カーライフ
更新日:2021.11.04 / 掲載日:2021.10.29

【大人の自動車遊び】プロテクションフィルムで愛車を守りながらドレスアップ【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 最近、高級車を取材していてわかったことがあります。それはプロテクションフィルムの存在と重要性。皆さんも経験したことありますよね。高速道路などで飛び石にボディを傷つけられてしまったことって。バンパーやボンネットあたりが多いでしょうか。状況は様々ですが、多くの場合自費で直すしかありません。悔しー!

 そこで、効果を発揮するのがプロテクションフィルム。ボディに透明なフィルムを貼ることで塗装面に傷がつきにくくなります。深い傷は無理ですが、表面的なものであれば貼り替えればバッチリ。もっといえば今回お世話になったXPEL(エクスペル)のフィルムは表面的な擦り傷であれば熱を加えると、あら不思議!とばかりに勝手に修復してくれます。具体的にはヘアドライヤーで十分。みるみるうちに元通りになるから驚きです。

 そんなフィルムを高級車をお買い求めの方々は納車前に貼っていたんですね。確かにスーパーカー系にはもってこいの商品であることはわかります。ひと傷ウン十万円でしょうから。それに高速道路の夜間走行では避けられない虫の死骸や鳥のフンなんかにも効きます。そのままだと酸化して塗装をダメにしてしまいますので。そうそう、花粉や黄砂にもいいとか。タイムリーなところだと火山灰にも効果があるかも知れませんね。

そう考えると、プロテクションフィルムは広範囲で役に立ちます。知らなかったなぁ。ちなみに、某輸入車ブランドではディーラーオプションにも設定されているらしい。皆さん、クルマを想う気持ちは強いようで、なかなか好評だとか。さすが。

XPEL社のプロテクションフィルム「ULTIMATE PLUS」を施工。元のボディカラーを生かしながらマットな質感になるのが魅力

 ということで、プロテクションフィルムを愛車のポルシェ911に貼ることにしました。

 XPELのすごいところは、アメリカ製ということもあり、最先端の技術を備えています。なので、通常のモデルであれば年式とモデル名をコンピューターに入力すれば、バンパーやボンネットなどのボディパーツがそのままのカタチでフィルムが断裁されます。大きなプリンターで出力される感じですね。

 それを特殊なトレーニングを積んだスタッフがキレイに貼る作業をします。慣れた手つきの素早い動作を見ていると感心せずにはいられません。細部の微調整はまさに神技。その辺のトレーニングプログラムがしっかりしているのもアメリカ譲りなのかもしれません。

 ひとくちにプロテクションフィルムといっても種類があります。ベースになるクルマのカラーが関係していて、高光沢仕上げには“アルティメット・プラス”、つや消しのマットカラーボディには“ステルス”が用意されます。フィルムは基本的には透明ですが、ベースカラーをさらに引き立てるのがポイント。どんなカラーでも塗装面を美しく長期間維持してくれます。

 それじゃワタクシの997型911に何を貼ったかというと、“アルティメット・プラス”。なのですが、ベースのメタリックカラーをつや消しマットに変えてくれるものです。XPEL JAPAN社長が「新製品なのでどうぞ」ということで試させていただきました。911はブラックメタリックなのでマットブラックになりましたが、もし赤いメタリックであればマットレッドに、黄色であればマットイエローになるのですから驚きです。透明ならではのメリット炸裂ですね。

プロテクションフィルムという名前のとおり、小石や虫といった塗装を痛める要素から守ってくれる機能性を持つ

 ということで、完成したのが写真の911。マットブラックになってすっかり雰囲気を変えました。ドアミラーとドアノブ、それとリアスポイラーが元の黒いメタリックなので、その違いはおわかりいただけると思います。クルマを買い替えたくらいのテンションになりました。もう5年以上乗っていますが、これでまだまだ乗り続けることでしょうね。大満足です。

 ただ、フロントバンパーなど限られた部分であれば費用的に工賃を含め想定内ですが、ボディ全体となるとそれなりの金額になるのは確か。そこで、まずはDIYでできるXPEL商品からスタートするのがいいかもしれません。思わず傷をつけてしまいそうなドアの開口部用と革靴の底やハイヒールの踵を擦ってしまいそうなドアサイドシル用があります。価格は2000円代から3000円代とリーズナブル。ぜひお試しください。

 トヨタ自動車の社長豊田昭夫さんがこんなことを言っていました。“愛車”という言葉はありますが、“愛冷蔵庫”や“愛テレビ”、なんて言葉はありません。つまり、それだけクルマは生活必需品であっても同時に趣味嗜好品であるということです。となると、プロテクションフィルムはアリですね。どうか愛車を思いっきり愛でてくださいませ。

フィルムは専用の型紙を使いコンピューターがカット。曲面でおおわれている911のようなクルマでもフィット感は抜群
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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