ホンダ　370万台の走行データ活用した「旅行時間表示サービス」を8月より提供開始

　ホンダドライブデータサービスは2017年12月に活動を開始、約370万台のホンダ車から集まる走行データ・車両の挙動データなどを活用した、渋滞対策、都市計画、防災、交通事故防止などの社会課題解決を目指すデータサービス事業を展開、企業や自治体向けにソリューションの提供を行ってきた。
　今回、提供を開始した旅行時間表示サービスは、全国各地で発生する「渋滞」という社会課題の解決を目指して開発したもので、より多くの企業や自治体が導入しやすくなるよう、パッケージ型サービスとした。

　同サービスでは、ホンダ車からリアルタイムに集まる走行データを活用し、渋滞路・迂回路の通過にかかる時間を計算。
　算出された渋滞路・迂回路それぞれの所要時間を、ルート分岐地点の手前に設置した表示機に表示し、ドライバーに知らせ、ドライバーへ迂回路の選択を促す。
　これによって交通量が複数のルートに分散され、渋滞を低減する効果が期待できるとしており、特に目的地まで複数ルートが存在し、なおかつ交通量に偏りがあるシチュエーションにおいて高い効果が得られるという。

　旅行時間表示サービスの提供に先立ち、ホンダでは紅葉シーズンに激しい渋滞が発生する栃木県日光市で、国道119号線の渋滞緩和を目的として、同サービスを用いた実証実験を実施。
　その結果、激しい渋滞が発生する春日町交差点から日光山内入り口までの最長所要時間が、2019年の171分に対し、2020年の対策実施時には同等の交通量ながら85分に半減。
　さらに、渋滞ルートの所要時間表示が長くなるほど迂回が促されて渋滞が低減し、シーズン中の最大渋滞長は2019年の約3.7kmに対し、2020年の対策実施時には約2.3kmまで短縮された。
　また、渋滞が解消する時刻も、平均で2時間以上早まった。

　旅行時間表示サービスはすでにいくつかの企業・自治体から導入の要望があり、ホンダでは2021年秋の活用開始に向けて準備を進めているという。