カーライフ
更新日:2020.06.10 / 掲載日:2020.06.10
こんなときどうする? クルマ購入で困ったときの段階別Q&A

悩むこともクルマ購入の醍醐味じゃないか? たしかにそういう意見もあるが、悩まされるのは、魅力的な物件があり過ぎて選びきれないときだけにしたいもの。物件選びや販売店訪問、契約手続きといった購入の各段階で、できるかぎり頭を悩ませないためにも、事前に購入Q&Aを学び、実用化していこう!
(掲載されている内容はグー本誌2020年7月号の内容です)
クルマ購入におけるさまざまな悩みを解決
新年度を迎え、いよいよ新生活が始まり……と思いきや、新型コロナウイルスの影響で国民総自粛生活へ。とはいえ、生活にどうしてもクルマが必要という人は数多く存在するし、新型コロナウイルスが去った後、すぐにクルマを購入すべく、今から準備しているという人だって少なからずいることだろう。
そこで今回は、クルマ購入の初心者だけでなく、久々にクルマを買い替えるという人たちへ向けて、購入する際の各段階ごとに、頭に浮かびがちなさまざまな疑問や、先に知っておけば得するような情報をピックアップした。そして、「いざ購入!」となったとき、悩まずに購入手続きを進められるよう、これらをわかりやすく、Q&A形式で解説していく。
【第1章】時事問題のQ&A
Q1.コロナ禍が及ぼすカーライフへの影響とは?

A.車検証の有効期限が伸長された
ウイルス感染拡大防止のため、車検証の有効期限が令和2年4月17日から5月31日までの車両は令和2年6月1日まで、有効期間が令和2年6月1日から同30日までの車両は令和2年7月1日まで、期限が伸長された。

A.運転免許証更新の有効期限を延長
現在、免許センターや警察署などでは、免許証の更新手続き業務は一部中止されている。そのため、期限前に申請(地域によって異なる)することで、期限を3ヶ月間延長できる措置がとられている。

コロナ禍が終息したとき、中古車販売店が一斉ににぎわい、一時的に相場が上がる可能性も。
A.営業を続ける販売店の状況
各自動車メーカーの国内工場は、休業状態、もしくは生産調整に入った。そのため、新車ディーラーは各社ごとの営業判断となり、休業する店舗も増えた。中古車販売店も店舗ごとの判断をしているが、やはり客足にはブレーキがかかっているという。一方で、オークション価格が下がり始めている影響で、店頭価格が平時より安くなった販売店も出てきた。
我々の生活をひっくり返した新型コロナウイルスの勢いは、(記事制作中の5月中旬現在)収まるところを知らない。そして、4月末の緊急事態宣言以降、外出を控える人が増えている一方で、外出時の移動手段を、電車からクルマへ切り替えた人も増えているという。
クルマは個室空間であり、ウイルス対策としては最適だ。しかし、運転するためには、車検や免許証の更新なども欠かせない。そのためにも、自動車関連の新型コロナ対策について、最新情報を知っておきたい。
Q2.梅雨時期、愛車の手入れで 忘れてはいけないことは?

日常的な手入れとしても、また、いつか手放すときのことを考えても、雨対策をしておいて損はない。
A.早めにコーティングを施し、タイヤやワイパーも確認しておく
いよいよ梅雨の季節が到来。雨にさらされている時間が長ければ長いほど、車体はダメージを受けてしまうもの。放っておくのはよくない! 雨粒に含まれる埃や細かな有害物質は、ボディの塗装面に入り込み、そのままにしておくと汚れは落ちにくくなる。こまめに洗車できればいいのだが、時間をかけられないというのであれば、洗車後にコーティングを施すことが大切。ウインドウガラスは、油膜を落としたうえで、撥水処理をしておこう。ワイパーゴムやタイヤの劣化も走行前にチェックしておくことが肝要だ。
【第2章】購入前のQ&A
Q1.いつも見ているグーネットの便利な使い方って?

