【妊婦の旅行】安定期に車で旅行するためのポイント

妊娠中の安定期は一般的に、妊娠16週目（妊娠5ヵ月）以降を指します。安定期に入ると胎盤が完成し、ホルモンバランスも落ち着くことで、つわりの状態が楽になります。そのため、妊娠中に旅行に行くなら妊娠16～28週目までが絶好のタイミングです。28週目を超えると出産時期が近付き、身動きが取りにくくなるので旅行は避けた方が無難です。

ただし、安定期に入ったといっても、切迫流産や切迫早産のリスクがあります。そのため、安定期は体調を見つつ、徐々に活動量を増やしてから旅行することを心がけましょう。

妊婦でも、体調が落ち着き、体を動かせるようになったら車での旅行を検討していいでしょう。しかし、安定期といっても体調が急変する可能性もあるので、次のポイントを踏まえることが大切です。

車で旅行する際は、自宅からなるべく近い土地に旅行することが大切です。妊娠中に車で長時間の移動をすると、万が一体調が悪くなった際に、かかりつけ医に診てもらうことが難しくなります。

また、長時間同じ体勢を続けると、妊婦によってはお腹が張ったり、腰やお尻に負担がかかったりするので注意が必要です。休憩時間を含めて2～3時間程度の移動時間であれば、安定期でも体調を崩さずに旅行できるでしょう。

お腹が目立ってくる安定期でも、車に乗る限りはシートベルトを着用する義務があります。

シートベルトの正しい装着方法は、腰部分のベルトを腰骨に近い位置に設置し、肩ベルトはお腹の側面にベルトを通して金具を止めるだけです。お腹が苦しいから、という理由で腰ベルトだけにすると、事故が起きた際に上半身が前に大きく曲がり、お腹を圧迫してしまいます。シートベルトを正しく装着し、お腹の赤ちゃんを守りましょう。

また、お腹の圧迫が気になる方は、マタニティシートベルトがおすすめです。腰ベルトをももの位置にずらして固定するので、お腹が圧迫されません。

妊婦が安定期に車に乗っていると疲労が溜まるうえに、お腹が張ることもあります。そのため、1時間に1回は休憩を取り、体を動かしてリフレッシュしましょう。休憩を取りたくても車が止められない場合は、後部座席に横になる、リクライニングを倒すなど工夫して、リラックスできる体勢を取ることが大切です。

また、年末年始やお盆などの渋滞しやすい時期や、渋滞が発生しやすいルートでの移動はなるべく避けましょう。道中にある観光スポットに立ち寄る場合、1～2か所ぐらいの無理のない程度に観光スポットを絞っておくと体の負担を軽減できます。

宿泊中の万が一のトラブルに責任を負えないという理由から、妊婦の宿泊に好意的ではない宿泊施設も存在します。そのため、妊婦が宿泊できるかどうか、前もって宿泊施設に確認してから予約しましょう。妊婦が宿泊するとわかっていれば、宿泊施設側も受け入れ態勢を整えてくれるはずです。

また、マタニティ旅行プランを実施しているホテルや旅館を利用してもいいでしょう。妊婦専用のパジャマや抱き枕、栄養バランスを重視した料理など、妊婦へのサービスが充実しています。旅行をいい思い出にするために、宿泊施設は慎重に選びましょう。

妊娠中は肩こりや腰痛に悩まされるため、「温泉に入りたい」という方も多いはずです。しかし、温泉街はそもそも産婦人科が少なく、万が一体調が急変したときに病院を探さなければなりません。そうならないために事前にできることとしては、目的地の近くに産婦人科があるかを下調べしておく、または医療体制が充実している大都市に近い温泉街を選びましょう。

妊娠16週目以降の安定期は、つわりも治まり、体も動かしやすくなる時期です。安定期の旅行は基本的に可能ですが、体調の様子を見つつ、活動量を増やしてから旅行をしましょう。
車で旅行する場合、短時間で行ける場所、妊婦が宿泊できるホテルや旅館を選ぶことが大切です。

安定期といっても切迫流産や切迫早産のリスクがあるので、万が一のときに病院に行けるように下調べしておきましょう。