、マイナーチェンジ前のクルマは100万円台で買えるが、マイナーチェンジ後のモデルは200万円台となっているケースも多い。つまり、200万円以上という価格帯に存在する中古車は、それだけでランクが上であるケースが多いのだ。
たとえばここで紹介しているエスティマハイブリッド。ガソリンモデルであれば100万円台でも十分探せるが、ハイブリッドモデルは200万円台というのが相場。同じエスティマではあるものの、ハイブリッドならではのメリットは多く、かなりのランクアップ感を味わうことができる。その費用対効果は、価格差を補って、むしろおつりが出てくると言えるだろう。
トヨタ エスティマハイブリッド

2013年トヨタ エスティマハイブリッド アエラス(CVT)
全長×全幅×全高 | 4815×1820×1760mm |
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車両重量 | 1960kg |
エンジン | 直4DOHC+モーター |
エンジン最高出力 | 150ps/6000rpm |
エンジン最大トルク | 19.4kg m/4000rpm |
モーター最高出力前/後 | 143・68ps |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |
ここがランクアップ!
(1)1500Wもの大容量電源が使える
(2)走りの静かさとゆとり
(3)手放す時の買取価格も高い
エスティマハイブリッドは、ガソリン車に比べて燃費に優れるだけでなく、走行中も静かで運転も楽。1500Wもの大容量電源はガソリンモデルでは真似のできないメリットだ。

中古車参考価格帯:150万~400万円 06年~16年※ハイブリッドのみ
室内の上質さもミドルクラスミニバンならではの長所。たとえ中古車であっても、所有欲を満たしてくれる世界がそこにある。
ミニバンとハイブリッドの組み合わせは、ひとや物を積むほどメリットを実感。静かだから会話もはずむ。
ファミリーが満足できるワンランク上の中古車を考える


現行型モデルを購入するメリットは、燃費のよさと装備の充実ぶり。さらに数年後の下取りも期待できる。

長距離走行が多いなら、ディーゼルエンジンを搭載するCX-3はいい選択肢。スタイルもよく、いいクルマを買った実感があるはず。
ファミリーカー選びでワンランク上を実現するには、自分だけではなく、家族にもわかりやすいメリットが必要。そこでオススメするのが、高年式ミニバンとSUVモデル。ミニバンはメーカー間の競争が激しく、基本的には後出しじゃんけんの法則で、新しいモデルほど快適さも経済性もパワーアップしているからだ。そしてSUVは、ルックスのカッコよさとアクティブな雰囲気が人気の秘密。もちろん、海に山にとレジャーに大活躍だ。
決められた予算でも物件の選び方次第でランクアップ可能!
グレード
グレード
新車時には数十万円から100万円近く開いていたグレードごとの価格差も、中古車になるとググッと圧縮されるもの。ちょっと予算にプラスαするだけで、上級モデルならではの便利さ、快適さ、上質さが手に入るのだから、これは見逃す手はない!
走行距離
走行距離
年式に比べて中古車価格にあまり反映しないのが走行距離。じっくりと物件を探していれば、同じような価格でも走行距離がずっと少ない物件に出会えることもある。走行距離が少なければ、それだけ新車時のコンディションが残っている可能性がある。
年式
年式
5年落ちよりも3年落ち、それよりも1年落ち・・・と年式が新しいものほど中古車として上モノ。それは間違いないのだが、そのままだと新しいクルマを買うためには車格を落とさないといけない。逆に考えれば低年式車ならば、車格がランクアップする。
最上級グレードや高額車両もターゲットに入ってくる!

一般的なユーザーが乗るクルマは、新車価格は高くても500万円程度が相場。中古車価格200万円台ということは、そのような上級車も含めて選択肢に入れられるということでもある。新車のコンパクトカーの予算で最上級ミニバンに乗る、これぞ中古車の醍醐味だ。
※中古車価格はGoo-net2016年5月調べ。
※記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。
※ナンバープレートははめ込み合成です。