A.年式で絞る際にカタログを閲覧できる
希少な車種でない限り、同一車種でも年式が1年古い物件のほうが価格は安いというのが中古車の定石である。では、年式ごとにどういった差があるのか。それを調べるときに有効なのが、カタログページだ。スペックや装備内容の違いを把握すれば絞り込みが効率的に行える。

A.オンライン商談ができる
グーネットには、ビデオ通話などを用いて車両状態の確認や商談日時を予約できる(オンライン商談予約)という機能が追加された。オンライン商談ができる物件には(オンライン商談予約ボタン)が設けられており、自宅にいながらリアルな中古車購入の検討が行える。
A.試乗予約だってできる
グーネットの「予約サービス」は、1.来店予約、2.試乗予約、3.同乗予約という3つの機能を提供している。いずれも事前に予約することで、接客中で待たされたり、希望のクルマが見られなかったり、試乗できなかったりという時間のロスを回避できる。販売店巡りが効率的にできるサービスなので、ぜひ活用してほしい。
Q2.物件の走行距離についてどう考えるべきか?
A.価格の安さと車両の状態とを天秤にかける
過走行車は相場が下がる傾向にあるのが中古車市場の常識だ。それゆえ価格が安く、中古車としては魅力的な選択となる。
走行距離が多い=酷使されたクルマというイメージから、エンジンやトランスミッションといった主要部品が壊れやすいのでは? と懸念する人は多いかもしれない。しかし、近年のクルマは定期的なメンテナンスを済ませていれば、意外にも壊れにくい。ポジティブに捉えるなら、しっかりと手入れされた格安な過走行車を手に入れて、短期間で乗り継ぐということもできる。いろいろなクルマを所有できるのは楽しいものだし、常に新鮮な気分を味わえる。
ただし所有期間の長短を問わず、安心して乗り続けるためには、パーツの消耗具合や点検頻度、内外装のヤレなど、チェックすべき項目を押さえ、それらを見極める目が必要だ。
外観のキズ
過走行車は使われていた頻度が高いので、多少なりともキズや汚れが目立つが、極端な凹みでなければ許容すべし。消耗パーツ
タイヤやブレーキパッドなど走行に支障が生じるパーツの劣化を確認し、状態によっては交換が可能か交渉しよう。電装系パーツ
カーナビをはじめとした電装品が正しく作動するか否かは要チェックポイント。車内のランプ類も確認したい。
走行距離【多い・少ない】物件それぞれのメリット

クルマは耐久消費財なので使用頻度に応じて消耗する。走行距離が少なければその度合いが少なく、内外装のコンディションで気になる要素がほとんどない。長く乗るには有利だが、たとえ車種や年式が同じでも価格は高くなる。
【第3章】お金にまつわるQ&A
Q1.中古車には値引きがないって本当か?

中古車はふたつと同じ個体が存在しないため、ユーザーが値引き額を購入の決め手とすることがないというのも値引きが行われない理由だ。
A.基本的にはないと考えておいていい
中古車の価格は、相場の動向、各個体の年式や走行距離、装備内容などをふまえ、販売店が独自に決めているので、定められた価格がある新車のように、他店との差異を生み出すための値引きがない。店舗の販売方針にもよるため、絶対にないとは言い切れないが、たとえ値引き交渉をしても、大幅な値引きの獲得は期待できない。
Q2.エコカー減税は中古車にも適用されるのか?

