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更新日:2024.09.09 / 掲載日:2024.09.09
里山文化と現代アートが出会う町、松之山温泉【ドライブ旅で巡る、にっぽんの温泉100選】
温泉は自然と人が育んだ日本の観光スポット。古い書物にも記録が残るという温泉は今なお多くの人々に愛され、海外からやって来るインバウンド客の間でも“Onsen”の呼び名で親しまれているんだそうです。
そんな温泉地の旅は、愛車でのドライブ旅がオススメ! マイペースにクルマを走らせ、ふと気になった場所にちょっと寄り道してみるのはドライブ旅ならではの楽しみです。今回は豪雪地帯にたたずむ薬湯、松之山温泉を紹介!
野生のタカも身を休めた?松之山温泉の魅力とは?
豊かな森と水、温泉に育まれた里山文化が息づく松之山温泉(新潟県十日町市)。9軒の温泉旅館が「環境保全と文化の伝承者」となり、「持続可能なエコビレッジ」を掲げて地域づくりを進めています。観光や交流のチカラを生かし、地域に代々受け継がれてきた伝統行事や景観、食文化を次の世代に残そうと様々な取り組みを行なっています。
自慢の温泉は、700~800年前、傷ついたタカが毎日同じ場所に舞い降りるのを見た木こりが発見したという伝説が残る、古くからの湯治場。草津、有馬と並ぶ「日本三大薬湯」の一つで、1千万年以上前に地中に閉じ込められた海水が湧き出る「化石海水温泉」。泉質は塩化物泉で、殺菌、温浴の効果が高いとされます。温泉旅館以外にも、共同浴場「鷹の湯」などで体験できるので、旅の途中に立ち寄るのもオススメです。
松之山温泉に行くなら、ココにも注目!
温泉の恵みと共に、地元で大切にされている伝統行事が、小正月行事の「むこ投げ・すみ塗り」です。
「むこ投げ」は毎年1月15日、前年に結婚したむこをかつぎ、薬師堂の境内から雪の斜面へ投げ落とすというもの。「すみ塗り」は、灰と雪を混ぜたものを「おめでとう」と言いながら顔に塗り合います。少々荒っぽい豪雪地帯の奇祭ですが、無病息災、家業繁栄への願いが込められています。
今では外国人を含む観光客が見学に訪れ、むこの一般募集も行われていますが、地域の祭りとしての本質を見失わないよう伝統が大事にされています。開催のタイミングに合わせて訪れてみてはいかが?
さらに、里山の景観保全にも力を入れています。丘陵部に広がる森林は、大正末期、木炭にするため全て伐採されましたが、翌年春、一斉に芽生えて約3千本のブナの森林になりました。その立ち姿の美しさから「美人林」と呼ばれ、散策にピッタリ。
美人林では、毎年七夕の時期に野外ダイニングイベントを開催し、温泉旅館の料理人、松之山温泉にゆかりのある有名シェフが腕をふるい、里山の自然や食文化をテーマにした料理を提供するんだそうです。
里山の景観の中に現代アート作品を展示する「大地の芸術祭」は、松之山温泉を含む越後妻有地域で3年に1度開催される一大イベント。松之山温泉には、2018年の展示作品、スペインの芸術家、サンティアゴ・シエラ氏の「ブラックシンボル」が今も設置され、人気スポットになっています。作品のモチーフは、スペインのシェリー酒の老舗「オズボーン」社の黒い雄牛の像。作品をきっかけにスペインやシェリー酒をテーマにした交流にも発展しているとのことです。
「大地の芸術祭」は2024年が開催年! 7月13日に開幕、11月10日まで開催されているので、アートファンは要チェック!
松之山温泉
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