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更新日:2019.08.20 / 掲載日:2019.08.20
トラックを運転するときのコツや気をつける事とは?

グーネット編集チーム
引越しをする際にトラックを借りて自分で運送することができれば費用がかなり節約できます。その他、何かの事情でトラックを運転する必要性に迫られることもあるでしょう。
ただ、トラックを運転したことがある人は多くはないのではないでしょうか。そのため今回は、一般的に利用されている普通乗用車とトラックの違いはどういった点にあるのかを確認した上で、トラック運転のコツや気をつけることをまとめました。
また、普通免許で運転できるトラックの大きさなども確認できますので、ぜひお役立てください。
乗用車とトラックの運転の違い
まず普通の乗用車とトラックの違いを確認しておきましょう。車両の基本であるハンドルやアクセル、ブレーキペダルといった装置は車両によって多少の違いはあれど、大きな違いはありません。
乗用車はオートマチック車、トラックはマニュアル車が主流
普通乗用車には、ギアを自動で変速してくれるオートマチック車(通称AT車)と、ギアを自分で変速させるマニュアル車(通MT車)があり、現在ほとんどのクルマがオートマチック車です。
免許をオートマチック車限定で取得する方も増えています。
しかし、トラックの場合はオートマチック車も増えつつありますが、基本的に荷物を運ぶ商用車体なので、オートマチック車より燃費が良いマニュアル車がまだまだ主流を占めています。
運転席の高さが違う
トラックの運転席に座るとまず運転席の高さに驚くでしょう。セダンなどの一般的な乗用車と比べると大きなものでは2倍近く運転席が高くなます。視界が大きく異なり前方確認は普通乗用車よりしやすくなります。
ただし、視界が高い分前方の真下などは死角に入りやすく確認しにくくなります。このような前方下部の死角を減らすため、トラックには前方の足下を確認できるミラーが設置されています。普通乗用車では目視していた箇所をミラーで確認することになりますので、最初は勝手の違いに戸惑う方も多いでしょう。
車体の大きさや形状による車両感覚が違う
トラックは車体が前後に長く、かつ前部のノーズ部分がセダンなどと比べてほとんどありません。そのため、車体が前後に長くことで生まれる右左折やカーブでの内輪差や、前方車両との車間距離の調節などに対しては車両感覚が異なってくることとなりますので注意が必要です。
また、それ以外にも、道幅・看板の高さなどにも車両感覚の違いがあります。普通車の感覚のままトラックを運転してしまうと、周囲の車両やガードレール・看板との接触のリスクが非常に大きくなることを忘れてはいけません。
トラックを運転するときのコツ

グーネット編集チーム
次に、実際にトラックを運転する際のコツを確認しましょう。
内輪差を掴むコツ
左折するときに、普通車の感覚で曲がると、内輪差(前輪と後輪の軌道の差)で後輪が内側へ接近しすぎてポールやガードレールと接触してしまう危険性が増します。ある程度直進してからハンドルを左に切ることが必要です。
交差点が狭い場合、反対車線に出ないようにしながら車体を右にふくらませて左へ旋回しましょう。対向車や左後方を十分確認し、歩行者や自転車と衝突・巻き込み事故が発生しないよう注意してください。
右折も、左折と同じように内輪差に注意します。早めに右にハンドルを切ってしまうと、内輪差で右側の交差点で停まっているクルマに接触する危険があります。左後方を確認しながら、車線をはみ出さない程度に左へふくらませた上で右へハンドルを切りましょう。その際、車体が大きい分、加速には時間がかかることも計算に入れます。対向車の切れ目に十分距離があるのを確認して右折してください。くれぐれも無理は禁物です。
カーブの巻き込み回避については右左折の項で述べたように、トラックは車両が長いため、前輪と後輪の軌道に差があります。そのため、普通車より曲がるときの巻き込み事故の可能性が高くなります。巻き込み事故を防ぐためには、後輪がどこを通るかを意識して運転します。