A.される。しかしその条件は厳しい
エコカー減税に適合した中古車を購入した場合、中古車特例として自動車取得税が軽減されてきた。次世代車なら一律45万円、排出ガス性能の優秀な車両は排出ガス基準の達成度によって軽減率が設定されている。また、昨年、消費税率が10%に引き上げられたことにともない、自動車の購入時に課税される自動車取得税が廃止され、新たに環境性能に応じて課税する「環境性能割」が導入された。環境性能割は中古車も対象となり、省エネ法の燃費基準達成度などに応じた税率が、取得価額に対して課税される。いずれにしても最新の燃料消費抑制技術を採用した高年式車だけが優遇対象となるので、条件は厳しいと言わざるを得ない。
Q3. 後々、高く売れるのはどんなクルマか?
A.新車購入時にしか選べない、ボディカラーや装備などが重要
最近は、できるだけ長く乗ることを想定して購入する人が多いため、売却時に得する条件をさほど重視しない傾向が強い。しかし、いつかなにかしらの事情で手放さなければならないことがあるかもしれない。だからこそ、クルマを選ぶ際には、下取り査定で好条件が引き出せる要素を考慮することも必要となってくる。 条件はいろいろあるが、ポイントは「市場で人気の要素」。たとえば、売れ筋グレードでなおかつ人気のエンジンを搭載しているとか、ボディカラーが白や黒といった人気色であること。装備内容についても、本革シートや純正カーナビといった、新車時でないと付けにくいアイテムが充実していると有利になる。こうした車両は市場での需要も高く、長期在庫のリスクが少ないので、好条件を引き出しやすいのだ。
白や黒などの流行に左右されないスタンダードなカラーは市場での需要が安定しているので高く売れる。
リアカメラやカーナビは、アフターメーカーよりも純正品のほうが買取時の評価が高い傾向にある。
売却時に高く評価されるポイント
・白か黒のボディカラー
・安全運転支援システム
・サンルーフ
・本革シート
・純正カーナビ
・純正パーツの有無
・記録簿
Q4.諸費用はどうすれば安く抑えられるのか?
A.まずは省けるものと省けないものを知ることから
クルマを購入するときには、車両本体価格のほかに諸費用がかかる。諸費用の内訳は、税金や保険といったクルマ購入時にかかる法律で定められた「法定費用」と、各種手続きを販売店に依頼するために必要な「代行費用」に分けられる。 法定諸費用を節約するには、自動車税や自動車重量税が安く済む、軽自動車やコンパクトカーなどを選ぶ必要があるので、ねらっている車種がそれ以外の場合は有効ではない。やはり現実的には、代行費用に含まれる車庫証明代行費用や納車費用といった、自分でやればカットできる費用を削減するというのが諸費用を安く抑えるための手段となるだろう。 諸費用を安く抑えるには、販売店との交渉のなかで、諸費用に含まれる内容を確認し、どの程度省けるのかを確認することが重要となる。
上半分の法定費用は車種のタイプや排気量によって決められている。代行費用は一律で金額が決まっているわけではなく、販売店によって金額が異なる。販売店と相談し、手続きを自分で行うことでまとまった費用を浮かせることができる。
Q5.燃費性能は維持費にどれくらい影響するのか?

A.多少、燃料代は変わってくるが、購入価格の差を埋めるほどではない
燃料消費を大幅に抑制できるハイブリッドカーは、いまやクルマ購入において外せない選択肢となっている。中古車市場でも流通台数の増加にともなって選べる車種が増え、価格も手頃になってきた。そこで検討材料として挙げられるのが、ジャンルやクラスが同一の場合、ガソリン車とハイブリッドカーでどちらが得か? ということ。ハイブリッドカーを選ぶことで燃料の給油回数が減って経済面での恩恵は得られるが、車両価格の差額を燃費の差で埋めるには、相当な距離数を走行する必要があり、トータルで考えても元を取ることは相当厳しい。しかし、維持費が抑えられているという実感は十分得られるので、所有するメリットは大いにある。

同モデルの場合、年式が新しいほうが燃費性能に優れていて当然で、価格も高くなる。この差を燃費性能で考えるよりも先進性や走行性能とのバランスを重視して選ぶべきだ。
Q6.これから相場が下がると予想されるのはどんなクルマ?