ちょっと贅沢を味わえるアッパー150万円という選択
多くのユーザーにとって予算の目安となる150万円。しかし、そこをあえて超えることで見えてくる世界もある。「人気」、「実力」に加えて、「個性」や「贅沢」、「ゆとり」が手に入る!
定番モデルの実力にプラスαが加わる
ファミリーカーとしての中古車選びを考えるときに、真っ先に考えるのが費用対効果。その行き着く先のひとつが「150万円」というライン。内容と年式などのバランスに優れ、3年から5年を安心して乗れる中古車が多く分布しているからだ。
しかしここではあえて、そのワンランク上にある、「ちょっと贅沢」が味わえる中古車を提案したい。たとえば人気のハイブリッドカーであるアクアなら、ノーマルとは一線を画す存在感を放つG’sが手に入るのだ。
ノーマルのアクアに対して、走りのポテンシャルを引き上げ、ルックスもスポーティなG’sは、いつまでもクルマ好きの心を忘れられないお父さんにぴったりの1台だ。
トヨタ アクア Gs

2014年トヨタ アクア G’s(CVT)
全長×全幅×全高 | 4055×1695×1420mm |
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車両重量 | 1110kg |
エンジン | 直4DOHC+モーター |
エンジン最高出力 | 74ps/4800rpm |
エンジン最大トルク | 11.3kg m/3600-4400rpm |
モーター最高出力 | 61ps |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |

中古車参考価格帯:115万~195万円11年~16年※全グレード

アクアはその人気ゆえ街中で同じクルマにすれ違うことも多いが、Gsなら個性を主張できる。
人気のハイブリッドやSUVも買える!

ハイブリッドカーや最新SUVといった、新しいクルマに買い替えた実感の大きなモデルがターゲットに入るのがアッパー150万円というクラス。150万円以下の予算と比べ、わずか20万円~30万円の違いで選択肢が大いに広がることを覚えておきたい。
相場価格+αで得られるもの

中古車を購入するときに、モデルごとの相場というのは概ね決まっている。それは、市場原理によって決定されたものなので、概ね納得のいくものなのだが、それだけがすべてではない。「相場価格プラスα」の物件を見てみると、コンディションが非常によかったり、高額なオプションが装着されていたりと、高いなりの理由がある。
軽自動車のワンランク上はアッパー100万円ゾーンに集中!
いまや新車販売ではおよそ2台に1台の割合で売れている軽自動車。人気の秘密は維持費の安さと内容のバランスに優れているから。軽自動車こそ、価格だけでなく、内容に注目したい!
新しい軽自動車は高くても価値がある!
維持費を含めた経済性と内容の充実ぶりで人気の軽自動車。新車価格を考えると、アンダー100万円で探したくなるのが人情。だが、お宝はじつはその上のクラスに隠れている。100万円以上の軽自動車は、ずばり新車にほど近い高年式車。ここ1年あたりで登場した新型軽自動車は、従来のものに比べてかなり実力が上がっている。価格差をひっくり返すだけの魅力がある!

100万円以上の予算があれば、高年式の現行型モデルがターゲットに入ってくる。
ダイハツ ウェイク

2015年ダイハツ ウェイク G SA(CVT)
全長×全幅×全高 | 3395×1475×1835mm |
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車両重量 | 1020kg |
エンジン | 直3DOHCターボ |
最高出力 | 64ps/6400rpm |
最大トルク | 9.4kg m/3200rpm |
排気量 | 658cc |
サスペンション前/後 | ストラット/トーションビーム |

中古車参考価格帯:115万~170万円14年~16年※全グレード

フルフラットになるラゲッジ空間は四方が四角く切り立っているため、荷物をたくさん積むことができる。また、天井も利用できるオプションが存在。
ランクアップするとここが違う!
カタログ上の燃費だけでなく、実際の使いやすさを意識したエンジンに。
2015年以降にモデルチェンジしたモデルはボディ剛性が飛躍的に向上。
これから購入するなら、人気の自動ブレーキ装着モデルを選びたいところ。
リヤシートにスライド機構が備わるなど、使い勝手がアップしている。
人気ゆえに割高な側面も

軽自動車の人気は新車、中古車を問わず高い。それゆえに強気の値付けがされているケースが非常に多い。3年落ちで総額100万円近くの物件を購入するくらいなら、総額150万円で1年落ちの中古車を頑張って購入したほうが、内容面でも手放す際を考えても有利となる。投資すべきときには、しっかりと費用をかけるべし!
※中古車価格はGoo-net2016年5月調べ。
※記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。
※ナンバープレートははめ込み合成です。

