カーライフ
更新日:2020.11.08 / 掲載日:2020.10.10
令和時代のドライブの楽しみ方

2020年もあっという間に終盤へ突入し、秋も真っ盛り。出かけるにはピッタリの季節ということで、クルマを買ったら、早速ドライブへ行こうと計画している人も多いのではないだろうか。そこで今回は、搭載されるパワーユニットごとに、ドライブが楽しくなるクルマの選び方や、ドライブの楽しみ方について紹介していこう。
(掲載されている内容はグー本誌2020年11月号の内容です)
ドライブを楽しむためにどんなクルマを選ぶか

春以降、新型コロナウイルスの影響で世の中はすっかり自粛ムードだが、いつまでも家にこもったままでいて、いいはずもない。特に秋といえば、暑過ぎず寒過ぎず、外へ出かけるのにちょうどいい気候である。
一方、ドライブはなんといってもクルマの醍醐味だ。今の時代、他人に迷惑をかけない範囲で、密になることを避けて行動するためにも、クルマは適切な移動手段となる。
では、どんなクルマがドライブに向いているのだろうか。ボディタイプ、メーカー、そして、どんなコンディションの物件がいいのか。その選択肢は無限に広がるが、今回は、パワーユニットに注目してみたい。なぜなら、今、中古車でハイブリッドカーを選ぶ人が増えているからだ。もちろん、その先の未来を感じたいならEV(電気自動車)だっておすすめだし、PHEVも選べる。まだまだ内燃機関(エンジン)の魅力を味わいたいならば、クリーンディーゼルを選ぶのもいいだろう。
クルマを買ったら、たっぷりドライブを楽しみたい。そんなことを考えながらクルマ選びをするのも、また楽しいに違いないのだ。
ウィズコロナ時代のお手軽ドライブプランを立てよう
新型コロナウイルスとは上手に付き合いながら出かけたい。まず、愛車でドライブするのであれば、飛行機や新幹線などと違って他人と密になることを避けられる。またそれが、近隣の地域への日帰りや小旅行であれば、周囲を心配させることも少ないだろうし、よく調べてみれば、住居の周囲にもまだ行ったことのないスポットがあるはずだ。旅の目的地を探すことだって楽しいだろう。さらに、今なら「Go to トラベルキャンペーン」など、政府が旅行代金を支援する事業も利用することが可能である。
ポイント
・クルマなら他人と密になりにくい
・近場のまだ行ったことのないスポットへ
・政府主導キャンペーンでお得にGO!
クルマで行ける! 最新スポット大紹介

ショッピングシティ 有明ガーデン
江東区有明の『ショッピングシティ 有明ガーデン』は、2020年6月に開業したばかり。地上5階、地下1階のフロアには、レストランやショップが立ち並ぶ。
ららぽーと愛知東郷
9月14日にグランドオープンしたのが、『ららぽーと愛知東郷』だ。地上4階建ての施設に約200もの店舗が入る大型商業施設。近隣に住む人はぜひ立ち寄りたい。
泉南りんくう公園
関西国際空港のある泉南市に、7月にオープンした『泉南りんくう公園』。カフェやレストランのほか、市場や、グランピングエリア、スポーツエリアなども備える。
いま日本で選べる3つのユニット
PART1 次世代のスタンダード「Hybrid編」
すでにガソリンエンジンの次の主役になりつつある。優れた低燃費性能はドライブ向きで、車種も多く選びやすい。PART2 ハイブリッドより未来へ「Motor編」
電気でモーターを駆動するEVは、ハイブリッドのその先の最先端。化石燃料に頼らないことでエコを追求できる。PART3 エンジンの魅力がたっぷり「Diesel編」
ガソリンエンジンの亜種だが、内燃機関の魅力を濃密に備えるカーマニア御用達のエンジン。走りが力強く楽しい。
【PART1】これ買っときゃ間違いなし? 最新ハイブリッドの実力