セダンは他のジャンルに比べると年式のわりに値落ち率が大きい。年配のユーザーが所有していたケースも多いのでコンディションのいい車両がねらえるのも特徴だ。
A.レジャーに向かないセダンなどは不人気だが、相場が安く、ねらい目に
中古車の相場は、需要と供給のバランスで成り立っているため、不人気なジャンルや車種は値崩れしやすい傾向にある。特にこれからのレジャーシーズンは、セダンの売れ行きが低迷し、人気はSUVやミニバンに集中する。セダンはレジャーユースには不向きだが、バランスのいいボディ構造や重心の低さで走行性が高く、室内は快適志向で実用性にも不満はない。さらにバリエーションも多彩で、価格の幅が広いので予算に応じた選択ができる。セダンを筆頭に不人気車は需要が少ないおかげで、中古車の価格が、年式や車格のわりに値頃感も強い。売れ筋をねらうのもいいが、不人気であることを逆手にとれば、愛車をお得に手に入れることができる。
今後、人気の高まりが予想されるジャンル
・多少の悪路でも走破できるSUV
・荷物がたくさん載せられるワゴン
・人がたくさん乗れるミニバン
【第4章】販売店訪問のQ&A
Q1.現場でパニックにならないために知っておきたい手順とは?
A.事前に行動を考えておけば問題なし
まず店を訪れたら、店員と挨拶をかわすこと。こちらが店員をチェックするのと同様に、相手もこちらを見ている。客のことが気に入れば、場合によってはサービスなど、得することがあるかもしれない。
次に、目的の物件を告げる。もし似たような条件の物件があるというなら、それもあとで見せてもらうといいだろう。また、ある程度、車両情報をチェックしてきて疑問点があれば、ここでしっかり聞いておこう。
販売店次第だが、基本的には販売店員とともに物件をチェックすることになる。チェック箇所はジャンルや車種によって異なるが、外観は、遠目からボディ全体を見るのがポイント。左右や前後のバランスがおかしい部分を見つけやすい。スイッチ類のオンオフや、エンジンの始動もしておきたい。最後に、改めて店員と話をして疑問点を確認。よほどレアな車種でなければ、決断はひと晩考えてからでも遅くはないだろう。
[販売店訪問時の流れ]
販売店の店員に声をかける
↓
目当ての物件を告げて案内してもらう
↓
店員に概要を尋ねる
↓
外観をチェック
↓
(店員に確認して)内装をチェック
↓
(店員に確認して)エンジンをかける、試乗
↓
疑問点を店員に確認する
↓
決断?

店舗を訪れる前に目当てのクルマの有無を確認しておけば店舗も準備ができるし無駄足を避けられる。
落ち着いて商談するためには事前の準備が重要となる
販売店では、右の手順に沿って話を進めていけば問題ない。その他のポイントとしては、販売店のスタッフと信頼関係を築くこと。それから慌てないためにぜひオススメなのが、事前に来店予約をしておくこと。販売店側も準備して待っていてくれるので店舗ですべきことがスムーズに実行できる。
Q2.物件を確認する際、絶対にサボってはいけないことは?

A.運転席に座ることと、(可能なら)エンジンをかけてみること
クルマは試乗して買うのが大前提だが、車検が切れていたり、未整備であるため安全を考慮して試乗がNGとなる場合もある。そんなときでも必ず運転席には乗り込むこと。そして販売店スタッフに確認したうえで、可能ならエンジンを始動させ、クルマに備わっているさまざまな機能が正常に動くかどうかをチェックしたい。
エアコンの効き具合をはじめ、パワーウインドウやパワーシートといった装備の可動がスムーズかなど、動かせるものはすべて動かしてみるといい。不具合は保証の対象になるが、買ったあとにあれこれ修理するのは気持ちのいいものではないから、事前に把握して不安要素は解消しておきたい。
Q3.販売店を訪問するなら、昼間や晴天時がいいと言われる理由とは?