中古車だからこそ装備にこだわる ランクアップを実感できる装備はコレ!
新車を購入する場合には、装備表を見比べて、自分に最適なグレードを選ぶもの。
中古車の場合でもそれは同じで、装備にこだわると購入後の満足度は大幅にアップする!
日々の使い勝手向上こそ高い満足感につながる
最近の自動車が進化しているのは、燃費、安全性、そして快適装備。たとえば10年前のクルマからの買い替えだとすると、あまりの進化ぶりに驚くはずだ。だが、モデルやグレードによっては、装備を省いて価格を抑えているものもある。せっかく買い替え、これから長く愛用するなら、安いだけではなく、購入後の満足度が高い、高付加価値な中古車を選びたいものだ。
満足度が高い装備としては、右でも紹介している幅広い車速に対応するクルーズコントロールが代表的。さらに、日々の運転しやすさを大幅に高めてくれる360度カメラも、女性だけでなく幅広いドライバーにとって嬉しい装備だ。
さらに、ミニバンやSUVの上級グレードでは、テールゲートやリヤシートの展開を電動化しているクルマも増えてきた。とくに女性がメインで使うクルマの場合、操作が飛躍的に楽になるので、多少の割高となっても選ぶ価値は十分ある。
渋滞対応クルーズコントロール

ペダル操作から解放!これで渋滞でも疲れない
前車に合わせて速度を自動的に調整してくれる高性能クルーズコントロールは、使い方をマスターしてしまうと、これほど便利で利用頻度の高い装備もほかにない。もちろん過信は禁物だが、これからの行楽シーズンにも役立つこと間違いなし。買い替えてよかったと思えるはずだ。
後席用エアコン
とくにワンボックス系で嬉しいのが、後席用エアコン。エアコンの風が苦手なひとや赤ちゃんを載せるときに便利だ。レザーシート
上級グレードやメーカーオプションとして設定されるレザーシートは室内を華やかにする。市販のカバーも質感が上がっている。360度カメラ
バックカメラが普及し、その次に流行となっているのが、上空から見下ろすような表示の360度カメラ。死角をあまねくカバー。
キャプテンシート
シートアレンジが豊富なシートは、その反面座り心地が悪いケースも。座ったときの快適性でいえば、キャプテンシートが最高。エクステリアパーツ
メーカーがオプションとして販売するエアロやホイールを装備した中古車は、数は少ないが品質も高く、見つけたら「買い」。自動ブレーキ
ここ数年で急速に装着車両が増加している自動ブレーキ。万が一の際の備えではあるが、事故のリスクを減らしてくれる。
買い方のランクアップで安心、安全カーライフを実現

延長保証
国産車の場合、たとえ専業店の中古車であっても、数万~10万円程度の出費で保証期間を延長することができる。これで消耗品以外の部品に関して心配事がなくなると考えれば、決して高い出費とは言えないだろう。
メンテナンスパッケージ
故障とメンテナンスは分けて考える必要があって、定期的なメンテナンスがクルマの寿命を伸ばす。そして、最近ではメンテナンスをパック商品として販売するお店が増えてきている。上手に利用すればお得かつ安心だ。
鑑定付き中古車
一般ユーザーがクルマのコンディションを見抜くのはなかなか現実的ではない。それをフォローしてくれるのが、第三者機関による鑑定を行っている販売店。とくに修復歴によるトラブルを回避するのには有効だ。
補修・清掃済み
中古車の価格は仕入れ価格に加えて、どれだけ仕上げに手間暇をかけたかが関係してくる。ディーラー系販売店の中古車は、点検整備とは別に、内外装の補修やクリーニングを行うことが多い。高いだけの価値がある。

OTHER 実用性から離れるというランクアップもある

クルマは実用の道具でもあるが、同時にライフスタイルを彩るものでもある。コストパフォーマンスを追求するだけでは、せっかく新しく乗り替えるのにもったいない。実用性を多少犠牲にしても問題ないのなら、ぜひ勇気を持って「好きなクルマ」、「ほしいクルマ」に挑戦してほしい。

まとめ CONCLUSION

中古車だからこそできるちょっとした冒険
真新しい新車ではなく、1台1台コンディションの異なる中古車をリスク承知で選ぶということは、単純な予算だけでなく、コストパフォーマンスを考えての結論という場合もあるだろう。いいものをできるだけ安く買う、その面白さが中古車にはあるからだ。
今回提案したワンランク上を目指す中古車選びは、中古車ならではのコストパフォーマンスを意識した上で、新しいクルマに乗り替える喜びを高めてくれるところに意義がある。新車ではなかなかできない冒険やちょっとした贅沢も、中古車だからこそチャレンジできるもの。ぜひその楽しさを味わってもらいたい。
※中古車価格はGoo-net2016年5月調べ。
※記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。
※ナンバープレートははめ込み合成です。