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更新日:2020.03.16 / 掲載日:2020.03.16
トラックの安全を守る!正しい輪止めの使い方

グーネット編集チーム
トラックなどの車両に関わる仕事をしていないとなかなか接する機会のない「輪止め」ですが、輪止めは駐車中のトラック周囲の安全を確保するために重要な器具のひとつです。
ここでは、輪止めの役割や正しい輪止めの使い方をはじめ、トラックを停車する際には輪止めをしなければならないという義務はあるのかなどについても解説していきます。
トラックの輪止めの役割とは?

グーネット編集チーム
トラックの輪止めは「車輪止め」「車止め」とも呼ばれ、トラックが一定時間以上停車したとき、タイヤと地面の間にかませておく台座・プレートなどの器具のことです。
輪止めの果たす役割を解説します。
事故防止効果
ギアをパーキングに入れてサイドブレーキを引いておけば、車が勝手に動き出すことはまずありません。
しかし、トラックは車体が大きいため、路面状況などが理由でタイヤが回転して車両が勝手に動き出し、大きな事故につながる危険性があります。万が一の事故の発生を防止するため、輪止めをしておくのです。
安全確認の意識向上効果
物流会社や運送会社などのトラックを使用する組織では、輪止めをするルールを徹底させることで、安全確認の意識向上を図っているようです。
信頼性の向上にも役立つ
物流会社や運送会社などにおける輪止め使用は、荷主から信頼を得ることができます。荷主によっては、輪止めを使用する会社としか契約しないということもあるようです。
物流にたずさわる企業にとって、信頼の獲得のために輪止めは必須といっても良いでしょう。
トラックの輪止めをしないと違反になるの?
安全確保の観点からはトラックの輪止めが有効であることは理解できますが、法律の観点から輪止めをしないことで違反になってしまうのかどうかが気になるところです。
トラックの輪止めをしないと違反になるのかどうかについてみていきましょう。
トラックの輪止めは義務ではない
2020年2月現在では、法的に輪止めの設置義務はありません。したがって輪止めをしていなくても違反になることはありません。
トラック協会や交通安全協会では輪止めの設置を推奨していますが、あくまでも事業所・ドライバーの判断に任されています。
輪止めの設置は義務ではないが安全確保に重要
輪止めの設置は義務ではないため、輪止めをしないからといって違反にはなりません。
しかし、輪止めをしていれば防げた事故も発生しています。
・事故例1 サイドブレーキの甘さが招いた事故
ドライバーがサービスエリアでトイレ休憩を取り、戻るとトラックが離れた場所に転落していた事例です。サイドブレーキの引きが甘かったのが原因と考えられています。
・事故例2 サイドブレーキのかけ忘れが原因の事故
荷物を降ろす順番待ちをしていたドライバーがトラックから降り、荷降ろし作業を手伝っていた際、停車中のトラックが走り出し、トラックは数百メートル先の電柱にぶつかって止まるという事故が発生。原因はサイドブレーキの引き忘れでした。
このような事故は、輪止めを設置していれば防げた事故である可能性があります。
トラックの輪止めは義務ではありませんが、安全にとっては大切だといえるでしょう。
トラックの正しい輪止めの使い方
トラックを停める際の安全確保として輪止めを設置することが有効ですが、正しい使い方で輪止めを設置することが大切です。
ここでは、輪止めの種類と正しい使い方について解説します。
輪止めの種類
・サイズ
使用する車のタイヤサイズに応じ、「4トン車専用」「2トン車用」など、トラックのサイズの違いごとに販売されています。
・材質
輪止めの材質は、耐久性があり積雪時も問題なく使える天然・合成のゴム製が大半ですが、廃プラスチックやポリプロピレンなどを用いた樹脂製のものや、コンクリート・木・鉄でできたものもあります。
・形状
タイヤ側の面がタイヤの形にぴったりと収まる形状の輪止めをはじめ、タイヤと地面の間に差し込んで固定するタイプの輪止め、コンパクトにしまえる折り畳み式の輪止めなどもあります。
輪止めの使い方
一般的には、車両後輪の前と後に、ロープなどで結んだ輪止めをはさんで使用します。
右側の前車輪前後に輪止めを使う方法もあります。この方法では、運転席から降りたらすぐにロックできるというメリットがあります。
まとめ
トラックの輪止め設置は推奨されていますが、義務ではありません。
輪止めは万が一トラックが動いてしまわないようにするために、安全管理上とても重要な器具です。事故防止効果はもちろん、安全確認の意識向上や取引先からの信頼性向上にも期待できます。
トラックを駐車する場合は、安全のためにも、輪止めを積極的に活用しましょう。