A.ボディのキズや凹みなどが見えやすい
販売店ですべきことのなかでも重要なポイントとして、内外装のコンディション確認がある。そのとき気をつけたいのはできるだけ昼に行うこと。しかも天候は晴れがベストだ。夜や雨天時は、ボディの色ムラや補修によるゆがみ、ボディの小キズなどが見分けにくくなる。夜間でも照明の下で確認できるだろうが、それでも晴天の昼間とは見え方やボディカラーの印象などが異なる。内装についても同様だ。シートの色合い、表皮のヤレや汚れなど細かい部分は晴れているほうが断然わかりやすい。また、内外装をチェックする際は、細部より全体の印象を重視し、そのうえで細部の状態をシビアに見ていくことが重要となる。
【第5章】契約時のQ&A
自動車評論家 清水草一
軽自動車からスーパーカーまでなんでもござれのベテラン自動車評論家。人生で初めて購入したフェラーリの348を約30年ぶりに再購入した。
Q1.クルマのプロがすすめる時短のためのテクニックとは?
車庫証明の取得には、地元の警察署を訪れる必要があり、販売店に任せるとそれなりに時間がかかる。セルフ取得できれば費用も浮く。
非常に悩ましいのが希望ナンバー。悩んでいるとあっという間に時間が経ってしまうので、契約前の段階で決めておくといい。
A.悩ましい決断は事前に答えを出しておく
すでに購入する物件が決まってしまったのであれば、「あとはじっくりと契約手続きを進めればいい」というのが私の考え方だが、なかには一刻も早く納車を済ませたいという人もいるだろう。じつは、契約段階でも時短につながる行為はいくつかある。
まず、印鑑証明などの必要書類を契約前の段階から揃えておくこと。大物は車庫証明だが、これも自分で用意することができれば、発送などの時間が節約になること請け合いだ。
また、ディーラー系販売店でない限り、中古車の保証は短距離・短期間が主流だ。それを延長するのに数万円払うかどうかを悩んでいると時間がかかってしまう。どちらにすべきかはケースバイケースだが、事前に決断しておくと時短になる。
同様に、コーティングサービスも5万円以上の高額なものが主流。納車後に近所のショップでやるものとあまり違いがわからないので、私は買ってから自分でやる派。希望ナンバーもそうだが、契約時に悩むのではなく、そういった決断を事前に決めておけば確実に時短につながる。
契約手続きを早く進めるためのポイント
《事前に用意しておけるもの》・印鑑証明書(実印)
《自分で用意できるもの》・車庫証明書
《事前に決断しておくべきこと》・車両保証/・ボディコーティング/・希望ナンバー
Q2.契約後に後悔しないためにチェックすべき点とは?
書面のなかに不明な項目や数字があるようなら、すぐに店員に尋ねること。基本的には、契約後に修正することはできない。
知ったかぶりをしていないか、質問に答えられるか、物件を大切に扱っているか、といったあたりで店員を判断するといい。
A.契約書面と販売店員をよく見ること
購入後に後悔したくないなら、契約を決める前に最後の確認が重要となる。まずチェックしておきたいのは契約書だ。書面の数字が正しいか否か、面倒くさいと思うかもしれないが、間違いや不明点がないかどうか確認しておきたい。保証内容についても、文書を用意してもらい、その内容をチェックしておくといいだろう。
もうひとつ大切なのは、販売店員だ。全国には2万を超える中古車販売店があるといわれており、数ある店舗のなかからひとつに絞り込むのは簡単なことではない。しかし、店員が信頼できるかどうか見分けることさえできれば、よほどのことがない限り販売店選びでハズレを引くことはないだろう。もちろんそのためには、人を判断する自分なりの基準が必要だ。現場で慌てないために、事前に質問を考えておくのも手だ。
中古車購入の鉄則は「クルマを見るな人を見ろ!」
店員がいい人なら物件が安くなるわけではないが、コンディションの優れた程度のいい物件を売ってもらえる確率は高まる。手続きなどのやりとりで、店員の人となりはどうだったか。契約を決めてしまう前に、一度だけでも振り返ってみたい。
【第6章】購入後のQ&A
Q1.納車の際、最後にチェックしたいものとは?

