カーライフ
更新日:2025.09.02 / 掲載日:2025.09.02
沖縄で出会ったトライトン【九島辰也】

文●九島辰也 写真●九島辰也、三菱
今年の夏のいちばんの想い出は、沖縄に行ったこと。文字通りの青い海と空に感激しました。最後に行ったのは7年くらい前でしょうか。かつてはメディア向けの試乗会も行われていて、名護周辺の海岸線を走らせた記憶があります。今回行った古宇利大橋もそのあたり。オープンカーのテストドライブで走ったことを思い出しました。
なんて書き出すと、絵日記のような気分になりますが、現実は1泊2日の弾丸取材。着いた日の昼から翌日の夕方までみっちり撮影させていただきました。

取材先はダイビングショップオーナーで、三菱 トライトンに乗っています。クルマでショップのお客さんを送迎し、リアのベッドにタンクやBCジャケットやレギュレーターを積んでダイビングスポットへ向かいます。まさに働くピックアップトラック。理想的でカッコいい使い方です。
個人的にも学生時代はピックアップトラックを所有してそんな使い方をしていました。ダットサントラック720型キングキャブのロングベッドで、近所のガラス屋さんが使っていたものを譲り受けました。使用目的は週に一度のサーフィンで、荷台にサーフボードを積んでかなり実用的に使っていました。ウェットスーツやリーシュ、シャワー用水タンクを積み込んで。
サーフトリップにも使っていました。当時は伊豆方面が多かった。白浜や多々戸浜あたりです。夏の海岸線はいつも渋滞していたので、疲れると道端に寄せてベッドの上で休憩していました。あまりの気持ちよさにそのまま寝ちゃったことも。

話を戻すと、働くトライトンはとてもかっこよかった。これみよがしではない自然体なところに魅力を感じます。アメリカのインディアナ州にホームステイしていた時のようです。フツーの家がフツーにピックアップトラックを所有していました。グレードがGLSというのもササりました。特別な装飾はありません。まさにベースグレードといったところでしょう。フルノーマルで十分使い倒せます。替えるならタイヤとホイールくらいですかね。オフロードタイヤを履かせるとワイルドさが増します。BFグッドリッチのオールテレインで完成です。

それにGLSはサイズもグッド。全幅1930mmのGSRに対し1865mmにとどまります。その差65mm。全幅が1900mm超えるのとそうじゃないのではメンタル的にも変わるのでこれは大きなメリットです。全長と全高もGLSの方が若干ですが小さくなります。走っている分には変わりませんが、駐車する時にサイズは気になります。バックモニターやカメラ類が充実しているので、実際はそれほど苦労はないと思いますが。
エンジンは2.4リッター直4ターボのディーゼルです。最高出力は204psとなります。組み合わされるのは6速ATで、駆動方式は4Wです。といっても通常走行は2WDで走れるので四駆が燃費の与える影響は少ないと思われます。それよりもセンターデフロックをできる方がありがたい。スーパーローギアもあってかつての三菱の四駆神話を思い出します。80年代のパジェロブームはハンパなかった。パリダカに代表されるラリーでの活躍は三菱の名を世界に轟かせました。

走行には7つのドライブモードが用意されています。SNOW/MUD/SAND/ROCKといったモードを選択できます。トラクションだけでなく、ギアのセレクトなどが適切に制御されます。三菱らしいのはGRAVEL(グラベル)モード。未舗装路を指しますが、ラリー用語とも言えるでしょう。でもってこれがウェット路面でも効果あり。ということで、沖縄のトライトンユーザーも雨の日はGRAVELが役立っていますと語ってくれました。
ということで、今回は夏の想い出について書いてみました。いいですねピックアップトラック。また乗りたくなってきました。いすゞD-MAXやそのOEMのマツダBT-50なんかが日本へ上陸するともっと盛り上がるんですけど。ただ、どれも4ドアのダブルキャブというのは気に入りません。2ドアのエクステンデッドキャブ+ロングベッドがスタイリングとしては一番カッコいい。生産国にはあると思いますので、限定車でも出して欲しいな。そんな妄想へ発展する沖縄取材旅でした。