いまやどのジャンルでもハイブリッドは選び放題!
[ホンダ] ステップワゴン(現行型)
中古車中心価格帯 140万から270万円(スパーダ)
新車価格 271万4800円から409万4200円
ミニバンの必須能力を最大限にまで高め、「わくわくゲート」をはじめとしたアイデアを採用。標準車のほかスパーダ(写真)、モデューロXなどバリエーションも多彩だ。
ハイブリッドシステムは、エンジンとモーターを組み合わせることによって、エンジンの稼働を減らしながら十分な動力性能を発揮できる。なおかつエンジンを単体で搭載するクルマよりもはるかに低燃費なことから、ランニングコストを抑えるにはうってつけの選択となっている。
以前は燃費を重視するあまり、走行性能がなおざりにされるモデルもあったが、現在はモーターとエンジンが、それぞれ得意とする領域を巧みに使い分け、苦手な部分を補うことで走りと燃費の両方を満足させる車種が増えた。
この10年で普及台数も一気に増え、すべてのジャンルでハイブリッドカーが選べるようになり、中古車市場でもハイブリッドカーが主役になりつつある。
日常的な用途はもちろん、ドライブ旅においてもなにかと得することは多いが、車種によって特性が異なることを知っておきたい。ひと口にハイブリッドカーといっても、モーターの出力やシステムの制御で運転感覚は異なる。また、走行状況によっては燃費が伸びないこともあるので、それぞれがどういう特性を持ち、どんなシチュエーションが得意なのかを把握しておくことが肝要だ。
エンジンとモーターの美味しい部分を選んで走行!

エンジンとモーターを併用し、効率のいい領域を駆使して走行するから燃費がいい。駆動力の切り替え、エネルギーの回生といった制御をスムーズに行ってくれる。
ミニバンならではの魅力!
低床設計によりステップ高が39cmに設定され、大きく開くスライドドアと相まって子どもやお年寄りでもスムーズに乗り降りできる。
大きく開けるテールゲートに横開き式のサブドアを備える。テールゲート側から乗り降りをしたり、荷物の出し入れも可能だ。
OTHER MODEL
![[トヨタ]ハリアーの画像](https://img.goo-net.com/sss/magazine/2020/10/10/442d367bf6f20aaadc20ebd6ed095105.jpg)
[トヨタ]ハリアー(先代型)
2.5L+モーターのハイブリッドは、車両重量に見合った動力性能を発揮。滑らかな加速感や、プレミアムSUVならではの快適で上質な走行フィーリングはドライブ旅にも最適だ。
中古車中心価格帯 180万から330万円
【PART2】現代EV購入白書 中古車で買うEVってどうなの?

[日産]リーフ(現行型)
中古車中心価格帯 170万から260万円
新車価格 332万6400円から499万8400円
世界で最も売れたEVが、2017年にフルモデルチェンジを敢行。モーターのパワーアップや低重心化が図られ、先進運転技術「プロパイロット」も盛り込まれた。
化石燃料を一切使わずに走れるEVが環境性能に秀でていることは理解していても、中古車で買うとなると躊躇するという人は少なくない。その理由としては、一般的なクルマに比べて航続可能距離が短いことに加え、EVの要であるバッテリーの状態を正確に見極めるのが難しいことなどが挙げられる。リーフの場合はバッテリー残量表示で航続距離を判断できるが、バッテリーは充放電を繰り返すことで劣化が進むので、走行距離に関係なく、高年式だから状態がいいとは言い難い。
ただ、不安な要素を払拭する魅力があるのもたしかだ。たとえば走り。アクセル操作に対する反応が鋭く、切れ目のないシームレスな加速感はEVでしか味わえないもの。また、エンジン車のようなメカニカルノイズがなく、走行中の車内は静かで心地いい。ドライバーは走りを楽しみながら、同乗者と一緒に快適にドライブ旅ができる素質を備えているのだ。
小旅行にはうってつけだし、充電施設をうまく活用すれば長距離走行もこなせる。食わず嫌いをせず、クルマとの新しい付き合い方を先取りしてみてはいかがだろうか。
モーターでしか味わえない独自の加速感覚!

アクセルの踏み加減がダイレクトに伝わるフィーリングが爽快感を増幅させる。運転の仕方で航続距離をコントロールできるのも、EVの走りを楽しむ秘訣といえる。
空力性能を考慮した低重心のプロポーションや2トーンルーフでスタイリッシュなイメージを強調。
最先端のクルマだが、操作系は一般的なクルマとほぼ変わらない。車内も十分広く、居心地がいい。
給電スポットは普及したのか?
EVを販売している新車のディーラーはもちろん、高速道路のSAやPA、道の駅。さらにはショッピングモールやコンビニ、スーパーなど、日常的に訪れる場所にも充電器が設置されていることがある。現在、全国の充電スポット数は約1万8000箇所となり、増加傾向にある。
OTHER MODEL

[日産]リーフ(先代型)
EV専用車として設計、デザインされた初代モデルで、200kmを超える実用的な航続距離を達成している。中古車の流通台数が豊富なうえに、相場が一気に下がって購入しやすくなった。
中古車中心価格帯 20万から140万円
みんなが笑顔になる! ドライブカー選びの教科書

