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更新日:2025.09.09 / 掲載日:2025.09.09
アフターサービスの満足度、レクサス&日産が1位に。 J.D. パワー調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー ジャパン(本社:東京都港区)は9月4日、「2025年日本自動車サービス顧客満足度(Customer Service Index、略称CSI)調査」の結果を発表した。
アフターサービス利用後の対応による顧客満足度 1位になったのは…
同調査は、年に一回、新車購入後14〜49ヶ月が経過したユーザーを対象に、メーカー系正規ディーラーで1年以内に点検や修理などのアフターサービスを利用した際の販売店の対応に関する評価を明らかにするもので、今年で24回目の実施となる。
今回の調査では、総合満足度の調査平均スコアは723ポイント(1,000ポイント満点)で、前年比マイナス2ポイント。ファクター別の調査平均スコアでは、「店舗施設・サポート」が723ポイント、「予約/入庫」が722ポイント、「サービス品質/納車」が722ポイントとなった。

セグメント別の総合満足度スコアは、ラグジュアリーブランド平均が781ポイント、マスマーケット国産ブランド平均が719ポイントとなった。
ユーザーはウェブサイトのさらなる活用に期待

今回の調査結果に際し、J.D.パワーでは昨今の人手不足問題を背景とした、自動車ディーラーのアフターサービスにおける、車の使用履歴や故障データの一元管理、オンライン整備サポート、AIによる故障診断など、DX化による作業効率や作業品質の強化に着目。
同調査では、入庫日時の予約方法について、最初にどのような方法がとられたかを聴取しており、「メーカー/販売店のウェブサイトの予約フォーム」を利用した顧客は、前年からプラス3ポイントの20%に。また、予約/入庫における満足度との関係をみると、「メーカー/販売店のウェブサイトの予約フォーム」で予約した場合は732ポイントで、全体を10ポイント上回ったという。
予約方法の主流は「電話」
最も多い予約方法は、「販売店の担当者からの電話」が33%と前年に続き最多であり、依然として予約方法の主流であることがわかった。また、予約方法が「販売店の担当者からの電話」であった場合の満足度も748ポイントと全体を26ポイント上回る高い評価を得ている。
入庫の希望日時と実際に予約できた日時を比較すると、「第一希望の日時になった」割合は全体で46%であり、半数強は第一希望の日時での予約は取れなかったことが明らかとなった。予約方法別に第一希望の日時での予約が取れた割合をみると、「メーカー/販売店のウェブサイトの予約フォーム」(54%)が最も高いが、それでも半数弱は第一希望の日時での予約は出来ていないとされる。
「来店日時のインターネット予約」改善に期待
同調査では、保有している自動車メーカーや販売店への今後の期待についても聴取しており、「来店日時のインターネット予約」を挙げる顧客は23%と全項目中で最多であったという。
店舗オペレーションの効率化と顧客満足度の向上に向けては、顧客へのインターネット予約の案内、予約開始時期の見直し、予約枠の最適化など、顧客の希望に沿った入庫予約を実現するためのさらなる工夫が求められるとしている。
店舗オペレーションの最適化、従来的な体制の見直しが満足度向上のカギ

自動車ディーラーは、より多機能で高度化されていく車の点検・修理を効率よく、的確に行う必要がある。その一方で、アフターサービスでの点検・修理の内容を顧客に適切に伝えることも満足度向上においては重要であるとする。
作業前・納車時の説明担当者は「整備士/メカニック」が最多
入庫時に作業前の説明や確認を行った担当者は、全体では「整備士/メカニック」が36%で、「セールス担当者」(29%)、「サービス担当者」(28%)を上回った。納車時の説明の担当者は、全体では「整備士/メカニック」が55%と、「サービス担当者」(24%)、「セールス担当者」(20%)を大きく上回る結果となった。また、車メーカーによってどの担当者が対応したかの比率は大きく異なり、車メーカー間において、担当者ごとの評価水準の優劣も差が大きかったという。
限られた人員での効率的なオペレーション実現が課題
調査結果を踏まえてJ.D.パワーでは、“現状として入庫や納車時に「整備士/メカニック」がメインで顧客対応を担っているケースが多い実態がみられたが、自動車ディーラーでも人材不足が叫ばれている今、従来的な体制のままでは顧客が満足する対応を実践するのが難しいケースも出てきていると推測される。店舗での限られた人員による効率的な店舗オペレーションの実現に向けた改善の取り組みは必須と言える”とまとめている。
調査概要
■実施期間:2025年5月~6月
■調査方法:インターネット
■調査対象:新車購入後 14~49ヶ月が経過し、直近1年間にメーカー系正規ディーラーにサービス入庫したユーザー(18 歳以上)
■調査回答者数:8,310人
※総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に 1,000 ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に「店舗施設・サポート」(35%)、「サービス品質/納車」(34%)、「予約/入庫」(31%)となっている(カッコ内は影響度)。
J.D. パワー 公式HP:
https://japan.jdpower.com/ja
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