サイドミラーは後輪の動きが確認しやすいように下向きにしましょう。そしてカーブの手前で十分にスピードを落とし、センターラインを越えないように運転するのがコツです。
バックのコツ
大型のクルマは、車体が大きく慣れるまで車両の位置感覚を把握するのが普通車より難しいです。その上、多くのトラックではルームミラーによる後方確認ができないので、バックでの走行がさらに難しくなります。
そのため、まずはトラックのバックに慣れるため、安全な場所で何度も練習することをおすすめします。バックに慣れるために協力者に誘導してもらいながら感覚をつかんでいくのも良いですし、乗り慣れた普通車でトラック運転を想定し、サイドミラーだけでバックをしてみるのも良いでしょう。
トラックを運転するときのコツ
運転の際には次のことにも注意します。
スピード感覚に関して
運転席が高いと視界は広くなりますが、多くの方は普通車運転時よりスピードを遅く感じるようです。トラック運転時のスピードの感覚に慣れるまでは、スピードメーターをチェックし、普通車との感じ方の違いを体の感覚で覚えます。
前方と後方の車両間隔
走行中の車線変更は、車体が長い分、後方のクルマとの車間距離を十分に確認する必要があります。
また、ノーズ部分がないことに慣れすぎて、前方のクルマとの車間を必要以上に詰めすぎないように注意してください。
屋根のあるトラックのルームミラー
多くのトラックには、荷台部分に屋根があります。この場合、ルームミラーで後方確認はできませんから、バックの際にルームミラーで確認を行っていた方は特にバックが難しいと感じてしまうでしょう。バックモニターで後方確認ができる場合も、普通車以上に死角があるため、注意が必要です。
トラックならではのブレーキ
業務用トラックの大半は軽油燃料のディーゼル車です。ディーゼル車は、普通車と同じフットブレーキに加えて、排気ブレーキも使用します。排気ブレーキは、エンジンブレーキの減速力を強化する補助的存在で、長い下り坂などで効果を発揮する装置です。
トラックのような大型のクルマは、フットブレーキばかりに頼るとブレーキの効きに問題が発生するケースもあり、排気ブレーキを使って減速することが大切です。
トラックは普通免許で運転できるの?
普通免許で運転できるトラックの種類は、免許取得時期によって異なります。
2007年6月1日までに普通免許を取得した方の場合は、車両総重量(*1)8トン未満・最大積載量(*2)5トン未満のトラックまで運転が可能です。
2007年6月2日以降に普通免許を取得した場合、車両総重量(*1)が5トン未満、かつ、最大積載量(*2)が3トン未満と定められています。
さらに2017年3月11日以降の取得の普通免許で運転できるサイズは、車両総重量(*1)3.5トン未満で最大積載量(*2)2トン未満のトラックです。
普通免許で運転できるトラックの車両サイズは小さくなってきていますが、現在の規定でも軽トラック程度なら運転できます。
※1.「車両総重量」とは、車両に乗員や荷物を積んで走行可能状態での全重量のこと。『車両総重量=車両重量+乗車定員×55kg(1人あたり55kg)+最大積載量』でもとめられる。
※2.「最大積載量」は、商用車に積める荷物の重さの最大量を指します。
まとめ
トラックの運転の基本的な操作は普通車と変わりません。ただし、運転席の高さと車体の大きさに差があるため、右左折やカーブ・バック時には普通車とは違う運転のコツが必要になります。
また、荷台部分に屋根があるとバックの際にルームミラーが使えないので、バック時にルームミラーを使う方は慣れが必要です。
免許の取得時期によって、普通免許で運転できるトラックの大きさには違いがありますが、どの時期の取得でも軽トラックであれば運転ができます。いずれにせよ、トラックを運転する際は、慣れるまで安全な場所で誰かに誘導してもらいながら練習することをおすすめします。