いったいどんなクルマがドライブに最適なのか!? 長年、多種多様なクルマに乗ってきた自動車評論家の2人に、ドライブ向きのクルマを選ぶ際に重視するポイントや、家族や恋人が笑顔になるクルマ選びのポイントについて語ってもらった。
2人のベテラン評論家が意見します!
モータージャーナリスト 岡本幸一郎
1968年生まれ。富山県出身。年間300から400台ものクルマを試乗し、さまざまな自動車媒体に寄稿。カスタマイズ事情にも詳しい。カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車評論家 清水草一
1962年生まれ。東京都出身。1993年よりフリーで活動を続けるベテラン自動車評論家。自動車専門誌はもちろん、一般誌にも連載を持つなど、幅広いフィールドで活躍中。
清水「岡本家は、まだお子さんが小さいんだよね」
岡本「そうなんです! 4歳と2歳です」
清水「50代なのにスゴイ(笑)! 我が家も子どもが生まれる前から手が離れた今にいたるまで、ずいぶんいろいろなところへ家族でドライブに行ったけど、新型コロナ禍の今だからこそ、家族旅行はクルマが一番だよね」
岡本「クルマ以外での家族旅行は、ちょっと考えられません!」
清水「クルマなら長距離から短距離まで、国内ならどこへでも行ける。で、いまどきのドライブカー選びの重要ポイントは何だと思う?」
岡本「やっぱり、第一に先進運転支援システムじゃないですか」
清水「たしかに。前車追従型クルーズコントロール(ACC)や自動ブレーキは、これからクルマを買う場合、絶対にこだわりたいね」
岡本「僕としては、高速道路などで自動的に車線を維持してくれる『ステアリング制御』がポイントだと思います。3年落ち以内の中古車なら、かなりの割合で装着されてます」
清水「そうかなぁ。俺はステアリング制御はあんまり重視しない。アクセルとブレーキを自動制御してくれるACCが付いていれば十分じゃない? それだと、6年落ち以内ならだいたい付いてるよ」
岡本「僕がステアリング制御にこだわるのは、ハンドルに気を取られないぶん、車内での会話に集中できるからなんです。オトーサンも家族の会話に加わりたいじゃないですか」
清水「なるほど。それも一理あるけど、実際にACCを使ってる人がまだまだ少ないってのが実情でしょ?だから、まずはACC付きのクルマを買ってみて、実際に体験してみてほしい。本当にラクだし、長距離ドライブが楽しくなるから」
岡本「ある程度クルマにまかせて走るのって、楽しいですよね!」
清水「そう。運転好きの我々がそう言うんだから間違いない。続いてのこだわりポイントは?」
岡本「乗り心地がいいことですね。自分ひとりならサスペンションがガチガチでもいいんですけど、人を乗せるとなると、そこは重要です」
清水「そりゃそうだ。でも、乗り心地のよさって、実際に乗って試してみないと判断できないよね」
岡本「そうですね。たとえばスバルのレヴォーグは、初期型だと乗り心地が固かったですけど、17年モデル以降はすごくしなやかで、よくなってるんですよ」
清水「同じモデルでも、生産時期によってまるで違うことがあるから注意が必要だ」
岡本「3年落ちまでのレヴォーグは、アイサイトも進歩してますし、ドライブカーとしてオススメのモデルです。その他、乗り心地のいいモデルというと、たとえばミニバンならセレナ。視界のよさもミニバン随一です。SUVなら先代型のハリアー。こっちは内装もすごくいいのがポイントですね」
清水「俺は、ボディのしっかり感やサスペンションの接地性のよさを重視したいな。たとえば、トヨタの最新プラットフォーム“TNGA”を採用しているモデルは、そのあたりがみんな優れてる。現行型プリウスがその代表だね」
岡本「今のプリウスは、登場から5年経ってますから、初期型なら相場もこなれてますね」
清水「顔がエグイってことで人気はイマイチだけど、乗るとすごくいいクルマで長距離もラクだよ。それに、ハイブリッド車は渋滞が怖くなくなる。ノロノロ渋滞はモーターだけで静かに走ってくれるし、渋滞にハマるとかえって燃費がアップしたり、とにかく渋滞が得意中の得意。ドライブで混雑に巻き込まれても、心が穏やかでいられるのがイイ」
岡本「ハイブリッドでは、日産のe-POWERもオススメですよ。パワー感はトヨタのハイブリッドより上だし、アクセルにダイレクト感がありますから。セレナe-POWERは、ファミリーカーとしてはかなり無敵じゃないかな」
清水「セレナを推すねから!」
岡本「最近、すっかりファミリー志向で……」
清水「そうだ、あと、ロングドライブならディーゼルがいいんだよ」
岡本「トルクがあるし、燃料代がすごく安上がりですからね」
清水「ロングドライブでの燃料代は、ハイブリッドといい勝負だね。国産車ではマツダが中心になるけど、マツダ車はボディも足まわりもロングドライブ向きだ。先代&現行型CX-5とか、最終型アクセラのディーゼルモデルは、ドライブカーとして絶対満足できる」
岡本「こういう話をしてると、早くドライブに行きたくなりますねから!」
いまや軽自動車にも搭載されている運転支援技術。快適性と安全性を高めたいのであれば必須だ。
「乗り心地」の感じ方は人によりさまざま。柔らかければいいか、しなやかさを求めるのか、試乗でたしかめたいポイントだ。

