カーライフ
更新日:2021.08.10 / 掲載日:2021.08.10
永福ランプのマニアック車パトロール隊 -ホンダ モビリオ-
【今回のマニアック車】ホンダ モビリオ

ヨーロッパの路面電車「ユーロトラム」をモチーフにデザインされたモビリオ。クルマ感を完全に排除したかのようなこのデザインに、なぜかグッとくる。
モノレールみたいだから!
私が借りている月極駐車場の隣の枠に、長年ホンダ・モビリオが止まっている。そのモビリオは、後継モデルの初代フリードとたまに入れ替わる。どちらも社用車として使われている気配だが、この会社の人は、モビリオとフリードのコンパクトなボディと広大な室内が、とても気に入っているんだろうなぁと思わせる。
モビリオが登場したのは01年。つまり20年も前のことだ。このクルマが出た時は、クルマ好きたちの間で侃々諤々の議論になった。当時すでにミニバンはポピュラーな存在だったが、ここまで完全にクルマ感を排除した純移動機械風のデザインは初めてだった。しかもそれを、クルマ好きの集団であるはずのホンダが出したというところに、クルマ好きたちが反発したのだ。
モビリオのデザインモチーフは「ユーロトラム」、つまり先進的な路面電車である。東京にはそういうものが身近にないので、当時、私は「モノレールみたいだな」と思った。つまり、機能第一で淡々と人や荷物を運んで移動する乗り物である。あの頃は「何もこんな遅そうなカッコにしなくても」と思ったし、その遅そうなカッコに、オプションでリアスポイラーが用意されていることに、「ホンダは首尾一貫してない!」と怒りを覚えたりした。思えば私もまだ血気盛んだった。
ところが今モビリオを見ると、なんとも癒やされる。特に顔がいい。このタテヨコの線だけで構成された機能オンリーのフロントフェイスが、昔のロボットみたいで懐かしく、逆に人間的に感じる。かつて強い反感を抱いたクルマだけに、自分の感じ方の変化が感慨深い。
そんなモビリオだが、フリードにバトンタッチしてすでに13年。そこそこ売れた割に流通量は減っていて、すでに全国に53台しかない。平均価格は23.5万円。カーマニアの終着駅としてアリかもしれない。
経歴
2001年 キャパの後継車として誕生
室内が広くユーティリティに優れるコンパクトカー・キャパの実質後継車として誕生。全長約4mのボディに7人乗車が可能なコンパクトミニバンに。
2002年 派生車「スパイク」発売
派生モデルとして、5人乗りのモビリオスパイクが誕生。大型で縦形ヘッドライトのモビリオに対して、薄型で横形のヘッドライトを採用された。
2004年 デザインが変更される
マイナーチェンジで前後デザインを変更。ウインカー一体型のヘッドライトを小型化、直線基調のグリルが採用されるなど、スマートな印象に。
2005年 装備の見直しが図られる
一部ボディカラーのバリエーションを変更し、新色6色を含む全10色展開に。インテリアカラーも2色(ブラックとチタン)が設定される。
2008年 スパイクとともに生産終了
2005年末のマイナーチェンジ以降、特別仕様車の追加以外に動きはなく、兄弟車のモビリオスパイクと同様、2008年に生産終了となる。
マニアック指数 25点

グーネット掲載車価格帯 10万から40万円
クルマ好き感ゼロどころかマイナスだったモビリオは、ある意味挑戦的だった。今になってそこにマニアックさを感じるのは、中高年カーマニアだけかもしれないが、登場時の印象はかなり強かったし、微妙にマニアック!
ピピーッ! 取り締まります
ピピーッ! 取り締まります
自動車評論家 永福ランプ
かつて(今も)清水草一、以前はMJブロンディ、そして現在は永福ランプと名乗る。カーマニアを自称し、街中を走るマニアック車を見つけ出すことに老後の楽しみを見つけた。
(掲載されている内容はグー本誌2021年9月号の内容です)※中古車価格はグーネット 2021年7月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。