カーライフ
更新日:2024.02.08 / 掲載日:2024.02.08

最新EV動向!EV利用者の約4割が「次のクルマもEVを選ぶ」 その理由とは?

 「SDGs」「カーボンニュートラル」といった言葉がさけばれるようになった昨今、電気自動車(EV)の注目度も年々高まりを見せています。

 2024年を迎えたいま、EVを持っている人や関心がある人はどのような人なのでしょうか。

 今回は、EVを保有している人のクルマの利用習慣や、EV購入を検討している人の興味・関心など、EVを取り巻く最新動向を調査しました。

※本記事、もしくは本記事の画像を引用いただく際に、引用元のurlを必ず掲載してください。

1. 日本のEV普及率

【データ概要】
調査方法:Uvoice調べ
調査対象:全国20歳以上の男女
調査期間:2023年11月21日~2023年11月24日
回収サンプル数:12,117
サンプル属性:
男女比:男性(77.1%)、女性(22.8%)
年代別:20代(3%)、30代(9.9%)、40代(22.4%)、50代(31.9%)、60代以上(32.5%)

 まずは最新のEV普及率について、「現在保有しているクルマ」と「販売されたクルマ」の、2つの観点から見ていきましょう。

保有車および販売されたクルマの割合
保有車および販売されたクルマの割合

 上記グラフのように、保有しているクルマ・販売されたクルマ共に2%未満という結果になりました。

 続いて、それぞれエンジンタイプについて詳しく見ていきます。

【保有しているクルマ】EVは1.4%、ガソリン車が7割強

エンジンタイプ割合(%)
EV(BEV)1.4
ハイブリッド車
(HEV または PHEV)
22.2
ガソリン車71.9
ディーゼル車2.6
燃料電池車(FCEV)0.6
その他0.1
わからない1.1
表1:保有しているクルマのエンジンタイプ

 全国12,117人に、現在保有しているクルマのエンジンタイプを聴取。その結果、「ガソリン車」が71.9%と最も高く、「EV(BEV)」は1.4%に留まりました。

 「ガソリン車」「ハイブリッド車(HEV または PHEV)」を合わせると94.1%となり、まだまだガソリンを使用するクルマが一般的に乗られていることが明らかに。反面、EVは「ディーゼル車」(2.6%)よりも一般家庭では保有されていないことが分かりました。

【販売されたクルマ】EVは1.6%、2人に1人がハイブリッド車を購入

【データ概要】
引用元:一般社団法人日本自動車販売協会連合会
http://www.jada.or.jp/data/month/m-fuel-hanbai/
データ概要:燃料別販売台数(乗用車)
期間:2023年10月1日~2023年10月31日
備考:軽自動車は除く

エンジンタイプ割合(%)
EV1.6
ハイブリッド車(HV)57.2
PHV1.9
ガソリン車34.2
ディーゼル車5.1
FCV0.1以下
その他0.1以下
表2:燃料別販売台数(乗用車)

 一般社団法人日本自動車販売協会連合会が公開している「燃料別販売台数(乗用車)」によると、2023年10月月間のEV車の販売台数は3,382台で、割合としては1.6%となりました。
 その他、ハイブリッド車は57.2%、ガソリン車が34.2%、ディーゼル車は5.1%と、ハイブリッド車が最も割合が高くなっています。
 国内の環境意識への高まりや、政府による補助金制度・残価設定ローンなどに加えて、新車で販売されている車種によってはハイブリッド車のみのラインナップであるなどの要素から、ガソリン車よりもハイブリッド車の方が車両販売数として多くなっています。
 一方、現時点でEVは、日本の市場で販売されているラインナップが限られていることに加え、充電インフラなどの整備が進んでいない背景もあって割合としては多くありません。

 ただし、大手輸入車メーカーや充電器メーカーなどが充電インフラの整備・拡充を推進している影響もあり、今後、市場規模の拡大が推察されます。

2. EV保有者の実態調査 ボディタイプ、充電設備の有無、普段の走行距離はどうなっている?

【データ概要】
調査方法:Uvoice調べ
調査対象:全国20歳以上の男女で、EV車を保有している人
調査期間:2023年11月21日~2023年11月24日
回収サンプル数:158
サンプル属性:
男女比:男性(77.8%)、女性(22.1%)
年代別:20代(7.5%)、30代(12%)、40代(17%)、50代(32.2%)、60代以上(31%)

 現在EVを保有しているという方に、「保有するEVのボディタイプ」「自宅の充電設備の有無」「普段の走行距離」について伺いました。

【ボディタイプ】軽自動車・セダン・SUVが横並び 「サクラ」人気が影響?