どう進化した!? 最新PHEVまるわかり

モーターとエンジンを統合制御して、電気でも、ガソリンでも走行できる。最新のアウトランダーPHEVのEV走行可能距離は65.0kmとなっている。
ハイブリッドカーより先進性が感じられて、EVより安心感を得られる。そんないいとこどりのパワーユニットが、「PHEV」ことプラグインハイブリッドカーだ。長距離ドライブにもぴったりのPHEVの現状とは?
[三菱]アウトランダーPHEV(現行型)中古車中心価格帯 130万から410万円
電気を使ってモーターのみでEVとして走り、電気が少なくなったらガソリンを消費しながらハイブリッドカーとして走れる。システム的には、ハイブリッドカーとEVの中間に位置するユニットで、蓄えた電気やエンジンで発電した電気を用いて、出かけ先で家電製品なども使えるなど利便性も高い。国産車であれば、現在は、プリウスPHVやホンダのクラリティPHEVなども選べるが、圧倒的に人気があるのはアウトランダーPHEV。2013年にデビューして以来、グローバルで販売されており、三菱を支えているモデルである。フロントとリアに計2基のモーターを搭載する4WDでもあり、SUVブームにも乗っかって、新車でも中古車でも人気である。
[トヨタ]プリウスPHV(先代型)
中古車中心価格帯 60万から120万円
量産型ハイブリッドカーとしては販売台数ナンバーワンだった先代型プリウスを、外部充電可能とし、EVとしても走れるよう仕上げられたモデル。2017年にモデルチェンジされるまで、毎年のように仕様変更が行われ、装備や性能が向上されていた。
【PART3】 走りが力強い! 燃料代も安い! クルマのを具現化したクリーンディーゼル車

[マツダ]マツダ6セダン
中古車中心価格帯 70万から350万円(最終型アテンザセダン含む)
新車価格 289万3000円から431万7500円
高い品質を備えたフラッグシップモデル。アテンザ時代から7年が経過し、中古車相場もこなれてきた。現在、国産車でディーゼルセダンが選べるのはマツダだけ。
ディーゼルエンジンは、燃料である軽油の燃えやすさを活かしたパワーユニットで、点火プラグを持たず、吸入した空気が圧縮された際に発する熱で軽油を燃焼させる。熱効率が高く、低速域で力強くて低燃費というメリットがある半面、エンジン音が大きく、黒煙を排出するというウイークポイントもあった。
だが現代に蘇ったクリーンディーゼルエンジンには、かつての悪しきイメージは微塵もない。ススを除去するためにフィルターを用いたり、触媒や尿素水でNOx(窒素酸化物)を浄化することで厳しい排出ガス規制をクリアした最新ディーゼルは、かつて揶揄されていたような「うるさい」、「臭い」といった印象は皆無。環境にいいユニットとして認知されている。
クリーンディーゼルの運転感覚は、エンジン回転が低い領域からパワフルな駆動力をスムーズに発揮するので、ストップ&ゴーが連続する街中では運転がしやすく、追い抜きなどの場面でもアクセルペダルを少し踏み増すだけで速度を滑らかに高められる。こうしたフィーリングは、高速道路や峠道など、ドライブ旅のあらゆる場面で実感できるはずだ。搭載車種は限られているが、いずれの車種も移動する楽しさを存分に味わわせてくれるだろう。
エンジンの濃密な味わいを堪能できる!

