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更新日:2021.11.02 / 掲載日:2021.11.02
日産 放射冷却素材「ラディクール」採用のキックス向け純正アクセサリー発売

日産は11月2日、放射冷却素材の「Radi-Cool(ラディクール)」を自動車メーカーとして初めて純正アクセサリーに採用したと発表、同日より全国の日産自動車の販売店舗にて、同素材を使用した「サンシェード」、「カーサイドタープ」、「ハーフボディカバー」の販売を開始した。今回販売となったのはe-POWER搭載のコンパクトSUV「キックス」用で、対象車種を順次拡大予定としている。
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環境負荷を低減し省エネ効果を高める「放射冷却メタマテリアル技術」を採用

今回発売となった純正アクセサリーに使用されたラディクールは、ラディクールジャパン(本社:東京都中央区)が開発した素材で、環境負荷が少なく、省エネ効果を高めて、ゼロエネルギーで物体を冷却する世界初の「放射冷却メタマテリアル技術」を採用したもの。熱を放射することでタープ内や車内の気温上昇の抑制に効果を発揮、アウトドアの照り付ける日差しや、車内の温度上昇を抑え、より快適なカーライフを提供するアイテムとなっている。
この技術の基となっている「放射冷却」とは、全ての物体が持つ、熱を電磁波として放射することで物体自体の温度を下げる現象を指す。地表からも電磁波が放射されるが、その半分近くを大気が吸収して地表へ戻してしまうことで、地球を温室のように暖める現象があるという。ラディクールジャパンの「放射冷却メタマテリアル技術」は、物体の表層の材料組成と、そのミクロ構造を調整することで、物体からの電磁波放射を、大気にほとんど吸収されることのない領域である「大気の窓」と呼ばれる波長帯(8μm~13μm)に集約させ、地球の熱を宇宙空間へ放出させることのできる技術。この技術を発明した楊栄貴博士は日本伝熱学会の「抜山国際記念賞(第5回)」を受賞、ハイブリッド材料による放射冷却技術の開発は特に高く評価され、科学雑誌『サイエンス』や、英国の経済雑誌『エコノミスト』に掲載されるなど、世界的に関心を集めているという。
日産×ラディクールジャパン 10月に共同開発契約を締結
日産の総合研究所では、今年10月にラディクールジャパンと自動車用放射冷却部品の共同開発契約を締結、新たな実用化を目指した研究開発を開始している。この研究開発については、日産の総合研究所で先端材料研究を担当する三浦進氏が、2017年科学雑誌「サイエンス」で発表されたラディクールの自己放射冷却に関する論文に感銘を受け、当時アメリカコロラド大学にいた楊博士を訪ねたことがきっかけだという。今回の製品発表に際し、三浦氏は以下のようにコメントしている。
「この大気の窓を利用した物理学分野の放射冷却技術を、自動車の部品として活用できた第一歩です。ゼロエネルギーで自動車を冷却できることはカーボンニュートラルの視点でも重要な技術です。今後もエネルギーを抑制しつつ、自動車の性能やお客さまの快適性が向上する放射冷却部品の開発に取り組みます」。
サンシェード ハーフボディカバー
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