ボディタイプ割合(%)
軽自動車26.6
コンパクトカー15.2
セダン22.8
クーペ8.9
SUV21.5
トラック1.9
その他0.6
わからない2.5
表3:保有しているクルマのボディタイプ

 保有するEVのボディタイプについて聞いたところ、トップは「軽自動車」(26.6%)。そして「セダン」(22.8%)、「SUV」(21.5%)が誤差5%以内で続いており、3種のボディタイプがほぼ横並びになるという結果でした。

 軽自動車の人気を後押ししていると考えられるのが、日産・サクラ。2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤーを三菱・eKクロスEVと共に受賞したのは記憶に新しいところです。

 セダン・SUVでは、テスラ・モデル3やフォルクスワーゲン・ID.4など輸入車メーカーのモデルが注目を集めています。

【充電設備の有無】6割以上がEV購入に合わせて充電設備を後付け

充電設備割合(%)
ある79.7%
ない20.3%
表4:充電設備の有無

 EVを保有する人に自宅の充電設備の有無を聞いたところ、79.7%が「ある」と回答しています。

充電設備がある理由割合(%)
EV購入に合わせて充電設備を後付け64.3
住宅購入時に充電設備を付けた14.3
もともと住居に充電設備があった
(住居選択時には意図していない)
10.3
充電設備がある住居を選んだ
(住居選択時に意図していた)
11.1
表5:自宅に充電設備がある理由

 さらに充電設備がある人に、自宅に充電設備がある理由を聞いたところ、64.3%が「EV購入に合わせて、充電設備を後付けした」と回答。もともと充電設備がある人は10.3%に留まっており、EV購入時に充電設備を後付けする層が最も多い結果となりました。

【普段の走行距離】EVは“日常の足”で活躍?6割が「1回あたり30km未満」

走行距離割合(%)
~5km11.4
6~10km未満13.9
10~30km未満34.8
30~50km未満20.9
50~100km未満12.7
表6:普段の1回の運転での走行距離

 EV保有者に、普段1回の走行で往復どの程度の距離を移動するかを聴取。その結果、「10~30km未満」が34.8%と最も多く、次いで「30~50km未満」が20.9%となりました。

 今回の調査では、30km未満という回答が合計で60.1%に上ったことから、EVユーザーは普段の走行距離が比較的短い人が多く、ロングドライブよりも街乗りで乗る機会が多いことが窺えます。

航続距離割合(%)
~100km10.8
100~200km未満27.8
200~300km未満22.2
300~400km未満21.5
400km~500km未満6.3
500km以上5.1
わからない6.3
表7:保有するEVの航続距離

 また、保有するEVの航続距離(1回の満充電で走行できる距離)はどの程度かについて尋ねると、82.9%が100km以上と回答。航続距離に対し十分余裕がある中で普段の走行がされていることが分かりました。

3. EV購入を検討しているのはどんな人?実態調査

EVを検索する人々の属性とは?
EVを検索する人々の属性とは?

【データ概要】
分析方法:株式会社ヴァリューズ提供のデータ分析ツール「story bank」より
分析対象:キーワード「EV車」「電気自動車」のいずれかを検索した人
分析期間:2022年11月~2023年10月
サンプル数:1,088人
属性特徴:
男性(73.5%) 、女性(26.4%)
20代(16.5%)、30代(18.3%)、40代(36.3%)、50代(26.1%)、60代以上(29.1%)