ディーゼルエンジンはひとクラス上のガソリンエンジンに相当する豊かなトルク特性を発揮。市街地では扱いやすく、ロングドライブでは余裕のある走りが味わえる。
積載する頻度の高い荷物のサイズや規格を考慮した作りとするなど使い勝手を追求している。トランクスルー機構も備わる。
運転席まわりは視覚的に感じる美しさだけでなく、触れたときの心地よさを追求することで上質な空間に仕上げられている。
OTHER MODEL
OTHER MODEL
[三菱]パジェロ(最終型)
3.2Lクリーンディーゼルエンジンは、厳しい排ガス規制をクリアしながら、ヘビー級のボディをものともしない動力性能を発揮する。悪路走破性は世界的に見ても指折りのレベルにある。
中古車中心価格帯 70万から290万円
ただの旅の休憩所じゃない!? 高速道路SA・PAの楽しみ方
「紹介する人」自動車ライターマリオ高野
SA・PAが好きすぎて、沖縄や北海道以外はなるべく自走で移動する男。1日1000km程度のロングドライブなら苦ではない!
ドライブ好きにもうれしい進化発展を遂げている
05年の道路4公団民営化後、高速道路のSA(サービスエリア)とPA(パーキングエリア)は、「ご当地らしさ」を強調する方向に進化・発展を遂げてきました。食事やお土産物はもちろん、さまざまな演出により、その土地ならではの特色や文化を強く推すことにより、訪れた人をもてなしてくれます。長距離ドライブの魅力は、SA・PAの充実化によって年々増しているのです。
さらに、コロナ禍の現在、都道府県をまたぐような旅の途中で、地元の人が多くいる主要都市や観光地へ足を運んで下手に散策するよりは、場合によっては、高速道路のSA・PAに立ち寄ったほうがいいかもしれません。周囲の人にいらぬ心配をさせることも少ないですし、SA・PAでも、その土地ごとの情緒が十分味わえるからです。
これまで、日本全国のさまざまなSA・PAに立ち寄った経験がある筆者にとって、最近のSA・PAでの一番の楽しみといえば、ここ数年で多くのSA・PAが力を入れるようになった、ご当地ヒーローとして人気の戦国武将に関連した演出です。
最近のSA・PAでは、各地の歴史を軸とした魅力を訴求し、その土地にゆかりの深い戦国武将や合戦にまつわるオリジナルグッズなども数多く販売されています。そもそも高速道路は昔からの街道をベースに作られることが多いので、歴史的な要衝をほぼ通りますし、有力な武将の拠点や有名な城跡近くを通るレイアウトになっていることが多いのです。
もちろん、歴史スポットだけでなく、SA・PAでは地元の特産品が買えたり、味わえたり、インスタ映えする絶景スポットが見えたりする場所だってあります。人気で売り切れてしまうものや、限定グルメだって存在します。
そういった意味でも、ドライブ好きにとって高速道路の旅は、工夫を凝らしたSA・PAのおかげで飛行機や新幹線での旅より圧倒的に楽しく、ドライブを積極的に楽しむための魅力的な立ち寄りスポットとして、注目していただきたいポイントが多くあります。新型コロナウイルス感染拡大には十分注意をしながら、ドライブ旅を楽しみましょう。
織田・徳川軍が大量の鉄砲を運用したことで有名な「長篠設楽原の戦い」を解説するため、長篠設楽原PAには種子島から伝わった当時の鉄砲が展示されている。
東北道・菅生PAには、南奥州の英雄として大人気の伊達政宗関連グッズがたくさん。真偽はともかく、政宗が考案したとされる「ずんだ」系お菓子のラインアップも豊富。
マリオ高野が歴史ファンにオススメしたいSA・PA
新名神高速道路/甲南PA(上り/下り)
「甲賀忍者の里」を前面に押し出し、忍者関連のグッズがとにかく豊富。子どもウケも最高なので、子どもがドライブに飽きたら立ち寄りたい。
東九州道/別府湾SA(上り/下り)
「歴史の道」と呼ばれる遊歩道には、九州のキリシタン大名として知られる大友宗麟や、大分県の歴史を振り返るモニュメントが設置される。
東北道/菅生PA(下り)
伊達政宗関連のグッズや展示も豊富だが、SAやPAではめずらしいカウンター席の海鮮料理店や牛タン料理など、宮城の名物料理も堪能できる。
【総括】クルマを買ったら秋ドライブへ行こう!
クルマを持っていない人が初めて愛車を手に入れたなら、その人の行動範囲は一気に広がるだろう。すでにクルマを持っていた人も愛車を乗り換えることで、またドライブへ行きたいという欲望にとらわれるに違いない。
ここまでさまざまな車種やパワーユニットを紹介してきたが、「ドライブ向き」なモデルはあるとしても、「ドライブに不向き」というモデルは存在しない。どんなクルマでも運転することに違いはなく、その楽しさは際限なくすべてのクルマで味わうことができるからだ。愛車を入手したら、長距離でも短距離でも、昼でも夜でも、好きなときに好きなだけドライブに出かけようではないか。
※中古車価格はグーネット 2020年9月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。