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更新日:2019.11.04 / 掲載日:2019.11.04

クルマの運転に運動神経は関係するのか?

クルマの運転に運動神経は関係するのか?

グーネット編集チーム

「自分は運動神経が鈍いからクルマの運転がヘタだ」と思っている人も多いのではないでしょうか?

たしかに、クルマを運転するためには、ハンドルを操作したりブレーキを踏んだりと体を動かさなくてはいけませんので、運動神経が関係しそうな気もするでしょう。しかし、クルマの運転に関しては運転の慣れや運転の心理状態などの要因も大きく関わってくることです。

運転に運動神経がどこまで関係するのでしょうか。ここでは、クルマの運転と運動神経の関係について解説します。

クルマの運転に運動神経は関係するのか?

一般的にクルマの運転に、運動神経はあまり関係ないといわれています。
実際に、運動があまり得意でない人でも、運転免許を取得することができ、問題なくクルマを運転することができます。

もちろん、レーサーなどなら、運動神経は良いほうがいいでしょう。
しかし、クルマの運転は複合的な能力が必要とされるものであり、少なくても一般道を普通に運転する分には、運動神経のいい・悪いはそれほど問題になりません。

クルマの運転で必要となる能力とは?

クルマの運転で必要となる能力とは?

グーネット編集チーム

クルマを運転するためには、運動神経に限らず、

・知覚・認知
・状況判断
・意思決定
・操作・行動

などの複合的な能力が必要とされます。

知覚・認知

クルマを運転するためには、まず周囲の状況を知覚・認知しなくてはなりません。
知覚・認知は目で見たり、耳で聞いたりすることにより行われます。

状況判断

知覚・認知された情報は、次に脳において状況判断が行われます。
これはたとえば、「人が飛び出してきた」「信号が黄色に変わった」などがそれに該当するでしょう。

意思決定

状況判断に基づいて、次に意思の決定を行います。
「人が飛び出してきたから止まろう」「信号が黄色に変わったけれど止まりきれないからそのまま行こう」などがそれにあたります。

操作・行動

最後に、「ブレーキを踏む」「ハンドルを切る」「アクセルを踏む」などの、実際の操作や行動が行われます。

「知覚・認知」から「操作・行動」までの時間とサイクルが早い人が、運動神経がいいと言われます。

運動神経よりもクルマの運転で大切なものとは

クルマを安全に運転するためには上記であげた能力のほかに、「運転の慣れ」や「運転心理・心理的側面」が重要になってきます。それらは、運動神経のあるなしに関わらず、より大切なこととなってきます。

運転の慣れや経験

運転に対して苦手意識を持つ人は、運転の操作そのものより周囲のクルマや自転車、歩行者などの動きが予測できないことに不安を感じるといわれています。周囲の状況を予測できるようになるためには、何度も運転して経験を積み慣れることが一番です。

慣れるまでの運転が不安な方は、ベテランドライバーに同乗してもらい予想外の事態が発生した場合にアドバイスをもらう方法がおすすめです。

運転心理・心理的側面

クルマを安全に運転するためには、心理的側面も重要です。
自動車安全運転センターの調査によれば、

・攻撃的傾向…他のクルマやドライバー、歩行者などに対してイライラしたり、腹を立てたりなどをする攻撃的な傾向
・漫然・脇見運転傾向 …運転中に脇見をしたり、ぼんやりしたりする傾向
・違反容認傾向…多少の違反程度であればすぐには事故にならない、または危険はない、などと違反を容認する傾向

の運転意識がある人は、運転中にヒヤリとする、違反をする、および事故を起こす確率が高いことが示されています。したがって、他の人よりも一層注意して、運転しなければいけません。

高齢者の方は運動神経が衰えるということはあるのか

高齢者になると、一般に運動能力が低下するといわれています。
これは状況判断および知覚・認知の能力が低下することが原因であるとされます。

状況判断能力の低下

高齢になると、視覚から脳、そして筋肉へと情報が伝達される時間が遅くなります。
そのために、若い頃と同じタイミングだと思ってハンドルを切っても、クルマの動きが変化するのはその分遅くなります。
これは、対向車の切れ目のタイミングで右折する場合などには危険であるといえるでしょう。

知覚・認知能力の低下

また、高齢になると知覚・認知能力、特に「視力」が低下します。
遠近についてはメガネで矯正することができますが、高齢になると青系の色が見えにくくなるといわれます。
それにより、信号や歩行者の服の色などが見えにくくなるため、危険が増します。

高齢であっても、「もう長年運転しているのだから」と運転に自信を持つ人もいます。
しかし、運動能力の低下は、自覚できないこともあります。
高齢になったら、運動能力の低下を見越し、より安全運転を心がけることが重要です。

運転が上手になるポイント

最後に、「自分は運動神経がない」と思っている人が上手に運転をするポイントについて見ていきましょう。
次のことができるようになれば、同乗者から「この人は運転が上手だ」と思われるかもしれません。

・ドライビングポジションを適正な位置でしっかり取る
・一定の速度で走れる
・交通の流れにスムーズに乗れる
・急発進や急ハンドルなどをしない
・イライラせずに余裕を持ち、ほかのクルマに気遣いする

まとめ

以上で見てきたように、クルマの運転をするために、運動神経はあまり関係ありません。
運動神経よりもむしろ、認知・判断・意思決定の能力、および慣れや心理的側面が、クルマを安全に運転するためには重要です。

クルマの運転を「運動神経が鈍いからヘタだ」と思っている人は、運動神経のせいにせず、視野を広く持つことにより、運転が上手くなるかもしれません。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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