 EVを検索しているユーザーについて、「性別/年齢、未既婚」「興味・関心/保有資産」を調査しました。

【性別/年齢、未既婚】EV検討者の中心層は「男性60代以上」

「EV」検索者の性別×年代別統計
「EV」検索者の性別×年代別統計

 EVを検索しているユーザーの性別で集計したところ、73.5%が男性という結果に。また、性別×年代のデータでは男性60代以上が20.1%と最多。次点以下は男性40代(17.1%)、男性50代(15.5%)と続き、40代以上の男性に検討されていることがわかりました。

「EV」検索者の未婚/既婚別統計
「EV」検索者の未婚/既婚別統計

 また、EVを検索している人の62.6%が既婚で、ネットの利用者全体と比較しても10%以上高くなっていました。

【興味・関心、保有資産】EVに関心を示す人は資産形成にも関心アリ?

興味・関心のバブルチャート
興味・関心のバブルチャート

 EVを検索している人の興味・関心があるものとして、「パソコン」のほか、「経済」「マネー、投資」がありました。

「EV」検索者の保有資産
「EV」検索者の保有資産

 また、EVを検索している人の保有資産を調べたところ、500万円以上保有資産がある人が52.6%と、ネットの利用者全体と比較して15%以上も多くなりました。
 以上のことから、EVを検討している人は「資産形成に興味がある」と考えられます。興味・関心から「投資」に興味があることがわかり、保有資産も多い傾向にあるため、計画的に貯金や投資をしている可能性があります。
 また続く章で詳しく紹介しますが、EVの購入理由としてランニングコストが低い・助成金などの税制優遇が活用できる等が挙げられることから、家計への意識が高い層にEV車が検討されていると考えられます。

4. EVにかかる費用の実態とは?

【データ概要】
調査方法:Uvoice調べ
調査対象:全国20歳以上の男女で、EV車を保有している人
調査期間:2023年11月21日~2023年11月24日
回収サンプル数:158
サンプル属性:
男女比:男性(77.8%)、女性(22.1%)
年代別:20代(7.5%)、30代(12%)、40代(17%)、50代(32.2%)、60代以上(31%)

 EVを持っている方に、保有するEVの「本体価格」と「維持費用」の2点を聴取。EVにかかる費用を調べました。

【本体価格】ボリュームゾーンは「300万円~500万円未満」

本体価格割合(%)
100万円未満5.7
100万円~200万円未満4.4
200万円~300万円未満17.1
300万円~400万円未満29.1
400万円~500万円未満22.2
500万円~600万円未満7.6
600万円~700万円未満7.6
700万円~800万円未満0.6
800万円以上5.7
表8:本体価格

 EVを持っている方に、購入した時の本体価格を聴取。結果は「300万円~400万円未満」が29.1%と最も多く、次いで「400万円~500万円未満」が22.2%。「200万円~300万円未満」が17.1%となりました。

 300万円~500万円未満が合計51.3%と半数以上を占めており、実際に購入されるEVの本体価格としてのボリュームゾーンが分かりました。

【ランニングコスト】約7割が7000円未満

ランニングコスト割合(%)
3,000円未満25.9
3,000円~5,000円27.2
5,000円~7,000円17.7
7,000円~10,000円16.5
10,000円~15,000円7.0
15,000円以上5.7
表9:ランニングコスト

 EV保有者に、ランニングコストについて尋ねたところ、「3000円~5000円」が最多の27.2%に。次いで「3000円未満」が25.9%、「5000円~7000円」が17.7%となり、7000円未満の回答が70.8%となりました。

 一方で1万円以上かかるという方は12.7%に留まっています。

5. EV購入の決め手、期待外れだった点、次に購入する車のエンジンタイプは…

【データ概要】
調査方法:Uvoice調べ
調査対象:全国20歳以上の男女で、EV車を保有している人
調査期間:2023年11月21日~2023年11月24日
回収サンプル数:158
サンプル属性:
男女比:男性(77.8%)、女性(22.1%)
年代別:20代(7.5%)、30代(12%)、40代(17%)、50代(32.2%)、60代以上(31%)

