カーライフ
更新日:2022.03.08 / 掲載日:2022.03.08
バスに搭載したドラレコで道路舗装調査・点検の実証実験
日本電気株式会社、株式会社南紀白浜エアポート、株式会社オリエンタルコンサルタンツの三者は3月8日、「ドライブレコーダーを活用した空港滑走路の調査及び点検」技術を、一般道路の舗装調査および点検に活用する実証実験を行うと発表した。
ドライブレコーダーとAIで道路の損傷を自動検知


この実証実験に活用される技術は、第5回「インフラメンテナンス大賞」において国土交通大臣賞※1を受賞したもの。
今回の実験の具体的な内容は、熊野御坊南海バス株式会社が運行する空港リムジンバス(白浜空港〜新宮駅間を1日2往復走行)にドライブレコーダー(以下ドラレコ)を設置し、バスを運行しながら路面状況をドラレコで記録。その画像から学習したAIが、路面の亀裂、損傷(ひび割れ、ポットホールなど)を自動検知するという。同時に道路の平坦性(IRI)も計測する。
1か月間の実証期間でその精度を確認し、国や地方公共団体などの道路管理者が行う目視点検の一部を「AI による自動検知」に置き換えることを目指す。
※1:ドライブレコーダーを活用した空港滑走路の調査及び点検 取組概要
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/03activity/pdf/05_19.pdf
将来的には「路線バスの運行 + 道路の調査・点検」という付加価値創造
老朽化が進む公共インフラの維持管理に必要な労力と技術力の確保は、広くインフラ事業者の課題となっている。特に地方ではその課題が顕著であり、維持管理業務における舗装の定期点検調査の効率化とコスト縮減が急務とされる。
一方で、地方の路線バスは重要なインフラでありながら、旅客数が少なく路線の維持が困難となるケースも多い。旅客輸送という路線バス走行の目的に、道路の調査および点検という新たな機能を付与することで、主に地方の路線バスに新たな価値を創出するもの。同時に、老朽化する道路舗装の維持管理の効率化により、地方のインフラ事業者の課題解決に繋がるとみられている。
■実証期間(設置期間)
令和4年3月10日~4月9日(延長する場合あり)
■実証路線
南紀白浜空港~JR新宮駅
(路線延長は103km(片道)。国道42号及び紀勢自動車道(南紀白浜IC~すさみ南IC間)を1日2往復走行)