保証箇所について文面を発行しない販売店も存在するが、文書として残っていれば安心できる。
A.保証の内容に沿って車両状態を把握しておく
待ちに待った納車の日となると、たいていの人は嬉しさのあまり、車両のチェックなど忘れてしまいがちだ。ここまでのやりとりで販売店との信頼関係ができあがっていると、ついつい気が緩んでしまうものだが、最後の仕事だと思って、目の前にある車体をチェックしておきたい。 確認すべき箇所は、納車までに販売店が手を入れた部分と、保証の対象となる部分の2点。自分が物件を確認した日以降に販売店が手を入れたと予想される箇所をチェックし、「納車までにオイル交換しておきます」とか、「アライメントを取り直します」といった言葉があれば、本当に実施されたかどうか確認する。そういった箇所がないか尋ねてもいいだろう。 もうひとつは保証対象となる箇所。納車された後で不具合に気づき、「納車前から壊れていた!」と主張しても遅いのだ。納車時に、保証部位に不具合がないかどうかをチェックしておけば安心である。
Q2.愛車を維持していくうえで節約できる部分って?
手洗いした際に愛車のいい部分に改めて気づくという人も多い。また、洗車時にキズなどの変化を発見することもできる。
セルフでオイル交換すれば費用は節約できるが、知識や器具が必要になるため、初心者にはあまりおすすめできない。
A.洗車、オイル交換、燃費向上テクニックなど
愛車の維持費の節約方法といえば、まずは洗車費用だ。ガソリンスタンドなどで頼むのもいいが、毎月のこととなると費用はそれなりにかさむ。洗車用品を買ってきて自分で洗車すれば節約になるし、デザインや機能性など、愛車の新たな一面を見つけることができたりして、一石二鳥だ。オイル交換は、高価なオイルを選ぶのではなく、安めのオイルを選んで、総計して高いオイルの金額を上まわらない程度に回数を少し多くするといいだろう。走るためにどうしても必要な燃料代は、エコランテクニックで節約したい。不用意に加速と減速を繰り返すのではなく、周囲の流れを見つつ、無駄なアクセルを踏むことを避けるようにする。混雑している時間帯を避けるのもいいだろう。
Q3.愛車を手放すベストな方法とは?
A.基本的には買取専門店が最も高価格
愛車を手放すには、基本的には2つの方法が考えられる。次の愛車を購入する店へ下取りに出すか、買取専門店へ売却するかだ。買取専門店は、幅広い相場でみられる、在庫期間を少なくできる、販路が広いといった理由で、査定額を高く設定することができる。個人売買やオークション出展などもあるが、売却後のトラブルなどのリスクを考えると、プロに任せたほうがいいだろう。
総括

暖かくなってくると、俄然ドライブへ出かけたくなってくる。今は、納車後のカーライフを想像して楽しむのもまた一興だ。
晴れやかな気持ちとともにクルマ購入へ!
ここまで合計18ものQ(設問)と、それに対するA(回答)を紹介してきた。クルマ購入の段階ごとに順序立てながら解説してきたが、読者諸兄が知りたかった疑問は、果たして解消されただろうか。
クルマを購入するという行為は、よほどの大金持ちでもない限り、人生でそう何度も経験できることではない。そのため、初めての購入ではないが、購入手続きが数年ぶりという人も多いことは間違いない。この記事で疑問を解消できたのであれば、晴れやかな気持ちとともに、人生のビッグイベントであるクルマ購入に、楽しみながら挑もうではないか。
※中古車価格はグーネット 2020年5月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。