 EV車を持っている人に、EV車の「購入の決め手」「期待外れだったポイント」「次にどのエンジンタイプの車を購入するか」の3点を聴取しました。

【購入の決め手】ランニングコストや税制優遇がポイントに

購入の決め手割合(%)
環境に配慮したいから16.5
ランニングコスト(維持費用)が低いから31.0
補助金などの税制優遇があるから20.3
走りやエンジンの静かさが気に入ったから10.8
家庭用の蓄電池・電源として利用ができるから8.2
周囲に充電スタンドが十分あるから2.5
自宅に充電設備を用意できるから6.3
その他1.9
特にない2.5
表10:購入の決め手

 保有者にEV購入の決め手を聞いたところ、トップは「ランニングコスト(維持費用)が低いから」(31.0%)。次いで「補助金などの税制優遇があるから」(20.3%)となり、半数以上の保有者が費用面でのお得さを購入の決め手としていたことが分かりました。

 3位以下は「環境に配慮したいから」(16.5%)、「走りやエンジンの静かさが気に入ったから」(10.8%)、「家庭用の蓄電池・電源として利用ができるから」(8.2%)となっており、3割強の人が性能に関する理由を決め手としていました。

 ランニングコストに関しては、「車体価格は結構お高めだが、太陽光発電でランニングコストは下げられる」「電気代が思っていた以上に安い」「太陽光発電のおかげで思ったよりも充電に電気代がかからなくてすんだ」といった意見が挙がっています。

【期待外れだったポイント】「充電」「航続距離」がキーワード

 続いてEV保有者に、EV購入後に期待外れと感じたことを聞いてみました。結果、以下のような意見が挙がりました。

【充電に関する意見】
・充電する場所の少なさ!
・外出先での充電器の確保
・充電時間が長い
・冷暖房に予想以上に電気を消費する事
・時期や場所によって充電待ちが発生すること
・充電器の操作方法一定にしてほしい
・自宅での充電時間は結構かかる。

【航続距離に関する意見】
・航続距離が短いこと

【走行性能に関する意見】
・坂道に弱いこと

 充電時間や設備など、「充電」に関連するポイントが最も多く挙がったほか、「航続距離」に関する意見も見られました。

 充電時間の長さなどといった性能面は最新のモデルで向上・改善されている反面、充電設備の数など環境面はガソリン車の給油環境と比較すると、まだまだ課題が多いと考えられます。

【次の愛車を選ぶなら】「次もEV」は44.9%

EV保有者が次に購入を考えている車
EV保有者が次に購入を考えている車
エンジンタイプ割合(%)
EV(BEV)44.9
ハイブリッド車
(HEVまたはPHEV)
17.7
ガソリン車6.3
ディーゼル車5.7
燃料電池車(FCEV)12.0
決めていない13.3
表11:次の車のエンジンタイプ

 EV保有者に、今後、車を購入する機会があるとしたら、どのエンジンタイプを検討するかを聴取。結果、「EV(BEV)」が44.9%と最も多く票を集めました。次いで「ハイブリッド車(HEVまたはPHEV)」が17.7%、「燃料電池車(FCEV)」が12.0%となっています。

 ガソリン車やディーゼル車はそれぞれ10.0%以下に留まっており、いわゆる内燃機関モデルに戻すという選択はあまりされない傾向にありました。

 「次もEVにしたい」と回答した人からは、次のような意見が挙がっています。
・充電施設を自宅に設置したのでガソリン車は必要ないから
・静音性、加速が良い
・環境に配慮したいから
・ランニングコストが安い
・ガソリンが高いから
 ランニングコストの安さ、環境への配慮、走行性能といったメリットが、次もEVを選択するという決め手となっているようです。
 また、自宅に充電設備を設置したためという回答も見られ、充電設備の有無がEV購入を決める要因となっていることが改めて分かりました。

 一方、EV以外にしたいと回答した人からは、次のような回答が。
・充電設備が不足している
・走行距離
・ハイブリッド車のほうが距離も走るし、給油にも時間がかからない。
・遠出しようと思った時に電気だけだと走行距離をすごく気にしないといけないから
 充電時間や航続距離など、期待外れに感じたポイントをEV保有のネックと捉えている人が多いようです。特に、遠方へのドライブの際、充電設備があるかを確認しなければならないなど、充電スポットが限られていることがデメリットとして受け止められていました。

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